当ブログはプロモーションを含みます

第37節 大分 0-1 ジェフ 後半から攻め込まれるもCKからの一点を守って自動昇格に望みを繋ぐ

 ジェフは昇格、大分は残留がかかった試合ですが、思ったよりもテンションの低めな試合だったかなと思います。
 お互いに1週間試合が空いて気合を入れて臨んでくるかと思ったのですが、ジェフはアウェイだったこと。
 大分はそもそもチーム状態が悪かったこともあって、ミスも多く、動きの重い展開になったように思います。

 ジェフとしては、今までと大きく変わらない試合内容だったと思います。
 前への勢いは、ホームで戦った前節までの2試合に比べると感じませんでしたが、戦い方には変化がなく。
 後半に失速する時間があるのも、いつも通りだったと言えるのではないでしょうか。


 大分は前節札幌戦でも後半開始と同時に3人を入れ替え、テンションを上げて戦っていました。
 この日もグレイソンや野村を温存してきましたし、初めから試合途中から勝負を仕掛けるプランだったのではないかと思います。
 現状のチーム力を考えれば90分間正面から戦うのは難しく、後半の短い時間で点を奪いにいこうという発想だったのではないでしょうか。

 そのため、大分としては前半で1点ビハインドという展開も、ある程度は織り込み済みだったのではないかと思います。
 そして、実際に後半途中からは完全に大分ペースで、幾度となくゴールに迫ってきました。
 大分は引き分けで良い展開で、ジェフは勝たなければいけない状況だったことを考えれば、本当に紙一重な展開だったと思います。


 ジェフとしては相手が低調だった前半か、後半の早い段階でもう1点を奪いたかった。
 それが出来ないところが現在のジェフの課題であり、物足りなさも感じる部分だと思います。
 攻撃もいつも通り展開に工夫が少なく、相手に読まれた状況での強引なサイド攻撃がメインで、後半からは大分がサイド守備を修正してきて、苦戦していったところもあったと思います。

 ただ、攻め込まれた展開でも、しっかりとジェフのCBが相手の攻撃を跳ね返せたところは、非常に頼もしかったと思います。
 鈴木大輔は相手ゴールキックでもグレイソン相手に競り勝っていましたし、それによって攻撃の芽を摘んでいきました。
 最後には久々に鳥海も試合に出場しましたが、やはり今年のジェフはCBが中心のチームなのだと改めて感じた試合でもあった気がします。

■ジェフが攻める展開でCKから先制

 ジェフはスタメン変更なし。
 呉屋が出場停止で、品田が入りました。

 デルランが出場停止の大分は、戸根もベンチスタートで、ペレイラがスタメン復帰し、三竿がCBへ。
 左WBには薩川が入り、右WBも茂から吉田に代わって、ボランチの池田も不在で榊原が復帰し、前線も鮎川、シャドーにも伊佐が入りました。
 グレイソン、野村がサブに回っています。


 開始早々、ジェフの攻撃。
 大分のCKからのカウンターで、椿がグラウンダーのクロス。
 最後はエドゥアルドがミドルシュートで狙いますが、ゴールの左。

 8分にもジェフの攻撃。
 左サイドからのCKの流れから、ジェフが拾い直して、エドゥアルドが中盤右からミドルシュート。
 しかし、ゴールの左をそれます。


 その直後には、大分の攻撃。
 右サイドのロングスローから、大分が中盤で拾い直して前方へ展開。
 鮎川が落とし岡本が繋いで、伊佐がミドルシュートを放ちますが、GK若原の正面。

 試合は序盤から、ジェフがボールを持つ展開に。
 ジェフはサイドを中心に仕掛けていきます。
 しかし、大分も状況に応じてプレスをかけるなど、カウンターを狙っていきました。


 それでも19分、ジェフが先制。
 左サイドからのCK。
 田口が蹴るとエドゥアルドのシュートがポストに直撃し、河野が詰めて1-0に。

 25分には大分の攻撃。
 右サイドからのCK。
 三竿が蹴るとゴール前ではじかれて、ファーの鮎川が狙いますが、枠の外。


 31分にも大分の攻撃。
 河野からエドゥアルドへのボールを榊原が奪うと、そのまま持ち上がってミドルシュート。
 しかし、GK若原がセーブ。

 35分にはジェフのチャンス。
 中盤左で得たFK。
 田口が蹴るとGKムンが前に出てパンチングしますが、こぼれを河野が狙い吉田がゴール前でブロック。


 44分、ジェフの攻撃。
 右サイド奥のスローインから、エドゥアルドがキープして中央へ。
 田口がミドルシュートで狙いますが、GKの正面。

 スコアが動いても、大きく展開は変わらず。
 ジェフがボールを持つ時間が長く、大分はプレスからボールを奪ってもパスミスが目立ち、1-0で折り返します。

■70分頃からは大分ペースもジェフが逃げ切り

 HT、大分は怪我もあって吉田を下げて松尾を投入。
 49分にも、三竿が負傷交代し戸根を投入。

 54分にはジェフの攻撃。
 中盤左でボールを奪ったところから、エドゥアルドが大きく右前方へ展開。
 イサカが左足に切り替えてクロスを上げると、石川が頭で狙いますが、大きく枠をそれます。


 60分には大分の攻撃。
 右サイドの松尾からのクロスは河野が跳ね返しますが、こぼれたところを大分が奪取。
 最後は伊佐がミドルシュートで狙いますが、枠の外。

 64分、ジェフはカルリーニョス、椿、エドゥアルドを下げて、森、杉山、前を投入し、前がそのままボランチに。
 66分、大分は鮎川、薩川を下げて、野村、宇津元を投入。
 伊佐が1トップに入りました。


 67分、大分の攻撃。
 中央でのパスワークから、松尾がクロス。
 ニアの野嶽が頭で合わせますが、枠の外。

 70分頃からは、大分が攻め込んでいきます。
 ジェフは運動量も落ちて、前に出ていけなくなっていきます。
 74分、ジェフは日高が負傷交代し、品田が入って前が左SBに。


 その直後にも大分の攻撃。
 中盤右からペレイラがアーリークロスを上げ、天笠が狙いますが、枠の外。
 76分、大分は伊佐を下げてグレイソンを投入。

 82分にも大分の攻撃。
 大分のプレスから若原がミスキックをして、宇津元がボールを受けます。
 野村とのワンツーで受け直した宇津元がシュートに行きますが、鈴木大輔がブロック。


 90分、ジェフは田口を下げて鳥海を投入し、5バックにして前がボランチに。
 92分にはジェフの攻撃。
 中盤でボールを拾ったところから、森とのワンツーで品田がシュートに行きますが、GKムンがキャッチ。

 試合終盤は、パワープレー気味に大分が攻め込んでいきます。
 しかし、ジェフもゴール前で跳ね返し続け、1-0で何とか勝利を上げました。

■左サイドからの攻撃を封じられたところから大分ペースに

 ジェフとしては、いつも通りの戦いだったのではないでしょうか。
 後方でボランチとCBを中心にサイドに大きく展開し、ビルドアップをスタートする。
 高橋もタッチライン際まで開いて、そこにエドゥアルドも流れて加勢して、サイドに人数をかける。

 サイドにボールを回すことによって、相手のプレスを分散し、押し込んでいく。
 そこから、SBが前を向けるようになって、SHがボールを受けて縦に仕掛けてクロス。
 あるいは、マイナスのクロスで、ミドルシュートを狙う。

 実際には、なかなかそこからゴールが奪えず、今回の試合でもCKからの1点のみでした。
 前節藤枝戦もCK時に得たPKで1点を奪ったものであり、やはり攻撃面で課題があることには変わりないでしょう。
 この日も攻め込む展開は多かったとはいえ、そこまでチャンスがあったわけではありませんでした。


 このビルドアップに対し、大分も対策を取ってきたのではないかと思います。
 ジェフはエドゥアルドがサイドに流れるため、ボランチの田口が中盤1枚で孤立すことになる。
 そのため、大分はあえて田口に繋がせておいて、そこを囲ってボールを奪い、ハーフカウンターを狙うという展開が何度が作られてしまいました。

 ただ、一方でその分、大分は右シャドーの天笠が前までプレスにいき、右WB吉田が若干高い位置を取りがちだった。
 そのため、椿にはペレイラがつくことも多かったですが、そのギャップが生まれて、前半のジェフは左サイドから仕掛けることが出来る展開となりました。
 しかし、後半からは怪我もあった吉田に代わって松尾が入って、守備時に前に出なくなり、左サイドのスペースを消し椿を外に追いやったことによって、ジェフは攻撃を作れなくなっていきます。


 その守備もキッカケとなり、後半途中からの大分のペースに繋がったのではないでしょうか。
 逆に言えば、ジェフは前半も左サイドからは攻め込むも、右サイドや中央からはあまり良い形が作れなかった。
 そして、その左サイドからの攻撃を封じられたことによって、攻撃が沈黙してしまった試合だったとも言えるのかもしれません。

 ジェフが交代カードを切ってからは更に失速し、完全に守りの時間となってしまいました。
 品田ではなく前を先に投入したことからも、1点を守り切るという判断だったのかもしれません。
 しかし、あそこまで攻め込まれると、事故的な失点が起こっても仕方のないような危険な展開だったと思います。


 それでも問題がなかったのは、やはり大分の攻撃に元気がないところが大きかったのではないかと思います。
 単純に運動量も足りていなかったと思いますし、攻撃に自信がないせいか、ボールを持ちたがらない傾向も感じたような気がします。
 その結果、攻撃が淡泊になりがちでミスも目立ち、ジェフとしては助かるシーンが多かったのではないでしょうか。

 大分としては今季の残留争いはともかく、来季以降ここからどのように挽回していくのでしょうね。
 つい相手チームのことを心配してしまうような試合でしたが、ジェフも最終節まで自動昇格の可能性を繋いだとはいえ、他会場の結果次第であることには変わらず。
 最後までキリキリする展開が続くことになりますね。