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パリ五輪 日本代表 1-0 イスラエル代表 コンディションに不安も細谷真大の劇的勝利で3連勝

 初戦から2連勝で、グループリーグ1位をほぼ手中に収めていた日本代表。
 イスラエル戦では主力を休ませるという意味だけでなく累積警告も警戒して、DFラインの3人を含めスタメン6人を変えてきました。
 ジェフアカデミー出身の内野も、左SBでスタメン出場を果たしています。

 過去2戦は立ち上がりから優勢に立った日本ですが、この日はメンバーの入れ替わりもあって苦戦スタート。
 守備がはまりきらず、ビルドアップもスムーズに展開できず。
 序盤は押し込まれる展開が続き、イスラエルに何本かチャンスを作られてしまいます。


 メンバーが入れ替わったことで連携面にも多少の問題が生じたように見えましたが、単純に運動量も足りていなかった印象もありました。
 守備でもポジション修正が少しずつ遅れことで、結果的に押し込まれてラインが下がり、攻撃面でも選手の距離感が開いてパスコースも作れずうまく持ち上がれなかった。
 この日は30度を超す気温だったことと、連戦の影響も出ているのかもしれません。

 また、勝たなければグループリーグ突破はないイスラエルが、キックオフからアグレッシブに出てきた影響もあるでしょう。
 イスラエルはしっかりと繋げる技術もあって個々の突破力も高く、良いチームのように見えました。
 それでも日本が小久保の活躍もあって失点を逃れると、20分前後からはイスラエルの運動量も落ち着いていきます。


 前半途中からは日本ペースに。
 日本選手の運動量も上がっていき、ハイプレスにもいけるようになって、パスワークのスピードも上がっていきました。
 序盤に裏を取られて決定機を作られた内野も、それ以降はうまく攻撃時にハーフペースをアップダウンすることで、攻撃面で貢献していたと思います。

 ただ、左サイドを中心に攻め込む展開は作れた日本だったものの、なかなか決定機までは作れなかった。
 サイドの裏を取れても中央の人数が足りていなかったり、大外からのクロスで終わってしまったり。
 この辺りは連携面の問題もあったのかもしれませんが、もう一歩中まで食い込めなかった印象です。


 すると後半からは、再びイスラエルが勢いを高めていきます。
 対する日本代表は運動量が落ちて、ボールへの反応が遅れていきました。
 ハーフタイムに植中を投入して山本を下げ、本職ではない荒木をボランチに回した影響などもあったのか、劣勢の展開となっていきます。

 しかし、その時間もしっかりと穴を作らない耐える守備で乗り切ると、75分頃からは日本が盛り返していきます。
 そして、後半ATに細谷が今大会初ゴール。
 終盤はイスラエルの足元待って、1-0で日本が勝利しました。


 細谷の冷静なシュートが目立ちましたが、そこまでの攻撃をお膳立てした藤田のスルーパスも見事だったと思います。
 細谷と共に試合終盤に途中投入された藤田ですが、やはり藤田が入ると攻撃のテンポが速くなるし、中盤の守備でも締まりが生まれる。
 ゴールシーンまでも何度か素晴らしいチャンスメイクを見せていますし、藤田のチームなんだろうなと思います。

 劇的な勝利でグループリーグを締めくくった日本ですが、大きな世界大会をグループリーグ3戦全勝で突破したのは初めてではないでしょうか。
 それだけでも立派なことではあるとは思いますが、あくまで大事なのは最終的な順位。
 そして、トーナメント初戦はグループリーグ最終戦でメンバーを落とし、エジプトに敗れて2位通過となった強豪スペインとの対戦ということになってしまいました。


 若干イスラエル戦で気になったのは、日本選手たちのコンディションが落ちつつあるのかなという点。
 攻守の運動量や寄せへの反応の良さで戦っているイメージのあるチームですから、コンディションの低下は不安材料ではないかと思います。
 それがメンバーを落としたことによってそう見えたのか、初戦から飛ばしてきた結果、調子が落ちつつあるのかが気になるところ。

 結果的にイスラエル戦では守備の時間も長い、苦しい試合にも見えてしまいました。
 ただ、それがスペイン相手の守備練習になったのであれば、前向きに働く可能性もある。
 もともとは守備のチームで、グループリーグ3戦も無失点で突破したチームですから、その強みをスペイン戦でも見せつつ攻撃面でも頑張ってほしいところですね。
 運命の日本代表対スペイン代表戦は、8月2日(金)の深夜24時からキックオフとなります。