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2025年のジェフ選手を振り返る 前編(GK&DF)

 例年は選手の振り返りを、一人ひとりやっていたのですが、今回は冬のオフが短いこともあって、3回にまとめて取り上げていきたいと思います。
 今年は必要ないかなとも思ったのですが、2月からの百年構想リーグが夏から始まるJ1リーグ本番に向けての試金石になるのであれば、各選手の現時点での評価も重要になってくるはずです。
 なお、今回も試合出場数が少ない選手に関しては、取り上げていません。

■ホセ・スアレス

 昨年開幕前に、守護神候補だった若原の負傷もあって緊急補強。
 スアレスと言えば徳島の主力として、3年間見事な活躍を見せていたGKですが、怪我もあってちょうどフリーになっていました。
 ジェフでは第1節、第2節は鈴木椋大が出場するも、第3節から守護神としてプレーしていきます。

 非常に安定感のあるGKで、守備範囲も広く、ビックセーブも多い印象です。
 2025年のジェフは被シュート数が多かったにも関わらず、失点は非常に少なかったのですが、スアレスがファインセーブで止めたシーンも目立っていました。
 改めて、優秀なGKがいると勝点が稼げるんだなと、感じられたシーズンだったように思います。
 
 しかし、9月末に右膝内側半月板損傷で手術を行い、チームを離脱。
 全治は明らかにされていませんが、復帰できれば今年も守護神候補となるのではないでしょうか。

■若原智哉

 昨年ジェフに加入して期待されたGKだったのですが、2月に右膝外側半月板損傷で全治5か月という大怪我を負ってしまいました。
 その間、スアレスが加入して素晴らしい活躍を見せていたので、昨年の出番はないかとも思われましたが、9月末に今度はスアレスが負傷。
 鈴木椋大の1試合出場を挟み、終盤戦は若原がレギュラーとなりました。 

 要所要所で穴を埋めてくれた鈴木椋大も貴重な存在でしたが、若原も怪我明けとは思えない落ち着いたプレーでチームを支えてくれました。
 鈴木椋大はリーグ戦5試合と天皇杯1試合、ルヴァン1試合にも出場、若原はリーグ戦7試合とプレーオフ2試合に出場したことになります。
 スアレスが復帰すれば若原もライバル候補になると思いますし、二人の対決が楽しみですね。

■鈴木大輔

 キャプテン鈴木大輔は、昨年もシーズン序盤から主力CBとして活躍し、好調だったチームを牽引していきました。
 シーズン途中はチームの不調もあってスタメンを外れましたが、終盤戦では再びレギュラーに復帰。
 最終的にCBのスタメンは、鈴木大輔が28試合、鳥海も28試合、河野が17試合だったそうです。

 昨年のジェフは序盤戦を中心に引いて守って跳ね返す守備をしていましたので、高さのある鈴木大輔は大事な役割を果たしていました。
 スピードのある仕掛けに対しては苦手な部分があるものの、ラインコントロールにおいても鈴木大輔が入ると押し上げなどの面でプラスに働いていたように思います。
 また、ビルドアップにおいても長短のパスを使い分けて、リズムを作れる選手だと思います。

 何より気持ちを前面に出して、キャプテンシーを見せられること。
 そこが他にはない大きな武器で、苦しい試合が多かった終盤戦で、その力を発揮していた印象です。
 しかし、鈴木大輔は今年で36歳で怪我も少なくない選手ですので、ここからの1年半無事に戦えるかが注目ではないかと思います。

■鳥海晃司

 昨年C大阪から5年ぶりにジェフに復帰した鳥海は、シーズン途中まで主力CBとして活躍しました。
 しかし、1-2で敗れた9月14日の山口戦後にスタメンを外れるとピタッと出場機会がなくなり、そこからは試合終盤に投入された2試合のみで終りました。

 鳥海はカバーリング能力が高く、地上戦での粘り強い対応を見せていきました。
 そこは他レギュラー候補にはない強みだったと思います。
 しかし、昨年からリトリート守備が軸になっていたこともあって、高さのある鈴木大輔と河野の組み合わせになったのではないでしょうか。

 ジェフのJ1復帰のため戻ってきた鳥海としては目標を達成したことになるのですが、鳥海の立場を考えると特に終盤戦は満足してほしくない状況だったのではないかと思います。
 鈴木大輔の次の主軸候補という点においても、よりキャプテンシーを見せてほしいという気持ちもあります。
 舞台がJ1に移ることですし、再びレギュラー争いに勝てるよう頑張ってほしいですね。

■河野貴志

 昨年秋田から加入した186cmのCB河野は、シーズン序盤こそ途中出場がメインでしたが、第23節山形戦でスタメンに選ばれると、そこから最後までレギュラーの座を勝ち取ります。
 秋田でも後方で跳ね返す守備がメインでしたので、それに適した選手だったと思います。
 こういった選手を補強したところからも、鈴木GM主導でリトリート守備に移行したのではないかといった印象があります。

 さらに、河野は左足で鋭いキックを蹴れる。
 小林監督は左利きのCBを好む印象で、プレスが来ればショートパスで左SBに逃げて、来なければロングキックを対角線に蹴って右SHなどを走らせる展開を狙っている印象です。
 ただ、河野も細かなステップや背後への動きなどには若干不安があるように見えましたし、J1の舞台でどれだけやれるのか気になるところだと思います。

■日高大

 2025年の日高は開幕戦で、新加入の前にスタメンの座を譲ります。
 第2節から第9節までは日高がスタメン出場しますが、第10節からは前のスタメンが増えるなど、激しいポジション争いを続けていきました。
 シーズン中盤は前が優勢でしたが、8月9日の大宮戦で日高がスタメンに復帰すると、その後は最後まで日高がレギュラーに選ばれました。

 日高は地上戦での守備は期待できる選手ですが、サイズはないため後方を固める守備に関しては若干の不安もあり、前が起用されていた時期もあったのではないでしょうか。
 しかし、ジェフのビルドアップはサイドが中心で、幅を取ってパスを出せる左利きの左SBが重要であったこと。
 そこからのインナーラップなど攻撃面を評価されて、レギュラーに返り咲いたのではないかと思います。

 J1での挑戦に向けてリトリート守備を強化するのであれば、高さのあるSBが補強ポイントではないかと思います。
 しかし、日高のビルドアップ能力や運動量にも魅力はありますし、右の高橋が走力タイプではないことを踏えると、左右で良い関係性が作れていたのではないでしょうか。
 そのため新加入の石尾などにとっても、手強いライバルになるのではないかと思います。

■前貴之

 前は山口から昨年ジェフに加入すると、序盤戦は途中出場が多かったですが、第10節からは左SBでレギュラーとしてプレーしていきました。
 前はCBやMFでもプレー経験があるように、守備でも強さがありパスも出せるタイプ。
 また、ジェフでも左SBだけでなくボランチや右SBなどでも出場しており、攻守両面で貢献できるポリバレントな選手ですね。

 フィジカルもある選手だと思いますし、河野と共にリトリート守備のため補強された選手の1人なのかなとも思います。
 結果的に日高はスタメン24試合、前は他ポジションも含めてスタメン15試合と苦戦しましたが、前が足りないポジションを穴埋めしてくれたことは、J1昇格において重要だったのではないかと思います。

■高橋壱晟

 ジェフでプロ入りしてから9年、レギュラーに定着してから3年が経った昨年の高橋ですが、周りを鼓舞するなどリーダーとして成長を感じる年となりました。
 プレー内容においても、積極的にアーリークロスを蹴るなど、思い切ったプレーができるようになった印象です。
 特に終盤戦は高橋がアーリークロスを狙って相手SHなどを後方へ引き付け、右SHが前方で相手SBを押し込み、空いた中盤右にエドゥアルドが流れてチャンスを作る形が狙えていました。

 高橋のアーリークロスがあることによって、相手守備を釣り出す効果を見せていたと思います。
 さらに怪我人が多いジェフの中で、37試合にスタメンするなど、今年もタフなところを見せてくれました。
 しかし、一方でアーリークロスはあくまで囮でしかなく、直接的なチャンスには結びつきづらいため、2025年も2ゴール1アシストと数字上はかなり寂しいものがありました。

 高橋の場合は縦に抜けるスピードなどがあるわけではないですし、守備面でも地上戦での仕掛けなどに苦労する傾向があります。
 果たして、J1でその走力の部分をうまくごまかしながら、持ち味であるビルドアップ面などを発揮できるのか。
 今年で28歳ということで若手とは言えませんが、ベテランが多いジェフ主力陣の中で、今年もフル稼働してチームを牽引してほしい選手ですね。