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第42節 ジェフ 3-1 山口 前後半で大きく変わり逆転勝利

 先日、山口でもプレーした宮崎FW工藤壮人が亡くなられたと発表がありました。
 今年は悲しいニュースが多いですが、特に若い方の悲報は悲しいものがありますね。
 実感が湧かないところもあるのですが、お悔やみを申し上げます。

 試合の方は前半と後半とで大きく展開が変わり、一言では言い表しにくい試合となりました。
 ここ最近の勝利パターンは後半に相手が失速したところを狙う展開が多かったので、ジェフの狙い通りではあったのかもしれません。
 2試合連続の逆転勝利で閉めたことになります。


 しかし、今節も前半の出来は良くなかっただけに、快勝とまでは言えない試合だったと思います。
 前半だけでシュートを12本も打たれる展開で我慢して戦えたというよりは、何とか1失点で持ちこたえた流れだったのではないでしょうか。
 前半は相手の出来が良かったことも大きかったですが、3‐1で勝利したものの長時間相手にペースを握られていたように見えたのも、ある種現在のジェフらしい試合だったのかなと思います。

 後半は球際での強さも見せられましたし、体力面でも上回ったことになり、良い意味でのジェフらしさも出せたと思います。
 ただ、結局ジェフは今季を10位で終わりましたが、総合的には10位相当の試合内容だったかなとも。
 それでも最後に勝利で終えられたことは良かったと思いますし、これが来季に向けての弾みになるといいですね。
 改めて、関係者の皆様、お疲れさまでした。

■山口ペースで進み1点を失った前半

 ジェフは前節負傷交代した米倉が不在で、末吉がスタメン。
 ダニエル・リカルドが累積警告で欠場し、レオンソもメンバー外。
 代わりに、西久保、高橋、ブワニカがベンチ入り。

 山口はメンバー変わらず、引退発表している渡部がスタメン。
 同じく引退を表明した菊地、契約満了の島屋、眞鍋は不在。
 サブに高木大輔などが入っています。


 キックオフから、山口が優勢で進めていきます。
 1分には高い位置でボールを奪ったところから、田中がゴール前へパス。
 高井が新井一耀をかわしてシュートを放ちますが、力なく終わります。

 8分、山口が先制。
 左サイドで橋本が高木俊幸をいなして、中央へパス。
 田中がポケットで受けて少し前進し、チャンを外してシュートを放ち0‐1。 


 10分にも山口のチャンス。
 高い位置からプレスをかけて行くと、熊谷がチャンにバックパスを出したところで、梅木と吉岡でチャンからボール奪取。
 吉岡がシュートを放ちますが、GK新井がセーブ。

 12分にはジェフのチャンス。
 末吉の守備から高い位置でボールを奪い、右サイドに流れていた見木が中央のソロモンへ。
 ソロモンがスルーパスを出すと、高木がシュートを放ちますが、角度なくGK関がセーブ。


 17分、ジェフの攻撃。
 クリアボールを受けたソロモンがキープして、1人、2人とかわして見木へパス。
 見木がシュートを放ちますが、GK関の正面。

 その後も山口が攻めて、ジェフがカウンターを狙っていく展開。
 34分にも、山口の攻撃。
 チャンのパスミスを吉岡が拾うと、中央へは合わなかったものの、成岡が拾ってクロスをあげるも、高井、梅木のシュートは合わず。 


 36分、セットプレーからジェフの攻撃。
 右サイドからのCK。
 田口が蹴るとソロモンが競り勝ちますが、橋本がクリア。

 44分、ジェフの攻撃。
 末吉、田口、秋山と繋いで、鋭いミドルシュート
 しかし、GK関の正面で終わり、1点ビハインドで折り返します

■山口が失速し後半だけで3ゴールを上げて勝利

 後半に入ってジェフは秋山を下げ、古巣対戦の福満を投入。
 福満が右WBに入り、左WBに末吉が回りました。
 後半から山口の運動量が落ち、プレスも緩くなりラインも下がっていきました。

 50分、ジェフの攻撃。
 相手のパスミスから、カウンタ―。
 高木のパスをソロモンがキープして高木が受け直すと、そのまま長い距離を持ち上がってミドルシュートで狙いますが、GK関が対応。


 55分、ジェフが同点。
 右サイドからのCK。
 田口が蹴ってこぼれたところを、高木がミドルで狙うと相手選手にあたって軌道が変わりゴール。

 61分、ジェフが勝ち越し点。
 相手の横パスが弱かったところを、新井一耀がボール奪取。
 高い位置でボールを奪ったまま、そのまま持ち上がりシュートを決めて2‐1。


 67分、山口は高井を下げて、沼田を投入。
 75分には山口の決定機。
 左サイドの橋本からのアーリークロス、梅木が田邉の前を取って頭で合わせますが、ゴールの左を逸れます

 79分、山口は吉岡、佐藤を下げて、高木大輔、河野を投入し、成岡にアンカーが入る4-1-4-1に。
 81分、ジェフは新井一耀、ソロモンを下げて、西久保、リカルド・ロペスを投入。
 リカルド・ロペスが1トップ、西久保がCBにそのまま入りました。


 85分、梅木、田中を下げて、岸田、山瀬を投入。
 90分、ジェフは田口、高木を下げて、小林、ブワニカを起用。
 山口は交代カードも切って、再び攻勢も仕掛けていきました。

 しかし、93分、ジェフが追加点。
 中盤での相手のスローインから、こぼれ球をリカルド・ロペスが拾ってバイタルエリアでキープして右サイドへ展開。
 福満がグラウンダーのクロスを上げるとブワニカがゴールを決め、3‐1で尹監督の最終戦を飾りました。

■昨年終盤のような勢いを感じないものの2連勝で締める

 前半の山口は非常に良い試合内容だったと思います。
 来年ジェフがパスサッカーを目指すのであれば、大いに勉強になるチームだったのではないでしょうか。

 ボランチの2人がゲームを作って、左右SBもパスワークに加わり、バイタルエリアでトップ下が受ける動きをする。
 しかし、ただショートパスを繋ぎ通すのではなく、裏のスペースがあると見れば、一気にそこへも展開する。
 パスサッカーのチームはショートパスにこだわり過ぎるきらいもありますが、山口は長いパスもうまく使ってきました。


 裏のスペースを狙うためにも、後方でパスを繋いで、相手を引き出す動きを見せてきました。
 加えて中盤ではワンタッチでのパスワークも挟むので、全体的にパスワークのリズムがとても良かった。
 それによって停滞感の薄いパスワークが、展開出来ていたのではないかと思います。

 プレスもしっかりと整備されていて、サイドでプレスに行って相手をはめられそうなら、ボランチも一気に前に出ていく。
 単発ではなく次のプレスをどうするのか、どこでボールを奪うのかがはっきりしていて、前半のジェフは山口のプレスにかなり苦しめられてしまいました。
 そこからのショートカウンターも驚異でしたね。


 しかし、山口は流れの良かった前半のうちに、2点目を決められずとどめを刺しきれなかった。
 そして、後半に入って大きく失速し、プレスにも行けずラインも下がってしまった。
 攻撃時の運動量も落ちて、選手の距離感も開き、スムーズなパスワークもできなくなってしまった。

 このあたりが良いサッカーをしていたとはいえ、16位で終わってしまった要因なのかもしれません。
 決めきる選手がいない、スタミナに課題がある。
 そこはチーム力や戦術面の課題ではなく、戦力の問題も大きいのではないでしょうか。


 山口は引退選手も複数いて、契約満了の選手も出ているなどして、気持ちの入ったホーム最終戦だったのかもしれません。
 しかし、その分、前半から飛ばし過ぎてしまった側面もあったのかなと。
 そこは致し方のないところなのかもしれません。

 一方のジェフは、前半苦しい流れでした。
 ビルドアップでも相手のプレスの裏を取れず、危険な失い方も多かった。
 守備においてもプレスが単発で、偶発的な印象を受けました。
 

 それでも何とか1失点で終えられたことが、結果的に勝因となるでしょう。
 ソロモンの体を張ったプレーで、前半のうちに何度か攻撃を仕掛けられて、防戦一方にならなかったことも大きかったと思います。
 そして、後半は失速した相手に対して、押し込む展開を作れた。

 そこから得意とするセットプレーの展開で、ゴールが生まれたことが口火となりました。
 セットプレーに加え、DFである新井一耀の2点目も含めて、ジェフらしいゴールが生まれたとも言えるでしょう。
 後半の攻守の圧力も含めて、良い意味でのジェフの特徴も見せられることが出来たのかもしれません。


 今シーズン終盤は、モチベーション問題もあってか、活気のない状態だったように思います。
 ラスト2試合で勝てたのは良かったですが、昨年終盤の勝ちパターンのようなハイプレスから押し込み続けるような試合でもなかった。
 どちらかと言えば、相手のミスを待って何とか隙を突くような展開で、自分たちからアクションを起こす展開ではなかったことになります。

 どちらかといえば、やはり昨年終盤の方が強かったと思いますし、それを考えれば監督交代も仕方のないこと。
 とはいえ、来季も小林コーチの昇格が決まっており、今年の流れを完全に打ち切るわけではないことになります。
 それだけに最後に勢いのないまま終わるのは不安でしたし、最後に勝てて良かったですね。

 チームを去る人も残る人もいるでしょうが、この2連勝を胸に次のステージも頑張ってほしいと思います。
 今シーズンもありがとうございました。