本日から選手1人1人の感想を、振り返っていきたいと思います。
一定数試合に出場した選手を対象とし、レンタルから完全移籍する選手や退団する選手などは臨時で取り上げていきます。
契約更新が発表された選手でもラリベイと乾に関しては、先に取り上げてしまったのでそちらに譲ります。
佐藤優也は、加入した昨年から正GKとして活躍。
しかし、初年度はシーズン終盤に岡本にポジションを明け渡し、フル出場とはならず37試合に出場。
今年度もシーズン途中に海人とオヘーダが出場したため、35試合出場と前年より微減となっています。
今年の優也に関しては、何と言ってもハイライン裏へのカバーリングが話題となりました。
海人やオヘーダがプレーした時はそこまで前へ飛び出せなかったですから、優也の反応能力と勇気あるプレーであれが成り立っていたのだろうと思います。
ただ、あそこまでの飛び出しは本来のチームなら求められることもない仕事だと思いますし、"成長"というよりも今までにはない新しい仕事を任された結果、あのようなプレーが増えたのではないかと思います。
実際、シーズン後半に優也の飛び出しが目立たなくなったのも、8月中旬からチーム全体が低迷し押し込まれることが増えたことと、10月からはハイプレス・ハイラインを諦めたことが大きかったと思います。
ようするに、ラインが高くなければ優也の飛び出しも生じないわけで、昨年と同じプレースタイルになるということになりますから、優也が変化したというよりもチームの変化によって生まれたプレーだったと言えるでしょう。
久々に優也の飛び出しが見られたのがPO名古屋戦だったのも、最後の3試合でハイプレス・ハイラインが復活したからだと思います。
積極的な飛び出しは非常に目立つプレーではありましたが、一方でそれによってどうしても直接失点に絡むミスも増えて、PO名古屋戦でも失点に繋がるミスをしてしまいました。
また、細かな足元でのボール捌きやポジショニングにおいても、不安定なところがあったと思います。
全体的なプレーの安定感という意味では、昨年の岡本や今年の海人の方が期待できた印象です。
ただ、一方で今シーズンも、ファインセーブが多かった印象があります。
基本的にタイプとしては、シュートへの反応が良いビックセーバーなのではないかと思います。
市船時代の2003年天皇杯横浜FM戦でもビックセーブを見せていた記憶がありますし、当時からシュートストップがうまいタイプのGKだったのかもしれません。
またロングフィードに関しては、オヘーダの方がピンポイントにボールを蹴ることができて、左右へも振り分けることができる印象があります。
それに比べると優也の方がキックの精度は低いのかもしれませんが、守備から攻撃への切り替えやスペースを見つける能力は高い印象で、シーズン終盤は優也を起点としてロングカウンターからチャンスを作り出す場面も目立っていました。
キック精度はそこまで高くないものの判断スピードと判断力で攻撃の起点になるプレーは、現GKコーチの櫛野を思い出すところもありますね。
しかし、GKの根底となる部分は、やはりミスを少なくして守備に安定感を与えることなのではないかと個人的には思います。
今年のJ2は昨年に比べるとGKが不作な印象もありましたが、それでもやはり昇格するチームはGKが活躍している印象があります。
現状だと前への飛び出しも要求されるのでGK探しも難しいでしょうし、夏に加入したオヘーダなどの去就もわかりませんが、優也のライバルとなれるGKが必要なのではないかと思います。
その上で、優也としては守護神候補として来季も頑張ってほしいところですね。
来シーズンもハイライン・ハイプレスでスタートするのか。
スタートしたとしてそれを継続できるのかどうかでGKに求められるものが変わる難しい状況だと思うのですが、チームとしても優也としてもさらなる成長を期待したいと思います。