1つ上のエントリーに関連して、最近話題に上っている話しを(笑)
サッカーって、一般的に見るのが難しいスポーツだと思います。
戦術、システム、選手起用、プレーの判断など、ピッチの上だけでも何通りもの組み合わせがあるのにクラブのビジョンだとか、今後の方向性だとか「面白サッカー」だとか、考えなきゃいけないことは山ほどあります。
しかも、それだけ組み合せがたくさんあるのに、答えは1つとは限らないと来ているんだから困ってしまいます。
単純に「勝てばいい」ってだけじゃないかもしれないし、でもあまりにも負け続けると降格もあるし…。
例えて言うのなら解くことに意味があるの常人にはわからない、難解な数式のような感じなのかもしれません。
これがもしかしたらJリーグの新規顧客の開拓や、盛り上がりにも関連しているんじゃないかと。
例えばサッカーに比べると、音楽なんてものは非常に単純です。
数分聞いて、自分が良いなと思えばCDを買ったり借りたりすればいい。
いや、90年代にCMタイアップ商法が成功したことを考えれば、数分もかからない。数秒でいいんでしょう。
CM15秒を聞いて、気になったらPC開いて、ニコニコ動画だとかYouTubeで聞くことができる。
ようするに何も悩まずフィーリングで、好きか嫌いかを決めることが出来るわけです。
そこから購買意欲に繋がらないのが現代の音楽業界の悩みなんだろうけど、新規ファンの入り口だけ見れば非常に広い。
CM、インターネット、TVの音楽番組、店頭での視聴サービス、街中でのBGM…。
入り口を限りなく広げることで、敷居を下げている。
その中でもっと奥に入って行きたい人はアルバムを買うなり、ライブを聞きに行くなりすればいい。
CDが売れなくても、固定ファンさえ着けばツアーを周ってお金が入るわけだし。
でも、サッカーではいくら5分間のゴールシーンを見せられたって、それが即観戦意欲には繋がらないでしょう。
実際、毎試合ど派手なゴールがあるわけじゃないし、地味な試合だってあるわけだし。
また、野球も一般的にはサッカーより単純で敷居が低いと思います。
例えばマー君が自分の意思で、外角低めにストレートを投げる。
本人の意思通りの球がいって、球速も球威も十分。
でもカブレラに打たれちゃった。
その場合、マー君の力不足ということになるでしょう。
でもサッカーだと、例えば中澤が一対一でやられて失点した。
けれど、よく見るとその前にボールを持った俊輔が、もたもたして中盤でボールを奪われている。
そうすると俊輔も悪いのかもしれない。
けど、俊輔がボールを持ちすぎたのは周りの選手が動き出さないからだった。そうすると周りの選手も悪い。
ついでに、中澤が一対一でやらてしまったのは、阿部がフォローに行っていなかったからだった。
じゃあ、阿部にも責任があるかも知れない。でも阿部の動きは監督の意思通りだった。なら監督も悪いかもしれなくて…。
とまぁ、サッカーは複雑です。
複雑というか、難しい。難しいというか、わかりにくい。もっと言えばサッカーを見るのは面倒くさいとも言えるのかもしれません。
もちろん音楽だって野球だって、本当はもっともっと難しいです。
私は音楽かじったことがあるから、例えばキックの音1つとってもうるさいです(笑)
何でこんなちゃちい音のエフェクター使ってんだよとか、この曲にはストラトじゃなくテレキャスターだろとかすごく拘るタイプです。
野球にしたって、配球とか守備位置とか見るのが大好きでした。
カウント2-0で外角に大きく遊び球を投げたりすると、「もっと有効に使うべきだろ」と思う人間です。
だから、何にしたって深く見ようと思えばいくらでも深く見れるとは思います。
だけど、どれにも興味がない人に対して横一列で趣味を始めてくれといったら、サッカー観戦というのは非常にとっつきにくいものなんじゃないかなぁと思います。
その中でも、今の日本サッカーは難しいのかもしれません。
ジーコ監督の時は良かった。
世界的スーパースターが監督になって、「黄金の中盤」というが看板がいて、イケメンの宮本や福西や柳沢がサポートする構図。
トルシエ監督の時も若い選手達が鬼監督の指導にいじめられながらも戦っていくという、まるでマンガのようなストーリーだったはずです。
しかも目指すは日韓W杯。日本で世界的な大会があるってんだから、盛り上がるのも当然でしょう。
また、海外サッカーだってわかりやすいもんです。
C.ロナウドやロナウジーニョなど、とりあえず「こいつを見ておけ」的な選手がわかりやすくいます。
Jリーグはその点で複雑です。
Jリーグが始まった当初はジーコだとかリティだとか世界的なスターを見とけばよかったわけですけど、今はそういった選手がいません。
一般の方からすれば、どこに焦点を当てていいのかわからない状況なんだと思います。
ようするに、複雑で、つまらなくて、スターがいなくて…ってことになってしまいます。
しかし、そんな中でJ1の総入場者数は、世界でも5位につけている(日経より)そうです。
ピッチ上のサッカーのレベルを考えると、正直そこまではいっていないでしょう。世界のトップ10にも入っていないと思います。
それでも集客数は世界レベル。
これって、むしろ凄いことなんじゃないですかね。
営業の努力なのか、サポが馬鹿みたいに頑張っているのかどちらかはわからないし、どちらもなのかもしれない。
けれど、少なくとも総集客数に関しては単純に誇っていいものなんじゃないでしょうか。
盛り上がりにかけていると熱を感じないとかは個人差もあるし、難しいところだけれど。
じゃあ、これからJリーグが波状しないようにするために、あるいは日本のサッカーをもっと盛り上げるためにどうすべきかというと、もうこれは文化の問題なんじゃないかと。
難しい戦術だとか方向性だとかを知ってもらうには、もっとサッカーに親しんでもらわなければいけないんじゃないでしょうか。
そのため、非常にわかりやすく単純な「日本代表を応援する」という文化はサッカーへの入り口としてとても重要で、今のところ代替のない広告塔なんじゃないかと思います。
だから、高原の欠席だとかには、ちょっと不安を感じたんですけどね。選手が簡単に休めるようなモノにしていいのかと。
浦和だって、サッカーへの入り口としてはまだまだ敷居が高すぎるんでしょうし。
あとは地域のサッカー熱を高めるために、各チームが地道にやるしかない…と。
まぁ、そうやってサッカーが好きになった人が逆に出て行ってしまうケースに関しては、よくわかりませんけどね。
でも今問題なのは、むしろ出て行く人をどうするかよりも、入ってくる人の少なさでしょう。
コアサポの固定化というのは進んでいるわけで、それこそがもしかしたら入ってくる人の少なさに絡んでいるような気さえしますしね。
追記。
反響が大きいのは嬉しい限りなのですが、出来れば「難しさ」よりも「敷居の高さ」だとか「とっつきにくさ」に対してもっと見ていただければ。
サッカーって戦術とかルールとかも含めいろいろ「難しい」→しかも日本にはスターもいないし文化的なものや試合中継の関係もあって他の娯楽よりも「とっつきにくい」→だから新規の顧客獲得って大変じゃね?って話しだと思うので。
一番言いたいのは「難しさ」よりも「とっつきにくさ」だと思います。
んで、その「とっつきにくさ」に関しては、どのスポーツもあると思う。
けれど、日本のサッカーは比較的とっつきにくいんじゃないかと。
あと、「自分が楽しいからいいじゃん」的な話しでは、振り出しに戻ってしまいます。
そうじゃなくて、どうやって新規ファンを集めるのかって話しだから。
んでも、やっぱり、私はサッカーの方が野球より少なくともルールは複雑だと思うけどなぁ(笑)