磐田戦でのジェフは、これまで以上に積極的に前へプレスをかけていきました。
相手がプレスに弱い磐田だったこと。
この日もジェフは試合の入りが悪く、早々に失点してしまったことも大きかったのでしょうか。
プレスからチャンスが作れた場面もありましたが、逆に富山戦のようにプレスの背後を狙われて、DFライン裏を突かれたシーンもありました。
攻撃的な磐田もビルドアップ作りには不安があって、ジェフもハイプレスの裏に課題があった。
結果的に互いに危なっかしさも感じる、激しい展開となりました。
しかし、速報によると、磐田はシュート7本に対して、ジェフは4本止まり。
ジェフはオフサイド判定もあったとはいえ、激しい展開の割にはシュートチャンスは作れなかったことになります。
これでは、なかなか勝てないと思います。
ここまでサイドの1対1で優って攻撃を作ってきたジェフですが、磐田は個々の能力が高く1対1の状況が作れても、簡単には勝てなかった。
磐田は決して極端なサイド対策をしてきたわけではないと思いますが、やはり個人での守備能力が高かったと思います。
そこが今までの試合との、大きな違いだったのではないかと思います。
対して磐田は、同じサイド攻撃でもトップ下やSBがSHに絡むことが多く、相手の表で受けて1対1を仕掛けるのではなく、スルーパスなどでサイド裏をしっかりと取れていました。
1対1での仕掛けになると、個々の勝負になる問題だけではなく、攻撃に時間がかかるため、クロスを上げられても、中の守備が戻れてしまう。
結果的に、この日のジェフはプレスからのカウンターがメインということになってしまいました。
だからこそ、小林監督は個々の1対1を伸ばすことが大事だという発想なのかもしれませんが、オシム監督などは1対1に頼るのではなく連携した動きが大事だという考えだったのでしょう。
どちらも正しいのかもしれませんが、今日の試合は若干の限界も感じたように思います。
結果的に甲府戦、富山戦などではサイドの守備を強化されて1対1を作れず、この日はサイドでの1対1を作れても勝てずに、リーグ戦初黒星となってしまいました。
■開始早々に失点して激しい展開に
ジェフは第6節甲府戦から田中がスタメンに復帰し、岩井が控えに。サブから河野と吉田が外れて、エドゥアルドが入りました。
磐田は第6節仙台戦から、スタメン変動なし。
サブからヒルが外れて、ルヴァン杯でプロ初ゴールを決めた18歳の川合が入りました。
ベンチには為田、西久保などが入っています。
3分、相手のミスからジェフのチャンス。
GK阿部の中村への短いパスが短く、ジェフがプレスからボール奪取。
品田がパスを出し、呉屋が狙いますが、GK阿部がキャッチ。
6分、磐田が先制。
ジェフが前へプレスにいく中、松原が後方からロングパス。
これを受けた角が1対1となった鈴木大輔を交わして、シュートを放ちゴール。
ジェフは積極的にプレスへいき、1つひっかければチャンスといった展開が続きます。
しかし、磐田もロングパス一本で、ジェフDFライン裏やペイショットの頭から裏返す攻撃を狙っていく。
どちらも1つ間違えば失点、という危うい状況が続きます。
21分、ジェフのチャンス。
高い位置での相手のパスミスから、品田が受けて縦へ。
椿が左サイドからシュートに行きますが、枠の外。
26分には磐田の攻撃。
高橋のパスミスを角が受けて、中央を仕掛けます。
ミドルシュートに行きますが、鈴木大輔のブロックして、GKスアレスがキャッチ。
32分、磐田の決定機。
ペイショットのポストから、上原のスルーパスを受けたクルークスが、右サイドを抜けて中央へラストパス。
ペイショットが合わせますが、吹かしてしまいます。
37分にも磐田の攻撃。
磐田がジェフのスローインを奪ったところから、中盤中央へ展開。
倍井が受けてミドルシュートを放ちますが、GKスアレスがセーブ。
その後も、一進一退といった展開。
お互いにゴールは生まれず、0-1で折り返します。
■激しい展開もチャンスは作れず0-1で敗戦
55分、磐田のチャンス。クルークスが右サイドでもって、ポケットを走った角へスルーパス。
角がラストパスを送ると、中村が合わせますが、GKスアレスがセーブ。
64分、ジェフの攻撃。
左サイドで横山が仕掛けて、椿が中で受けてラストパス。
呉屋が合わせてゴールネットを揺らしますが、オフサイドの判定。
その直後、ジェフは呉屋、品田を下げて、カルリーニョス、田口を投入。
71分、磐田は角、倍井を下げて、佐藤、川崎を投入。
シュートチャンスは少ないものの、後半も激しい展開が続きます。
75分、磐田の攻撃。
後方からのロングボールを、左サイドで川崎が落とします。
松原が裏を取ってクロスを上げますが、鳥海がクリア。
77分、ジェフは腰を痛めた鳥海と田中、椿を下げて、松田、杉山、岩井を起用。
80分、ジェフの攻撃。
中盤左からのFKを横山が蹴ると、田口が合わせて、松田が詰めますが、オフサイド。
後半途中から、磐田の運動量が落ちていきます。
80分、磐田は上原、植村を下げて、金子、為田を投入。
86分、磐田はペイショットに代えて、渡邉を投入。
試合終盤は、1点を追うジェフが攻め込む展開が続きます。
しかし、磐田も要所要所でプレスに来て、押し上げる動きを見せていきました。
そのまま、ゴールを奪えず、0-1で今季初の黒星となりました。
■プレスの裏を取られて失点するも再びプレスメインに?
磐田はしっかりと、ジェフを分析した攻撃をしてきたのではないでしょうか。特に1点目などは、2-4で敗れたルヴァン杯を思い起こすような、CBからロングボールを出して仕掛ける展開でした。
この日のジェフは、積極的に前へのプレスを仕掛けていきました。
しかし、昨年までほどの完璧なハイプレスといった印象ではなかった上、リスクマネジメントには不安があった。
富山や磐田はそこを、ついてきたとも言えるのかもしれません。
ジェフのハイプレスは、SHが前に出ていくのが基本。
特に前線の石川はそこまでプレッシングが得意ではないこともあって、よりSHのチェイスに依存している印象もあります。
しかし、SHがそのまま前に出るだけでは、中盤が空いてしまう不安がある。
そのため、SHが前を追い越してプレスに行く場合は、SBも前に出て対応することになる。
これによって、中盤を埋めるということになるわけですが、そうなるとDFラインは3バック、状況によっては2バックになってしまいます。
富山や磐田はそこを狙って、FWが少しサイドに流れて起点を作り、攻撃を作っていった印象です。
さらに、磐田はサイド攻撃も非常にうまかった。
強烈なキックを持つクルークスが右SHにいることもあって、クルークスにマークが集まれば、ポケットに植村や角が走って、チャンスを作っていく。
クルークスは仕掛けやクロスだけではなく、シンプルに周りも活かせるプレーも出来る選手ということで、うまく他の選手を走らせていました。
結果的に、磐田もサイド攻撃が基本ではあるのですが、強引な仕掛けはほとんどなかった。
そこがサイドでの1対1を主軸に戦ってきた、今季のジェフとの違いだったと思います。
強引な仕掛けがない分、よりスピーディにゴールへと迫れていた印象です。
もちろん、それでもジェフにもチャンスはありました。
ジェフは2バック気味にプレスにいくのに対し、磐田は2バック気味にビルドアップを開始していた。
そこに対してジェフが積極的にプレスに行っていましたから、事故的なチャンスが生まれる可能性も感じられました。
ただ、ハイプレスだけの戦いでは、安定した勝星は厳しいということは、昨年まででもわかっている問題。
ハイプレスに依存した攻撃では自分たちから攻撃が作れないし、結果的にジェフ側が押し込んだ状態になりがちで、スペースがなくなってしまう傾向にもあります。
それ以外の攻撃作りがやはり必要なのではないかと思うのですが、この試合ではその点で苦戦したということになるのではないでしょうか。
これでジェフはリーグ戦初黒星がついたことになりますが、それに関してはそこまで気にすることはないと思います。
ただ、ルヴァン杯から数えると2連敗ということにもなり、本質的な課題は富山戦にも近いものを感じる印象もあります。
その課題が大きくなったり、相手に狙われるようになったりするのであれば、問題ということになるでしょう。
磐田戦では思い切ったハイプレスに出たジェフですが、それを今後も続けていくのかにも注目です。
富山戦でも先にビハインドを負った展開だったためか、プレスにいく時間も長かったですが、結局はその方向にスタイルが収束していくことになるのかどうか。
今後の戦い方が気になる状況となってきました。