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バイタルエリアを攻略されて2-3の敗戦

 8月最後の試合でしたが、ジェフは東京Vにも2-3で敗れてしまいました。
 これでジェフは8月の勝星はなしということになりました。


 東京V戦もホームということもあってか、動きは悪くなかったと思います。
 前への勢いもあったと思うのですが、その裏を取られてやられてしまいました。
 特に中盤の守備に問題を感じた試合で、バイタルエリアを攻略されて大量失点となってしまった印象です。
■立ち上りは押し込むも逆転され後半へ
 ジェフは再びラリベイと指宿のツインタワーに。
 勇人がスタメンに復帰し、熊谷とのダブルボランチによる4-4-2になりました。
 茶島、矢田が控えに回って、工藤がメンバー外に。


 水曜日に天皇杯浦和戦を挟んだ東京Vですが、前節大分戦と同じ11人。
 しかし、CBだった田村がSBに回って、4-1-2-3に戻しました。
 アジア大会に参加している渡辺の代わって佐藤優平が中盤に入り、サブには浦和戦に出場した元ジェフ若狭も入っています。



 立ち上がりは、ジェフがサイドから押し込む展開。
 東京Vは動きが重く、4-5-1気味に引いて守る状況に。
 ドウグラスにボールを当ててカウンターを狙うも、ジェフが優勢な展開が続きました。


 そして、10分にジェフが先制。
 為田からのシンプルなクロスを指宿が頭で合わせると、これを井林がクリアしきれず。
 オーバーラップしていた下平がつめて1-0に。



 13分にもジェフの攻撃。
 後方からのパスを受けたラリベイが反転して相手をいなし、為田へ繋ぎます。
 為田がそのまま持ち込んでシュートを放ちますが、相手DFに当たってゴールならず。


 20分には東京Vの攻撃。
 後方からのグラウンダーのパスを、泉澤が熊谷の後ろで受けて左サイドへ。
 奈良輪からの裏へのパスをドウグラスが引き出し、泉澤がペナルティエリア内で受けてシュートを放ちますが、溝渕がブロック。


 22分、ジェフにもシンプルな攻撃。
 左サイド後方の下平からのアーリークロス
 これを指宿が競って、ループ気味のシュートになりますが、枠の外。



 序盤はジェフペースでしたが、20分頃から東京Vが巻き返してきました。
 前へプレスに行けるようになって、攻撃でも人数をかけられるように。
 逆にジェフは前への勢いが落ちていき、中盤のスペースが目立つようになっていきます。


 すると、28分に東京Vが同点ゴール。
 奈良輪からのパスを勇人の後ろで泉澤が受けて、奈良輪が飛び出して受けてセンタリング。
 これに2列目から飛び出してきた佐藤優平が、フリーで飛び込んで頭で合わせ1-1に。



 続いて、38分に東京Vが追加点。
 奈良輪からの裏へのパスを、引き出して受けたドウグラスがセンタリング。
 これは流れて逆サイドで藤本が受けてマイナスのクロスを放つと、フリーになった奈良輪がミドルシュートを決めて1-2に。


 その後、ジェフも攻め込みますが、スコアは動かず。
 1-2で折り返します。
■プレスの裏を取られて失点し2-3で敗戦
 後半開始と同時に、ラリベイを下げて町田を投入。
 町田が右SHに入り、トップ下に船山が回りました。


 後半からはサイドを警戒されたジェフがボールを持たされているような展開で、攻め込んでもチャンスを作りきれない場面が目立ちました。
 58分、ジェフは溝渕を下げて茶島を投入し、そのまま右SBに。
 60分、東京Vは佐藤優平を下げて、李栄直を投入しました。



 68分には、ようやくジェフのチャンス。
 鳥海がボールを奪ったところからカウンターで熊谷、船山、町田と繋いで、グラウンダーのクロス。
 指宿がゴール前で合わせますが、バーの上を超えてしまいます。


 しかし、72分、東京Vの追加点。
 ジェフが中盤中央でプレスをかけて相手を囲もうとしますが、梶川のロングパスでかわされて右サイドの藤本へ。
 藤本がワントラップでバイタルエリアにボールを落とすと、そのままミドルシュートを豪快に決めて1-3に。 



 その直後、ジェフは為田に代えて矢田を投入。
 矢田が右、町田が左に回りました。
 75分、東京Vは泉澤を下げてアランを起用。


 77分、東京Vのチャンス。
 藤本の浮き球のパスから、ドウグラスが右サイドを抜け出し鋭いセンタリング。
 アランがゴール前へ飛び込みますが、合わせきれず。



 80分、ジェフが1点を返します。
 ゴール前左寄りの位置で相手がハンド。
 これを矢田が直接決めて2-3に。


 81分、東京Vはドウグラスを下げて林を投入。
 試合終盤、ジェフは近藤を前線に上げてパワープレー。
 後半ATには後方からのロングボールのこぼれ球を船山が拾い、ミドルシュートを放ちますがこれも決まらず、2-3で敗戦となりました。
バイタルエリアを埋められず
 3失点をしてしまったジェフですが、すべてバイタルエリア付近を攻略されてやられてしまいました。
 1失点目は奈良輪からのパスを泉澤が勇人の後ろで受けたことによって、溝渕などサイドの選手がそこに釣られます。
 それによって、奈良輪がフリーになって前に飛び出してアシストをマーク。


 2失点目も藤本のマイナスのクロスに対して、勇人と熊谷の2人がニアに釣られてしまいます。
 しかし、そこで相手にスルーされたことで、ファーの奈良輪がフリーに。
 そこからミドルシュートを決められています。


 さらに3失点目も中盤中央でボールを奪おうとプレスをかけにいったところ、ダブルボランチが2人ともに前に出ていってしまいます。
 そこを浮き球のパスで交わされて、右サイドの藤本に展開。
 藤本がワンタッチでうまく中を取って、フリーでミドルシュートを決められてしまいました。



 ちょうど先日もお話しましたが、ジェフはダブルボランチにしてもうまく2人でバランスを管理できず、スペースを消し切れない印象です。
 特にツインタワーの4-4-2だと、2トップを簡単に置き去りにされて、残りの8人で守るような状況になってしまう。
 4-4-2の10人で守るような組織が出来ていないため、2トップが守備で無効化されることが多い印象です。


 この試合での前半は右ボランチの後方と言うべきか、いわゆる5レーンのハーフスペースとも呼ばれる位置を狙われることが多かったと思います。
 失点シーンだけでなく、20分にも同じ展開から泉澤にボールを入れられて、攻撃を作られています。
 4-1-3-2なら中盤を5人で守れますが、4-4-2だと4枚で守らなければいけなくなり、余計にそこを突かれやすかったとも言えるのかもしれません。



 後半からは4-4-1-1にしたため、中盤の枚数が増えたことになります。
 しかし、後半からはより積極的にプレスをかけ、勇人などもどんどん前に出て行っていたため、プレスをかわされて裏を取られることも増えていきました。
 そして、失点シーンでは勇人だけでなく熊谷も同時に前に出て行ってしまい、その裏を取られてやられてしまいました。


 システムを変更しても守備の基礎的な約束事が出来ていないため、結局どこかに問題が出てしまうといった印象です。
 対して、東京Vは様々なシステムを使い分けて戦っており、状況によっては可変システムも採用しています。
 それでも大きく混乱せずに戦えているのは、やはりベースとしてやるべき約束事が明確になっているからこそと言えるのではないでしょうか。



 高卒ルーキーの藤本も、ジェフと戦った開幕戦では守備が全くできておらず、身体も弱かった印象です。
 しかし、今回はだいぶ印象も変わっていて、しっかり後方にも戻り球際でも頑張れていたように思います。
 それだけ成長を感じましたし、後半にジェフがサイドから攻め込めなかったのも、藤本などが後方まで戻って対応していたことが大きかったと思います。


 ジェフも選手たちも頑張っていたと思うのですが、中盤であれだけ簡単にスペースを与えてしまうと厳しいですね。
 相手が縦にパスを出して来てから、そこへアプローチにいくというような場面が多く、先手を取れずその場その場で反応している印象で、その分遅れを取ってやられてしまうことが多いと思います。
 はたして、この状況で今シーズンの最後まで持たせることが出来るのか…といった不安も感じる状況だと思います。