いわきに続き富山にも勝利し、10年ぶりの開幕2連勝を飾ったジェフ。
第2節終了時点でも、首位をキープしたことになります。
ただ、開幕2連勝したチームは徳島、磐田など、ジェフの他に4チームもいる状況ですから、当然まだまだこれからですね。
明日、ジェフはホーム2連戦で山形と対戦。
東北チームの山形はまだ本拠地で練習ができず、今週火曜日には幕張の夢フィールドで4次キャンプをスタートしました。
この時期の山形は市原市でのキャンプが恒例となっており、近年はそのままフクアリでジェフと戦うパターンが続いています。
しかし、今年も昇格候補の一角と言われていた山形ですが、開幕から2連敗と苦戦。
昨年も開幕戦はジェフを3-2で下し、第2節栃木戦にも勝利していますが、その後のシーズン序盤は低迷しています。
ジェフ同様にシーズン序盤の成績改善が課題となっているわけですが、今年も苦戦してしまうのでしょうか。
今季の山形は本拠地に戻れない影響もあって、コンディションで苦労している部分も大きいように見えます。
特に0-1で敗れた前節水戸戦はピッチコンディションも厳しく、パスサッカーには難しい状況にもなっていたかとは思いますが、単純に水戸の選手たちに走り勝てず敗れてしまった印象でした。
山形は攻守に動きが重く、持ち味が出し切れずに終わった試合だったと思います。
山形は第1節大宮戦で右SHに國分、左SHにイサカと、昨年とは左右SHを入れ替えて戦いました。
右サイドで國分が攻撃を作って、左サイドからイサカが飛び込んだり、仕掛けたりするイメージだった模様です。
ただ、この試合では大きな違いを感じず、第2節水戸戦では左右を元に戻しています。
開幕からの2戦で大きく変わったのが守備陣で、開幕戦では右から野嶽、熊本、城和、安部がDFに選ばれましたが、第2節では野嶽、西村、安部、山田となり、GKもヒュワード・ベルから長谷川に変わりました。
大宮戦を1-2で落としたことによる変更もあったのかもしれませんが、控え選手も含めて入れ替わりが激しいですし、怪我などの問題もあるのかもしれません。
なお、右SB川井は昨年の昇格プレーオフでの退場により、今季開幕からの3試合が出場停止となります。
第1節大宮戦での山形は、CKから2失点を喫して1-2で敗戦。
第2節ではCKの守備をマンマークからゾーンに戻したようですが、いずれにせよ守備面では若干の弱さを感じました。
前節富山戦でショートコーナーからゴールを奪っているジェフとしては、セットプレーも狙いどころとなるのかもしれません。
ただ、水戸戦に比べれば大宮戦の方が動きは良く、チャンスも作れていた印象です。
後方からの細かなビルドアップ、清水MF中村も加わったボランチからのパス出し、イサカの縦への仕掛け、間で受ける土居のチャンスメイクなど、昨年から基本的なイメージは変わらず。
また、鹿児島から加入したSB野嶽のハーフスペースを取る動きも、非常に効果的に機能していました。
2連敗しているとはいえ状態が上がってくれば、ジェフにとっても脅威の相手となると思います。
ゲームは作れているわけですから、あとはしっかりとゴールを奪えるようになって、ゴール前で跳ね返せるか。
そこは山形に限らず、ジェフも含めてどのJ2チームにとっても、大きな課題となりますね。
ホームで山形を迎え撃つジェフは開幕から2連勝。
前線、ボランチ、SB、CBとスタメンを一部入れ替えて、勝利をつなぐことができました。
先日も取り上げたとおり、小林監督は「総力を挙げて戦っていく」と話していますから、選手の使い分けが今季のポイントとなるのかもしれません。
ただ、山形戦はいきなり選手の選択が、問われる試合となる可能性もあるのではないかと思います。
いわき戦では前、富山戦では日高が、左SBに起用されました。
小林監督のコメントなどから考えると、いわき戦は相手のフィジカルもあり、守備面も考慮して前を起用したようですが、富山戦では日高となっています。
状況から考えると攻撃面や左サイドからのクロスを期待して日高が起用され、その富山戦で見事に2アシストと結果を残したことになります。
しかし、山形で左SBがマッチアップが予想されるのは、相手の右SHイサカ。
イサカは縦に鋭い地上戦だけではなく、フィジカルも強いアタッカー。
日高も守備力は十分にある選手ですが、守備面だけを考えたら前の方がよいという発想になるのかもしれません。
選手を入れ替えて戦っていくとなると、こういった時に大きな悩みが生じるのだろうと思います。
過去の試合の成果を評価して選手を選ぶのか、それとも状況に応じて選手を選ぶのか。
どうしても結果を残した選手を優先するのが自然となるため、結果的にチームが成熟するにつれ、選手も固定化されていくのではないでしょうか。
しかし、それだと、小林監督の言う「主力選手がいなくなると、ガクンとチーム力が落ちる」問題が起こりがちとなってしまう。
だからこそ、今年は選手層を厚くして、選手を入れ替えてやりくりするという手法を取るという発想なのではないかと思うのですが、果たしてそれを実際に遂行することができるのか。
時には非情に、周りの目も気にせずに実行した上で、それが正しいと証明するために、結果も残さなければいけないと思うわけですが、そこまでの決意で押し通せるのか。
余談ですが、そういった問題が想定されるからこそ、オシム監督はポリバレントを重要視したのでしょう。
複数のポジションをこなせて、攻守に戦える選手を大事にすることによって、主力選手が欠けても穴埋めをしやすい柔軟なチームを作り出す。
そもそもポジションなんてあってないようなスタイルで、流動的に戦うため各選手がどの位置にいても戦えるチームとなっていましたが、今のトレンドや小林監督のサッカーは左右SHを筆頭にむしろ分業がはっきりしている傾向があるので、より多くの選手や入れ替えが必要となっているのかもしれません。
現在の成績はジェフの方が上ですが、山形は昨年4位で一昨年5位と、ジェフの昨年7位、一昨年6位を上回っています。
さらに、昨年は開幕戦と最終節で直接当たっていますが、どちらもジェフが敗れています。
現在のジェフは山形相手に5連敗中で、なんとジェフの勝利は2018年まで遡ることになるそうです。
改めて対戦成績を振り返ると、単純な昇格のライバルというだけではなく、ジェフにとっては天敵でもあります。
それだけに、開幕2戦の結果は忘れて、気持ちを改めてこの大事な1戦に臨む必要があるのではないでしょうか。
今年こそはジェフが変わったと証明するためにも、山形相手に勝利を期待したいですね。