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ジェフ、ブラジル人CB獲得を目指すも失敗に終わる?

 ジェフがブラジル人DFドウグラス・シウバ獲得を目指したものの、失敗に終わったとの報道がなされているようです。
 Jリーグ移籍情報さんより。
 元ソースはこちらのブラジルサイトです。


 ドウグラス・シウバは6月9日にバスコ・ダ・ガマから契約切れでジョインヴィレECに移籍したようですが、この記事はその発表の直前に出ていたものだったようです。
 ジョインヴィレECに移籍かジェフ千葉に移籍する選択肢があったものの、ブラジルでのプレーを選んだという内容になっています。
 どこまでジェフが本気だったかなどはわかりませんが、わざわざクラブ名が出ていることからしても、ジェフから何らかの動きはあったのではないでしょうか。


 ドウグラス・シウバは、31歳の選手でCBを本職としているようです。
 186cmの長身CBということで、関塚監督の好みにもあったタイプと言えるのかもしれません。
 以前はイスラエルのクラブや、オーストリアレッドブルザルツブルグでもプレー経験があるようです。 



 ジェフがCBの補強を考えているというのは、意外な印象も受けました。
 確かにCBはキム、大岩を除くと実績がる選手は田代しかいない。
 いざとなったらユース時代にCB経験のある金井を回せそうな気もしますが、そうなると今度はSBの層が薄くなってしまいます。


 加えてキムもここ1,2か月はお疲れな印象で、ミスが目立つようになっています。
 大岩も福岡戦に限らず、サイドからのクロスボールに対する対応に課題が残る。
 またCBからのビルドアップにおいても、より上を期待したいところもなくはありません。
 この選手がどういったタイプかはわかりませんが、ブラジル人CBは個人能力でゲームを作れてしまう選手も少なくないですしね。



 とはいえ、今季ここまでの流れを見ていると、キム、大岩、パウリーニョがジェフの強みになっていた部分は大きいと思います。
 CB2人の頑張りに関しては、西部謙司氏も4月上旬に取り上げていました。
 ハイプレスで相手にロングボールを蹴らせる状況を作れても、そのロングボールを跳ね返せなければ苦しかったと思うのですが、そこでCB2人が良さを見せてくれた。
 現在はそのハイプレスが実施できなくったため相手のパスワークに苦しみ失点が増えているところがあると思うのですが、相手のパスワークを封じられない問題はCBではなく中盤の守備組織に原因があるのではないかと思います。


 加えて、CBは周囲の選手との連携が、非常に重要になってくるポジション。
 ハーフシーズンを同じメンバーで戦いチームが出来つつある夏の補強で新にCBを獲得しても、そこから連携を確立して残りシーズンの戦力となるのは簡単ではないように思います。
 かといって、試合途中からの出場というのも難しいポジションですし、補強しておいてベンチに置いておくのではあまり意味がない。


 外国人選手となると、なおさらコミュニケーションをとるために時間がかかる可能性があるでしょう。
 外国人DFがJリーグのクラブでうまくいかない場合は、能力以上に連携面で日本人選手と合わせきれないケースが多いのではないかと思います。
 おまけに現在のジェフはCBの前でパウリーニョが自由に戦っているところがありますから、さらにそこへブラジル人DFも増やしたとして果たして守備が成立するのか。
 日本人選手のように規律を重んじるタイプのCBを、補強できるのであればいいのかもしれませんが…。



 確かに来年J1で戦うということ考えると、このCB2人だけでは不安もあるかもしれません。
 経験が浅いためか後方で試合を落ち着かせるといったプレーもあまりできないし、J1での戦いとなればより守備機会も増えてくるのではないでしょうか。
 今季ここまでのジェフのストロングポイントを、より強化してJ1へ…という考えもできるとは思います。


 しかし、まずは現在の状況を、考えるべきではないかと思います。
 自動昇格内を十分確保できそうな成績であれば、来年以降も考えて夏に補強するといったこともできるでしょうが、今の順位とチーム状況を考えればストロングポイントの強化よりも足りない部分の補強を優先すべきではないかと思ってしまいます。



 そうなると、やはり攻撃的な選手が必要なのではないかと思います。
 前方の選手なら取り外しも効くし、もしレギュラーポジションを確立できなくても、スーパーサブとして活躍できるかもしれません。
 ペチュニク以外の選手がなかなかコンスタントに点を取れない状況ですから、点の取れる選手がほしいところではないかと思います。


 現状を考えると、前に強くクロスからのボールに合わせられるCFタイプが理想ではないかと私は思います。
 ペチュニクはやはり2列目かセカンドトップが良いようですから、ペチュニク本来の良さを生かすためにも。
 そして、クロスからの攻撃を武器にしていくためにも、前に出ていけてヘディングの強い選手が良いのかなと思います。
 現状だと2トップでも、クロスに対してペチュニクしか得点の雰囲気が感じられないということも多いですし。



 森本、オナイウもCFタイプですから、本来であれば2人の成長・活躍を期待したいところではあります。
 しかし、森本はこれまで13試合に出場し2ゴール。
 オナイウは途中出場が多かったものの、16試合に出場し1ゴールとなっています。


 十分にチャンスは与えられた印象はありますしそこで大きな結果を残せていないことを考えると、現時点では追加補強をされても仕方のない状況ではないかなと思います。
 しかも、チーム全体も下降気味であるという事実は極めて重く、どこかに梃入れせざるを得ないと思いますし。
 逆にキムと大岩は少なくともシーズン序盤は、しっかりと出場のチャンスで成果を上げてきた選手たちと言えるでしょうし。



 とはいえ、現在の問題を考えると、補強よりもまずは攻守においてチームの整備をもう一度やっていくことが何よりも重要だと思います。
 ここからチームの主軸となるような選手が2人も3人も補強できるのであれば別でしょうが、夏にそこまで動けるわけでもないでしょうし。
 あくまでもチームのベースは現在いるメンバーで作っていって、そこに補強選手をプラスしていくというのが現実的な見方でしょう。
 しかし、そのベースが崩れつつあるようにも感じる状況ですので、そこを改善していくことが何よりも今のチームに求められるところではないかと思います。

シンガポールの4-1-4-1にはまりスコアレスドロー

 16日W杯アジア予選が行われ、日本代表はホームでシンガポール相手に0-0の引き分けとなってしましました。
 相手GKの活躍、決定機を外したことなども話題になっていますが、そこまで確実なチャンスというのは多いわけではなかったと思います。
 もちろん決定力が高ければ…と思うシーンはありましたが、全体的に見ると攻撃に閉鎖感を感じ、課題の残る試合だったと言っていいのではないでしょうか。



 シンガポールは4-1-4-1で、対人守備でもしっかりと集中していた印象でした。
 1ボランチシステムだとボランチ脇が空くこともありますが、4-1-4が非常にコンパクトで日本のボランチには守備に行かない形をとってきました。
 ボランチには自由に持たせて、パスの出所ではなくパスの出る先を封じる守り方ということだと思います。


 DFラインも極端に下がらないことによって、MFラインとの距離感を狭くする。
 結局DFラインが下がってゴール前を守っても前が空いてはそこからやられてしまいますし、ラインの高さもできる限りもキープするというのがトレンドなのかもしれません。
 攻撃時に相手の間を取るパスワークというものが流行ってきたからこその、対抗策とも考えられるのではないでしょうか。



 シンガポールの守備は特に1ボランチのポジショニングが肝となっていた印象で、トップ下である香川をしっかりマークしつつ、DFラインとMFラインの間を消す仕事をこなしていました。
 ハリルホジッチ監督は就任してから縦パスをFWや2列目が下がって受けて、その瞬間に他の選手が飛び出すといった遅攻を狙ってきましたが、MFラインとDFラインをコンパクトにすることとこの1ボランチの働きによって、日本のFWと2列目の選手が下がって受けるスペースを見事に消していました。
 イラク戦でも書いた通り、今後問題となるのは速い攻撃よりも、守備が整った相手にこの攻撃が通用するかどうかではないかと話しましたが、これがいきなり封じられてしまったことになります。



 縦が封じられたのであれば、横に揺さぶってから縦へ…といった展開などが作れれば良かったと思うのですが、この試合ではほとんど有効なサイドチェンジが作れていなかったと思います。
 ハリルホジッチ監督の初戦となったチュニジア戦ではサイドチェンジに怒るしぐさを見せていたようですし、「遅攻でも縦へ速く攻めきる」といった姿勢を見せていたからこそ、強引な縦パスが目立ったようにも思います。
 シンガポール戦ではサイドチェンジも要求していたような話もありましたが、一度決めた方向性というのはなかなか変えきれないのでしょう。


 特にボランチは空いている状況だったからこそそこから相手を揺さぶれなかったのは残念で、遠藤不在の影響をまた感じることになってしまったように思います。
 柴崎に関しては、ハリルホジッチ監督の速い攻撃にはまりやすい選手であるということは、イラクでも十分見せてくれました。
 しかし、攻撃の変化、アクセントといった部分や緩急を作るという意味においては、やはり遠藤がいると大きいのだろうなぁと。
 遠藤のところでスピードが遅れるという可能性もあるのかもしれませんから、ハリルホジッチ監督の基本スタイルには合わないのでしょう。
 とはいえ、やはりアジアで勝っていくためには、速いだけではダメなのではないかといった印象を受けた試合でした。



 単純に日本の選手は、コンディションもあまりよくなかったように思います。
 直前に行われたイラク戦でベストメンバーを起用し、気持ちよく戦ってしまったこともあって、この試合では疲労が残っていたのではないでしょうか。
 ホームにもかかわらず、コンディションで相手に上回れたように感じたのは非常に残念ですね。
 それだけシンガポールが頑張っていたともいえるのでしょうが、それにしても強化試合より動けなかったというのは、言い訳にはしづらい面があると思います。


 また、先ほど話した通り香川は封じられていたので、大迫を投入し2トップにしたところまではわかるのですが、そこを活かせなかったこと。
 ベンチに速い選手ばかりがいて、豊田などパワープレー要員になれそうな候補が少なかったこと。
 そして、原口をボランチで起用してそこから前に出ていったことによって、結局また相手選手が多い1ボランチ付近に日本の選手が固まってしまったこと。
 これらからして、意外と采配面はあまり期待できない監督なのでしょうか。



 まだ監督が就任して4試合目ですから、これからのチームではあると思います。
 サイドチェンジの形などもこれから精度を上げていける可能性は、十分にあるのでしょう。
 とはいえ、大枠での方向性というか"哲学"は基本的に変えられないのではないかと思いますし、変えるとしても大きな工事になりかねない。
 そういった状況で、いかにアジア相手に勝っていけるかが、重要なのではないかと思います。


 個人的にはどうもハリルホジッチ監督に対して期待先行というか、まだ就任して間もないにもかかわらず随分と評価が高いので違和感を感じていたのですが、これでようやく冷静にチームを見ていく方向に進むのでしょうか。
 例え世界的に優秀な監督であっても、そのチームと環境にはまるかどうかは別問題ですし、今までのチームの良さや伝統というものも加味してチーム作りをしていかなければいけないと思います。
 この試合がまだアジア予選初戦でよかったと思いますし、これを機にさらなる成長を期待したいところです。