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天皇杯初戦でも長澤がボランチで出場

 天皇杯初戦となった北海道教育大学岩見沢校サッカー部戦でも、長澤がボランチとして出場したようです。
 長澤は長谷部監督の初戦となった横浜FC戦では、SHとしてスタメン出場。
 しかし、愛媛戦では出場停止でしたが、そこから北九州戦、熊本戦、岡山戦とボランチとしてスタメン出場を続けています。


 横浜FC戦、愛媛戦では、山本と勇人のボランチコンビでした。
 特に山本はパスワークの面で大きく貢献し、守備面でも運動量豊富に動き回っていた印象です。
 また、プレースキッカーとしても大きな存在感を見せていました。
 このまま山本がレギュラーボランチの一角として、中盤の軸となっていくのかなとも思っていました。



 しかし、熊本戦では連戦によるコンディション面の問題もあってか、あまり良いプレーが出来なかった。
 特に74分の3失点目。
 山本はSHからボランチに移っていたのですが、DFラインに吸収されて清武が下がって受けて前にスルーパスを出したプレーに反応が出来なかった。
 山本にとっては、あれが大きかったのかなとも思います。


 ボランチがDFラインが吸収されてしまうのは、選手個々の動きだけでなくチーム全体の問題も大きいと思います。
 しかし、そこからの反応に関しては、個々の責任も少なくないでしょう。
 熊本戦はチーム全体がコンディション不良に見舞われた試合でしたので、山本の動きだけが悪かったわけでもないですが、あそこは少なくとも前のコースを消してほしいシーンだったのではないでしょうか。


 あの試合で若くから期待されていた山本が、清水や川崎でも活躍しきれなかった一因が見えてしまったようにも思います。
 山本は動けている時はボール捌きも素晴らしく、守備面でもしっかりカバーリングをするなど貢献できる選手ですが、連戦などになると体力的な課題が出てしまい動きが鈍くなってしまう。
 スタミナ面に不安があるのは、ボランチにも拘らず今季スタメン16試合中5試合のみという結果にも表れているように思います。
 熊本戦でのあの場面でも疲労から足が動かず、集中力も切れていたのではないかと思います。



 一方で長澤は長谷部監督が就任してから、チームにフィットしてきた印象もあります。
 関塚監督は就任当初から選手1人1人に、攻守でのチーム作りやバランス調整を個人に求める面が大きかった。
 そこに関しては長谷部監督が就任してから、選手たちが細かなポジション修正をしてチームとして全体のバランスを保とうとし始めたことからも明らかでしょう。
 チームとしてバランスを保てなかったため、個々のバランス感覚を求めていたのだろうと思います。


 そういった状況下で、怪我人が続出してボランチにコンバートされた長澤は、当初かなり苦労していた印象です。
 もともとドイツでは高い位置でのプレーが中心だったため、ボランチとして守備でバランスを調整する、細かく繋いで攻撃を作るといった仕事を経験したことが少なかったのではないでしょうか。
 大きな展開や前線への持ち運びなど局面でのプレーには可能性を感じたものの、ボランチとしての細かなプレーは出来ていなかった印象です。


 しかし、長谷部監督が就任して、細かなポジション修正やパスワークをチームとして作り始めるようになった。
 攻守にチームの約束事が出来たことによって、ボランチとしての長澤も機能するようになっていったのではないでしょうか。
 アランダが退場した北九州戦では菅嶋が試合途中からボランチに入りましたが、菅嶋のボランチが問題なくやれたのもボランチのタスクがはっきりとし始めたからでしょう。



 ここまでの流れからすると、現状ではアランダのパートナー最有力候補は長澤ということになるのではないでしょうか。
 長澤はフィジカルもあって、一発での展開力も持っている強みがある。
 しかし、個人的には山本の細かなパスセンスやプレースキッカーとしての能力にも期待したいところがあるので、ぜひ2人でレベルの高いポジション争いをしてほしいところではないかと思います。


 長澤は来年浦和に戻る可能性もあると思いますが、2列目としてはスピードなどがもう1つといった印象もありますし、ボランチとしてもプレーが出来ることを証明することは非常に重要なのではないでしょうか。
 一方で山本にはよりタフな選手になって今後数年の中盤の軸となってほしいところなのではないかと思いますし、そのためにはまず残りシーズンで違いを見せてほしいところではないかと思います。
 そのためには、まず長澤とのポジション争いに勝たなければいけないということになりますね。