両チームとも運動量が落ち、ミスも増える苦しい試合でした。
ジェフもプレスを掻い潜られる場面が目立ち、攻撃でもミスが多かったですが、なんとか耐えて1-0で勝利。
接戦での勝利は久々でしたし、これで弾みをつけて夏場を乗り越えていきたいところではないでしょうか。
■相手のミスからジェフが先制
勇人が出場停止となったジェフは熊谷がスタメン出場。
清武、矢田がスタメン出場となり、為田とアランダがベンチスタートに。
主力FW山崎が出場停止の徳島は、佐藤晃大がスタメンに。
井筒と藤原が外れて、ヴァシリェヴィッチとキム・ジョンピルがスタメン出場。
ここ最近は4バックで戦っていましたが、3-1-4-2にしてきました。
4分、ジェフのチャンス。
ラリベイが左サイドでプレスをかけ、相手のキックミスから清武が受けてラリベイへ。
ラリベイが町田に戻して2度ミドルシュートを放ちますが、相手DFに当たってゴールならず。
7分には徳島の攻撃。
キムから矢田への縦パスを、杉本に狙われて奪われ渡へパス。
渡がタメて佐藤晃大が受けてシュートを放ちますが、キムがスライディングでブロック。
12分にも徳島のチャンス。
中盤後方でパスを繋いで、ジェフのプレスをかわし前線へ。
佐藤晃大からのパスを受けた馬渡が、溝渕をかわしてシュートを放ちますが、GK優也がセーブ。
しかし、溝渕はここでも随分と中に絞っていましたね。
立ち上りは両チーム激しいプレスをかけ、一進一退といった展開でした。
しかし、徐々に徳島がパスワークでプレスをかわし、リズムを作り出していきます。
16分には徳島が前からプレスをかけていき、GK優也がもたつきヒヤッとする場面も。
18分にはジェフのチャンス。
ラリベイのタメから溝渕がサイドで受けて、素早いタイミングでクロス。
清武が中央で合わせますが、大きく枠を逸れます。
21分、徳島の攻撃。
右サイド後方でフリーになった島屋から、大きく左サイドの馬渡に展開。
馬渡からのパスを受けた杉本が、シュートを放ちますが枠の外。
ジェフは徳島のパスワークを捕まえきれず、スルスルと前へボールを持ち込まれていた上、極端に絞る溝渕の外を使われがちでした。
しかし、徳島も裏を意識し過ぎてのパスミスが多かったり、最後の精度がもう1つだったり。
一方のジェフは高い位置でボールを奪えればチャンスになるものの、それ以外では流れの中での攻撃が作れずにいました。
30分前後には、ジェフが連続セットプレーから攻め込んでいきます。
しかし、その時間が過ぎると、試合は停滞状態に。
徳島も運動量が若干落ちていった印象です。
42分にはジェフの攻撃。
GK優也からのボールをラリベイが落として清武が受けると、船山がフリーになって逆サイドを駆け上がります。
船山がシュートを放ちますが、大きく外れます。
徳島は3バックにしたせいか、1人かわすとスッポリと後方にスペースが出来がちでしたね。
そして、前半アディショナルタイム。
徳島が左サイドでボールを奪い、無理にパスを繋ごうとしてパスミス。
これを町田が拾ってラリベイがボールを受けてゴール。
徳島としては、立ち上りと同じようなミスから失点。
この得点で、ジェフが1点リードして折り返します。
■1-0でジェフが逃げ切る
徳島はヴァシリェヴィッチに代えて井筒を、佐藤晃大に代えて新加入の清原を投入。
48分にはジェフが左サイドからのCK。
清武が蹴って乾が合わせますが、バー直撃で終ります。
57分、ジェフは足を釣った清武に代え、為田を投入。
その直後にはジェフがプレスをかけていき、相手DFがミス。
ラリベイがボールを奪い矢田がシュートを放ちますが、相手DFに当たって終わります。
1点をリードしたジェフは、後半開始から積極的にプレスをかけていきます。
しかし、ボールを奪っても攻撃が作れず、シュートまで持ち込めない場面が目立ちます。
徳島の方もミスが多く、両チーム低調な試合となっていきました。
それでも64分、徳島が決定機。
後方からのパスを受けた馬渡が、カットインして溝渕をかわし逆サイドへ供給。
大外で島屋が頭で合わせますが、GK優也がファインセーブ。
66分、ジェフは矢田に代えてアランダを投入。
70分、乾のパスミスから岩尾が受け、逆サイドに移った島屋が左サイドの裏を取り鋭いセンタリング。
中央ではあいませんでしたが、前川が拾って放ったシュートはバーの上。
その直後、ジェフは船山に代えて若狭を投入し3バックに変更。
78分にジェフの攻撃。
右サイド中央寄りで得たFKを蹴るとラリベイが頭で合わせますが、ゴールの左を逸れます。
81分にはジェフのチャンス。
ラリベイが中央でためて、右サイドの溝渕に展開。
溝渕がカットインしていき、左足でシュートを放ちますが、惜しくもバーの左を逸れます。
どちらも動きの重くなった試合終盤ですが、ジェフの方が動けていたように思います。
徳島は最後までパスを繋いで崩そうという意欲は感じるものの、運動量が落ちプレーの質も下がっていました。
ジェフも近藤、熊谷が足を釣るなど苦労していましたが、何とか跳ね返し1-0で逃げりきました。
■4月15日の山口戦以来のウノゼロ
前半はともかくとして、後半は両チームともに内容がもう1つでしたね。
徳島はやはりスタミナ面が課題なのでしょうか。
福岡、湘南と戦ってきただけに、前節までにコンディションを合わせていたところもあったのかもしれません。
なんとなく今季のJ2チームはどこも夏場に苦労していて、試合の質が下がっている印象もあります。
また、徳島はパスワークは良いものの、攻撃時のゴール前の精度が課題ではないかと思います。
ここ4試合で2得点しかあげられていませんし、迫力も足りていない印象です。
ジェフ戦では、山崎の不在も大きかったのかもしれません。
加えて、この試合では3-1-4-2で戦いました。
これによってジェフの中盤3枚を徳島の中盤3枚で見て、ジェフのSBを徳島のWBが見ようとしたのでしょう。
しかし、そうしていくとジェフの3トップを3バックで見ることになり、1人かわされただけで一気にピンチになる。
しかも、ジェフとしては同数になってプレスがかけやすくなり、前からのプレスで相手がミスをしてくれれば、カバーする選手がいなくなる。
そこから何度もチャンスを作ることが出来たように思います。
これがいつも以上に、ハーフカウンターから決定機を作れた要因ではないでしょうか。
しかし、ジェフも前半はプレスを掻い潜られて、ピンチを作られた回数が多かった。
何とかラインを下げずに圧縮することで対応しましたが、相手のミスに助けられる面も多かったと思います。
また、やはり溝渕は中央に絞りすぎで、その外から攻撃を作られることも多かった印象です。
攻撃に関してもビルドアップはもう1つで、ハーフカウンターとプレースキックがメインでした。
それでもチャンスが作れたのは、清武というプレースキッカーがいたこと。
そして、パスを無理にでも繋いでこようとするチームには強いという、相性の面も大きかったのではないかと思います。
また、ジェフも後半は苦労はしていましたが、最後まで守備で集中力を切らさなかったことも大きかったですね。
前節は1点ビハインドだったこともあってか、終盤は守りに戻る意識も感じませんでしたが、この試合ではしっかり粘ることが出来た。
ジェフのウノゼロは実に4月15日の山口戦以来3度目のことで、1点差勝利も4回だけとなっています。
こういった集中力が、毎試合続けられるかどうか。
後半はグダグダとした試合になりかけていましたし、全体的な内容は正直あまり良くなかったのではないかと思います。
ただ、その中でも久々に接戦をモノにできたことは良かったのではないでしょうか。