前節長崎戦は、残念ながら1-2でジェフが敗戦。
プレーオフ争いにおいて、大事な1戦を落としたことになります。
しかし、翌日行われた熊本対仙台戦で、プレーオフ争いのライバル仙台が、熊本に1-3で敗北。
これによって、ジェフは辛うじてプレーオフ圏内の6位に留まりました。
試合前にアップしたYoutubeで、ジェフは残りカードが厳しく、仙台と当たる熊本も「不気味な存在」と話していましたが、それらの予想が当たってしまったことになります。
前節は岡山が藤枝に2-0で勝利、山形も3-1で水戸を下したため、順位が変動して4位岡山、5位山形、6位ジェフ、7位仙台となりました。
前節の結果を経て、岡山のプレーオフ進出が確定。
岡山が7位まで落ちるケースは、山形、ジェフ、仙台の3チームが岡山を上回るパターンとなりますが、山形とジェフは最終節で直接当たるので、両チームが同時に岡山を上回る可能性はないため、岡山の6位以上は確定となっています。
一方で上位にも異変があって、現在2位横浜FCが第35節岡山戦、第34節仙台戦とプレーオフ争い中のチームに敗れると、前節栃木戦もまさかの引き分け。
ここに来て3戦勝ちなしとなり、大きな足踏みをしてしました。
これによって、最終節で2位横浜FCが負けて、3位長崎が勝利した場合は順位が入れ替わって、長崎が自動昇格をし横浜FCがプレーオフに回ることになります。
ただし、横浜FCは最終節山口戦で引き分けても2位確定ということになりますので、長崎としては狭き門となるのではないでしょうか。
順位と最終節の対戦カードをまとめると、以下のようになります。
仙台が前節の試合を落とした結果、ジェフは負けか引き分けでも仙台の最終戦次第で、プレーオフに進出する可能性が残りました。
また、山形も引き分け以上で、プレーオフ進出が決定します。
しかし、山形もホーム最終節ですし、試合開始までは当然お互いに勝利を目指して戦うことになるでしょう。
改めて、最終節でジェフと対戦する山形は、シーズン終盤に成績を上げ現在怒涛の8連勝中。
さらに8連勝の前の試合は上位横浜FCに1-2で敗れていますが、その横浜FC戦前も3連勝を果たしています。
そのため、第26節からの成績は、11勝1敗と驚異的な数字になっています。
やはり大きいのは、湘南からディサロ、鹿島から土居が、夏に加入したことではないかと思います。
ディサロはこれまでにも北九州、山形などJ2の舞台で活躍経験があり、土居は日本代表にも選出された選手で故郷山形に舞い戻ってきたことになります。
特に今季の山形は前線が薄い印象もありましたから、2人はピンポイントな補強だったと思います。
ディサロは前線で起点となりつつゴールに向かえて、山形に加入してから13試合に出場し7ゴールと結果も残しています。
また、土居は間で受ける動きが非常にうまく、土居の加入から中央でもチャンスを作れるようになって、こちらも13試合出場で4ゴール2アシスト。
2人の加入によって層も厚くなり、高橋、後藤優介がスーパーサブとして活用されるようになったことも大きなプラスだと思います。
前線中央が固まったことにより、右のイサカ、左の國分もはまっていった印象です。
また、2人の加入だけではなく、ビルドアップもおいてもチームとして成長しており、高江と小西のボランチコンビが、流動的に動き回って、攻撃を作り上げています。
相手がプレスに来た時は後方で繋いで引き付けてからロングパスで回避し、相手を押し下げたところでボランチや土居、國分などを中心にパスワークを展開していくのが、基本となっているのではないでしょうか。
一方で守備においては、前線2枚と左右SHで横一列に近い状況となり、様子を見ながらプレスにいく形。
そして、プレスにいけなければ、4×4で後方に引いて守る傾向にあり、比較的引く時間も長い印象です。
攻撃的なイメージの強い山形ですが、ボールポゼッションが長いこともあってか、総失点数は36でJ2で4番目に少ない数字となっています。
それでもジェフとしては、圧力をかけ続けて相手を押し込み続けること、ショートパスを繋がせるのではなく、ロングボールを蹴らせる展開に持っていくことが理想ではないかと思います。
そのためにも、CBはしっかりと跳ね返す力が求められると思いますし、カウンター時のイサカへの対応なども重要となってくるのではないでしょうか。
前節長崎戦でのジェフは、久々に激しいハイプレスを展開していき、チャンスも作り出すことが出来ました。
これまではハイプレスをかけていくと、後半にガス欠を起こすことも多いため諦めていた印象もありましたが、気温が下がったことやモチベーションなどの要素もあってか、そこまでガクッと動きが落ちることはなかった試合と言えると思います。
ただ、それでも後半は前半ほどの勢いを出せなかった印象でしたし、試合終盤に追い上げる展開が作れないなど、問題点も出てしまった試合だったと思います。
そのため、立ち上がりからハイプレスで戦っていくのであれば、先行逃げ切りが理想ということになるでしょうが、長崎戦では早い段階で失速した時点で劣勢に立たされていたと思います。
それでも、小林監督のコメントからして、手応えも掴んだ試合だったのでしょう。
山形戦も勝ちにいかなければいけない状況を考えれば、ハイプレスをかけていくのだろう予想されます。
しかし、今季のジェフはアウェイゲームだと、ハイプレスをかけきれないことが多い。
コンディションなどの問題もあって、ホームほどの圧力をかけられず、中途半端なプレスになってその裏を取られてしまう展開が目立っていました。
攻撃面でも勢いを上げきれずゴール数も伸び悩む傾向もあり、アウェイの苦戦でハイプレスを諦めたところもあったと思います。
その結果、ホームでは『12勝1分6敗』と勝率が高いのに対し、アウェイでは『7勝3分8敗』と負け越し。
勝ち星が5つも違うわけですから、その差は非常に大きくなっています。
これがジェフが今季自動昇格争いに絡めなかった1つの原因として考えられると思いますし、やはりハイプレス頼りになっているところが、大きな課題と言えるのではないでしょうか。
とはいえ、現状ではハイプレスをかけていくことが、一番勝率の高い戦い方であることは間違いないと思います。
気温も下がってきたし、プレーオフというモチベーションもあるわけですから、ハイプレスが持つことを祈って戦うことになるのではないでしょうか。
山形も安定した戦いぶりを見せていますが、ここ数戦は若干疲れが見えるようにも感じますし、ジェフにもチャンスはあると思うので、最後まで集中して頑張ってほしいと思います。