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森保(日本人)監督を支持する理由と日本代表不人気論

 毎度のことながら、賛否両論ある日本代表のチーム運営。
 しかし、個人的には森保監督体制に関して、当初から支持していたというか、大きな不満はありませんでした。
 特定の監督というよりは日本人監督を支持するという話になりますが、その点をカタールW杯前にまとめておきたいと思います。

■日本代表の強化ベースの安定

 まず、現在の日本代表におえる最低限のノルマはW杯出場権を得て、W杯本番で善戦することだと考えています。
 次回の2026年W杯から出場国に36ヶ国から48ヶ国に増加するためまた状況は変わってくるかもしれませんが、現状のルールだとW杯に出場できれば世界から遅れることもないし、日本国内が大荒れになることも少ないだろうと。
 アジアレベルでは優位に戦える日本ですから、チーム作りを大外ししなければ問題ないだろうと思っていました。

 そのように安心して思える背景にあるのが、日本人選手の台頭です。
 中澤・闘莉王が代表から退いたと思ったら吉田麻也、冨安と順を追って出てきたり、阿部、長谷部の次に遠藤が現れたりといったところで、もう日本代表の将来は大きく心配することもないのかなと思うようになりました。
 特に弱点だった長身CBは協会上げて育成してきたところがありますし、狙い通りの選手が生まれて世界レベルで戦えるようになったことになります。


 日韓W杯・ドイツW杯で主力だった黄金世代の次の年代は谷間の世代などと呼ばれてしいたように、もう次のスター選手たちは出てこないのではないかと不安視されていました。
 実際には谷間の世代と呼ばれた闘莉王、阿部、駒野、松井などが南アフリカW杯で活躍しベスト16にまで進出したわけですから、決して力がなかったわけはないはずです。
 私もこの世代を応援していたわけですが、それでも漠然と「黄金世代以上は出てこないのではないか」という不安を抱えていたものの、今ではそういった不安も薄れたように思います。

 もちろんそれでも油断してはいけないのでしょうが、現在では海外で活躍する選手も当たり前になってきた。
 それだけ選手育成がうまくいっていると言えるでしょうし、それなら外国籍監督を招聘して大きな変化を期待するよりも、無難に日本人監督をする形でいいのではないかと思っていました。

■日本人監督でベスト16を2回果たしている日本代表

 実際問題として、W杯での日本代表は日本人監督の方が成績が良いことになります。
 初出場のフランスW杯では岡田監督でGL敗退を喫し、母国開催の日韓W杯ではトルシエ監督でベスト16に進出しています。

 しかし、それ以降はジーコ監督でGL敗退、岡田監督でベスト16、ザッケローニ監督でGL敗退し、西野監督でベスト16進出と明確に結果が分かれています。
 単純な結果論ではありますが、こう見ると日本人監督も悪くないのではないか。
 岡田監督、西野監督は途中登板だっただけに、初めから日本人監督を起用してどうなるのかを見てみたい欲もありました。


 Jリーグでも外国籍監督は当たればうまくいくけれど、失敗すれば大外れになりかねない印象があります。
 特に日本代表の場合、活動期間が限られているため、短期間の練習で欧州のスタイルを身に着けるのは難しいところもある。
 そこはザッケローニ監督やハリルホジッチ監督にも感じたところで、練習重視タイプのオシム監督も苦労したところがあると思います。

 それならば、日本人選手に馴染みの深いスタイルの方が、合わせやすいところがあるのではないか。
 日本人監督ならコミュニケーションも取りやすいだろうし、日本人選手をよく理解しているという意味での利もあると思います。

■日本人監督にチャンスを与える意義

 日本人監督が日本代表を指揮するということは、日本人監督に世界で戦うチャンスを与えることにもなる。
 海外クラブで指揮を執る日本人指導者が増えてこない中で、日本人監督が世界で戦う場を設け、成長を促すということは意外と重要なことではないでしょうか。

 実際、日本代表を率いて世界を経験したことで、その後活躍した監督は少なくありません。
 フランスW杯を率いた岡田監督は、その後、札幌、横浜FM、日本代表で手腕を発揮。
 フル代表ではないですが、アトランタ五輪で指揮を執った西野監督も、柏やG大阪、日本代表で結果を残しています。


 五輪代表で言えば、関塚監督、反町監督などは後に協会の技術委員長に就任しています。
 全員が全員、うまくいったわけではないとは思いますが、特にW杯でベスト16に輝いた岡田監督、西野監督は過去の代表での経験が活きた部分も大きかったのではないかと思います。
 そういった意味で日本代表に日本人監督を据えることは、日本サッカー界の未来への財産に繋がる可能性があると言えるのではないでしょうか。

オシム監督も支持した日本人監督

 オシム監督は代表の監督を退いてから、日本代表に日本人監督を何度も勧めていました。
number.bunshun.jp

どこの国の協会も、出来る限りかつての自国の代表選手を監督にする。選手の側も、監督としての第二の人生を今のうちから考えておくべきだ。協会にとっても自国の元選手を監督にするほうが何かと都合がいいし、金銭面でも安く済む。そして選手にとっても、申し分のない再スタートだ。そうしたことも考えていくべきだ。常に外国人にばかり頼ってはいられないのだから。日本人だけのスタッフ編成もこれからは視野に入れるべきだ。

 ジェフでも口酸っぱく指導者を育て上げる重要性を掲げていたオシム監督ですが、日本代表監督就任時は五輪代表に反町監督を据えることを1つの条件としていたという話もありました。
 その頃から日本人指導者を世界に連れて行くべきであるという発想があり、代表はその1つの機会であると考えていたのではないでしょうか。

 そもそも巷で無駄にジャパンズウェイだと和式だとかと批判されることもありますが、その元祖はオシム監督の掲げた「日本代表の日本化」だと思います。
 ジーコ代表監督時にブラジルスタイルで戦い、日本人選手の良さが出なかったからこそ、この発言に繋がったのでしょう。
 その日本化を果たす1つの手段としても日本人監督の起用は理にかなっていると思いますし、代表監督就任当初から最終的には日本に残る日本人スタッフで、その日本化を果たしてほしいという意思があったのかもしれません。


 もちろん、かといって日本人監督なら誰でもいいわけではないはずで、あくまでも冒頭で話した通り日本人監督を支持ずる理由ということになります。
 ただ、日本人監督の中でも代表を率いることの出来る人材は限られており、森保監督も広島で優勝経験があるものの実績はそこまで厚くなかった。
 そこが若干の不安はありましたが、チーム作りを見ると大きく外れているわけではないように思います。

 森保監督は外国人監督のように奇抜な戦術などがあるわけでもないし、大舞台で結果を残せる度胸があるのかもわかりません。
 発言なども無難ではありますが、個人的にはここまで求められてきたものはこなしてきているように思います。
 それでもW杯本番はスペイン、ドイツと厳しいグループに入ってしまいましたからどうなるかはわかりませんが、今は素直にどこまでやれるか楽しみにしたいと思います。


 一方で、W杯日本代表メンバーが発表されても、盛り上がっていないのではないかと代表不人気論も出ているようです。
 ただ、個人的にはオシム監督代表就任当初もスタジアムが満席にならず不人気などを言われていましたし、そこまで気にすることでもないと思っています。
 それでも徐々に陰りが出てきたのは事実なのでしょうか。

 その原因の1つは今回の初めにも書いたとおり、日本代表が安定してきたことが要因にあるのではないでしょうか。
 漫画やドラマを見てもいわゆる"成り上り"のストーリーは好まれるし、「未知の世界を目指す選手たち」、「W杯に向けて険しい予選突破を目指す代表チーム」といった環境の方が注目を集めたのでしょう。
 しかし、「W杯出場は当たり前」、「海外組も多く対世界という立場も珍しくない」といった現状では、どうしてもコンテンツとしては弱くなりますよね。


 昔から「欧州の強豪国では代表よりクラブ人気」と言われていますが、それも環境的に似た部分があるからなのかもしれません。
 だとすれば、日本代表の人気が落ちてくるのも自然な流れ。
 むしろこの状況だと、もっと頑張るべきなのはJクラブの方ではないかと思います。

 だからこそ、代表時代のオシム監督はJリーグで活躍した選手を選出するなど、もっとJリーグに注目するように働きかけていたのではないでしょうか。
 成績面でも同じことがいえ、代表はアジアでも安定した結果を残していますが、JクラブはACLで苦戦する年も珍しくない。
 そう考えていくと、代表活動に不満の声を上げるJサポも少なくないですが、もっと頑張るべきは自分たちのクラブなのかもしれません。


 ジェフも当然J2生活に馴染んでいる場合ではない。
 もっと日本代表に強く言えるようになるためにも、ジェフにも頑張っていただかなければいけません(笑)
 本来問われるべきは日本代表の不人気ではなく、総合的な国内のサッカー人気ではないかと思いますし、サッカー界全体で精進していかなければいけませんね。

 日本代表の人気に関しては、日本の国民性からしラグビーW杯や五輪などを見ても、始まってから盛り上がるというところがありますので、すべては本番次第なのではないでしょうか。
 代表にかかるものは変わらず大きいですが、頑張ってほしいと思います。
 それと共に代表が不人気になってもサッカー人気は支えられるような環境作りが必要ではないかと思いますし、そのためにも各クラブが頑張らなければいけないのではないかと思います。