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トラップで相手を交わし3試合連続ゴールを決めた小森飛絢

 4-2で敗れてしまった鹿児島戦ですが、先制ゴールを決めたのは小森飛絢でした。
 10分と早々に決まったゴールで、試合序盤は流れが良かっただけに、そこからの逆転負けが悔しい試合でもありますね。

 ゴールシーンを振り返ると、矢口からのパスを田口が右前方へ展開。
 田中がグラウンダーのクロスを上げると、小森が反転してシュートを放ちゴールを上げています。
 一連の流れ、見事だったと思います。


 日高に代わって入った矢口も、相手のプレッシャーにも合いながら、しっかりと田口に繋いでいます。
 そこからの田口のミドルパスが、非常にきれいですね。
 田中に前を向かせるパスを、ピンポイントで供給しています。

 田中のクロスも狙い通り、小森の足に入っています。
 意表を突いたグラウンダーという判断も良かったと思いますし、精度も高かった。
 やはり今年の田中は、最後の精度も期待できるのでしょうか。


 そして、小森のトラップから反転してのシュートが絶品でした。
 相手のマークにあいながらも体でしっかりと止めて、ワントラップで相手を交わす。
 さらに自分の打ちたいところにボールを浮かせて、左足でシュートと高度な技術を見せています。

 もはやこれくらいのトラップからシュートでは驚かないようになってしまっていますが、小森のシュートセンスが見事に発揮されたシーンでした。


 これで小森は藤枝戦、群馬戦に続き、3試合連続ゴールをあげていることになります。
 さらにちばぎんカップでもゴールを決めているわけですが、いずれも小森のゴールシーンははじいたボールなどを、最後に詰めて決めたものでした。
 それだけ良いポジショニングをしつつ、ゴールにどん欲な動きを見せているとも言えるでしょうし、それはそれで凄いことだとも思います。

 しかし、綺麗なゴールシーンは今回が初めて。
 しかも、小森らしい見事なトラップからのシュートで、これでより一層乗ってくるといいですね。
 昨シーズン後半からは小森の裏抜けを警戒されているのか、簡単には相手のDFライン裏を取らせてもらえなくなっている印象もありますが、今回はクロスからのゴールという点も良かったと思います。


 3試合連続ゴールを上げている小森ですが、良い意味でそこまで目立っていな印象も受けます。
 小森の個人技でゴールを決めたシーンも少なかったですし、チームとして得点数が多いこともその要因ではないでしょうか。
 ジェフはここまで第1節山形戦で2-3、第2節藤枝戦で4-0、第3節群馬戦で3-1、第4節鹿児島戦で2-4と、全試合で複数得点をあげています。

 にもかかわらず2勝2敗のイーブンということで、失点が多いことが見逃せない問題でもあります。
 それでも昨シーズン序盤はハイプレスから相手を圧倒しつつも、ゴールを奪い切れずに勝点を伸ばせなかった。
 その点を考えるとゴールを奪えていることは、大事な進歩と言えるでしょう。


 また、今季は攻撃時に4-1-2-3で戦っている印象ですが、これは小森を活かす意図もあるのかもしれません。
 昨年終盤はドゥドゥが左SHに入って、ゴール前に飛び込む動きも見せていましたが、これだと小森のスペースが失われる弊害もあった印象です。
 しかし、今年は2インサイドを固定化することで、小森のサポートを2列目中央から増やす分、左SHが中に入っていく動きは減ったように思います。

 その期待に応える形で3ゴールを上げている小森は、流動的なパスワークにもうまく絡めていると思います。
 ただし、第4節鹿児島戦では小森のポストプレーのロストから失点していますし、ルヴァンカップ鹿児島戦でも後方まで下がった小森がボールを失い、後ろから倒してPKを与えてしまっている。
 この辺りの細かな仕事の精度をもっと上げていかなければいけないのではないかと思いますし、エースとしてチームを引っ張るためには、より大きなミスを減らしていく必要もあるのではないでしょうか。
 とはいえ、プレッシャーもマークも厳しくなる2年目のシーズン序盤にもゴールが続いているということで、非常に良いシーズンのスタートになっているのではないかと思います。

パリオリンピック世代U-23日本代表に選出された藤田が不在となる明日の清水戦

 土曜日の鹿児島戦を2-4で落としたジェフですが、明日水曜日には早くも次の試合がやってきます。
 対戦相手は上位候補の清水。
 久々にホームフクアリでの試合となります。

 この試合の前にパリオリンピック代表候補となる、U-23日本代表の親善試合にジェフから藤田が選出されています。
 18日(月)からの合宿で、22日(金)にはサンガスタジアムでU-23マリ代表戦。
 25日(月)には北九州スタジアムで、U-23ウクライナ代表戦が行われるそうです。

 このため藤田は、水曜日の清水戦、日曜日の水戸戦が欠場になると思われます。

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 パリ五輪代表世代のGK争いは、鈴木彩艶、小久保玲央ブライアン、野澤大志ブランドン、佐々木雅士などがリードしていました。
 しかし、FC東京の野澤、柏の佐々木は所属クラブで、出場機会を得られていない状況になってしまっています。

 さらに、鈴木彩艶は21日(木)と26日(火)に、ホーム&アウェイで行われるW杯予選北朝鮮戦のメンバーに選出されています。
 アジアカップでは批判も浴びてしまった鈴木彩艶ですが、だからこそ今回もチャンスを与えたのか。
 あるいは、単純に主力として期待されているからこそ、親善試合よりも予選ということで、今回もフル代表優先となったのでしょうか。


 今後も鈴木彩艶はフル代表が優先されるのかが、藤田などにも影響を与えると思います。
 あるいは、クラブとの兼ね合いもあって、五輪代表には選出されない可能性があるのか。
 今回の五輪代表は4月中旬から始まる、五輪最終予選も兼ねたU-23アジアカップ直前の親善試合ですから、大事な合宿となるはずです。

 ただ、これまでの日本代表の選択を考えると、フル代表に専念させて五輪には選出しないという判断はあまり考えにくいのかなとも。
 実際問題として五輪本番に出場できないとなれば、貴重な世界大会の舞台も失われるわけですし、スポンサーや人気にも影響を及ぼす可能性がある。
 さらに、同じシントトロイデンでプレーしている藤田、山本は今回もU-23日本代表に選出されていますが、クラブとの契約に五輪予選への派遣が組み込まれているそうで、鈴木彩艶も同様の契約となっている可能性があると思います。

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 鈴木彩艶が復帰するとなれば、第2GK以降としてメンタル面などの部分も大事なってくるかもしれませんね。

 藤田は昨年栃木で活躍し、U-23のBチームで構成されたアジア競技大会に選出されています。
 この時のGKは藤田に加え仙台の小畑、岡山の小畑と常連候補は軒並み選外に。
 この大会でも活躍した上、数少ないクラブで出場し続けている選手として、今回も選ばれたのでしょう。


 しかし、藤田は先週の鹿児島戦でも、クロスボールをこぼしてしまい失点。
 先々週の群馬戦でも鋭いクロスを弾いて失点に繋がっていますし、開幕戦でも山形のFKをファンブルして与えたCKから失点し、4失点目もゴール前を横断するボールに対して前に出てやられているなど、ジェフでは決して良いスタートを切れていない印象です。
 もちろん失点は藤田だけの責任ではないとはいえ、ミスが多いことからも逃げてはいけないと思います。

 開幕前にも話しましたが、やはり安定感なら鈴木椋大の方が期待できるかもしれませんし、単純なキーパスキルをもっと磨かなければいけないのではないかと思います。
 キック精度に関しては素晴らしいものがありますが、やはりGKの本分は守備にあるはず。
 五輪代表としては悩ましい状況になるかもしれませんが、藤田不在の2試合で鈴木椋大が活躍し、ポジションを奪い返すという可能性もあるかもしれませんね。


 ただ、ジェフは前節鹿児島戦でもエドゥアルド、日高などが不在で、単純に離脱者が多いことが悩みになっています。
 近年は流行り病もありますから、離脱者が出てしまうのはある程度仕方のない部分もあるとは思います。
 だからこそ、満遍なく第2候補を準備しておくべきだと思うのですが、その点でジェフは不安もある印象です。

 対する清水は、オフにチアゴ・サンタナ、中山、ホナウド、鈴木義宜などが退団。
 補強もしてはいますが、昨年よりは小粒な構成になった印象もあります。
 それでも戦力的には十分な存在でしょう。


 Youtubeなどでも話しましたが、今季の清水は選手の入れ替えも影響してか、サイドなどでより丁寧にパスをつなぐようになった印象もあります。
 しかし、その分、カウンターなどの勢いは若干落ちたのかなとも。

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 それでも現在3勝1敗で3位。
 前節大分戦も2-0で勝利しており、悪く無いスタートを切っています。


 対するジェフは、鹿児島に負けて連勝もストップ。
 まだここまで勝利出来たのはスタートダッシュに失敗している藤枝と群馬ですし、良い流れに乗れているとは言えないでしょう。
 どんな相手でもしっかりと勝ち点を狙えることが大事ですし、そのためにも前への圧力一辺倒のサッカーから成長してほしいところなのではないでしょうか。

 清水戦では相手もあって、気合も入った状況で戦えるのではないかと思います。
 そういった試合の中でも、賢さが見えてくるといいですね。
 清水戦後2試合はまたアウェイが続きますし、ホームフクアリで良い試合を見せて欲しいと思います。