反響も頂いたので札幌戦でのブーイングに対して、掘り下げて生きたいと思います。
あくまでも、中・長期的な話しとして。
本来応援論とかはしたくないです。好きなようにやるのが一番。
だけど、あまりにその方向性がおかしかったら、それはチームのためにならないですからね。
ということで、このテーマに関して避けて通るのは簡単なんでしょうけど、いろいろ考えて見たいと思います。
もちろん違う意見もあるでしょうけどね。
私が札幌戦後に「なぜこのタイミングで抗議したのか?」といった理由は複数あります。
1つはなぜ今までせっかく我慢してきたのに、その我慢をやめてしまったのかということ。
我慢するのであれば最後まで我慢するのが、今年のジェフサポの方向性だったのではないのか?ということ。
2つ目はブーイングするにしても、そんなに悪い状況だったのかということ。
ジェフサポの我慢の限界とはそんなものだったのでしょうか。
もう1つは抗議して良くなると思っていたのであれば、なぜ今までやらなかったのかと言うこと。
シーズン前半だって酷かったんだから。
「もう我慢できない」って言ったって監督が変わって上手くいっているのは、どちらかと言えば今の方でしょう。
結局、それなら甘やかしてしまった自分達にも責任があるんじゃないの?ということになってしまう。
そして、最後は去年との繋がり。
正直「あぁ、やっぱりそんなものだったんだね…」と思いました。
残念だけども。
クゼ監督時は11試合で勝ち星なし。9敗2分で勝点はたったの2。
ナビスコを入れても1勝9敗4分。
いくらなんでもこれはひどい数字であり、このまま行けば当然降格になる。
それにもかかわらずジェフサポは我慢し、ブーイングしなかった。
最近になって一部マスコミは「ジェフサポは今年ブーイングしていないんですよ!」と取り上げようになりました。
それほど、こんな酷い状況でブーイングしない、チームに何も働きかけないということは、周りから見ても異常な光景だったとくうことでしょう。
その異常な状況を唯一正当化し、整合性が取れるのが「今年は何がなんでも絶対にブーイングしない」という方向性でした。
なのに、札幌戦でブーイングしてしまった。
いくら相手が1つ上の札幌戦でスコアが酷かったとはいえ、もっと内容も気持ちも戦術もない試合はここまでにたくさんあったはずです。
試合の重みにしたって、シーズン前半にも重要な試合はいくつかあったはずです。
それにミラー監督になってから、まださほど時間はたっていない。
今年「ブーイングしない」と始めた理由は、「新チームとして土台を作らなければいけないから」だったはず。
けれど、ジェフはミラー監督になって一からのスタートを切ったばかりでした。
しかも、監督が交代してからは(沢入代行監督も含め)2勝2敗1分。
ナビスコを入れれば4勝3敗2分となります。
開幕当初「新体制だから我慢するんだ」と言っていたわりには、我慢弱すぎるんじゃないでしょうか。
もちろん私だって「このままなら降格するのではないか?」という不安はあります。
けれど、はっきり言ってクゼ監督の頃の方がその不安は強かった。
何度も言うけど11戦未勝利。内容も基礎戦術もまったく見るものはなかった。
それで「試合数があるからまだ大丈夫」なんて思っているほうがおかしいでしょう。
札幌戦の出来事によって「絶対にブーイングしない」という目標は崩れ去ってしまいました。
「ブーイングを減らす」、「なるべくブーイングを我慢する」ということについても、上記の理由でもう言えないでしょう。
なにせブーイングの基準が曖昧すぎる。
あのレベルでブーイングするのであれば、中断前だったら何度もブーイングが飛び交っていたはずですからね。
じゃあなんで「ブーイングしない」という事になったのか?となるはずです。
それはやっぱり去年との兼ね合いではないかと…。
去年は何かあったらすぐにでもブーイングし、挙句の果てには試合前からアマル監督にブーイングすることで、チームを妨害しているかのようにまで見えました。
まぁ、正直に言って去年を見ていたから「ブーイングしない」という方向性を打ち出したときは、「ウソでしょ?」と思いましたよ。
まぁ、実際ウソだったわけですけどね。
で、じゃあ何でそうなってしまったのか。
細かく言えば、いろいろあるんだと思います。
アマル監督のコメントがどうとか、結果が出ないだとか、ストヤノフの件だとか、いろいろと。
イビチャ監督になってから、やたら監督のコメントにこだわる人たちが増えたのも大きかったんでしょう。
でも、私は一番大きかったのはもっと別のところにあるんじゃないかと思うのです。
サッカーとは関係ないのですが、2チャンネルを形容した素晴らしい文章だと思います。
ある事柄を、最も正視せず最も曲解して最も悪意に満ちた解釈をして最も誹謗中傷的表現の限界にチャレンジする、ある意味、自分の心の闇を遺棄するガス抜き場所になっているようなサイトで、これだけ何もかもに否定的な人たちにもし誉めてほしいと思ったら、一体、何をすれば喜んでもらえるのか(童夢・林みのる氏)
2ch内では正しい議論が出来ない。周りを尊重できないし第3者的視点で見れていない。だから話しが自分本位になる。そして最終的には当初の目的すら忘れてしまう…。
「トイレの落書き」とは言い得て妙だと思います。
それでも私は情報源として、素晴らしいツールだと思いますけどね。
だから2ch自体を否定するつもりは一切ない。
けれど、使い方を間違えばひどいことになる。
正誤を含め様々な情報があるにもかかわらず、それをすべて鵜呑みにしてしまう人もいます。
初めから議論なんか出来ないはずなのに、2ch参加しただけで(あるいは読んだだけで)議論した気になってしまう。
だから、話しが一方的になるのも当然(そしてここには日本人の国民性もある。それは次のエントリで。)。
何かを批判することになればなおさら。
林氏もおっしゃられるように、「ガス抜き」をするための場所。
少しでも小さな“不満の火種”があれば、総叩きにあってしまう。
それなのにも関わらず、2chでのエセ議論をそのまま現実に持ってきてしまう…。
それが去年のジェフサポだったと思います。
2chでの話しを真に受けすぎブログなどでもその方向を支持するようになり、ついにはスタジアムでも「ガス抜き」が始まってしまった。
ここまで来れば2chだけの問題ではないですよね。
そして、そうなればチームが崩壊するも当たり前です。
その被害者となったのが、アマル監督だったと思います。
最悪アマル氏だけならいいという考え方もあるかもしれない。
けれど、結果的にチームにも大きな影響を与えたと思います。
2chでエセ議論をする前から“不満の火種”はあったのかもしれません。
けれど、2chがなければあそこまで加速はしなかったでしょう。
誰かが止めに入り、批判への勢いをセーブすることも可能だったかもしれない。
そう思うと、非常に残念です。
そして今年。
サポはアマル反対を自ら擁護するかのように、クゼ監督全面支援を打ち出しました。
「アマルより酷い監督はいない!」とあれほど言っていたわけで、クゼ監督に成功してもらわないと困りますからね。
だから必死になって擁護して、ブーイングも一切しなかった。
けれど、そう簡単に世の中上手く行くわけもない。
アマル監督を批判する一番の理由として「選手が監督を支持していない」というのがあったのだけど、クゼ監督政権でも結果が出ないと最後になって選手達は文句を言い出しました。
いわく「練習が初めから少ないと思っていた」とか「意見を聞き入れてくれなかった」とか。
そういうもんですよ、選手だって言い訳を作りたいし、勝てなければ目先を変えたい。
だからこそ、我々はブーイングするんじゃないの?
本来のブーイングの意味って、そのあたりじゃないの?
そして、ミラー監督になると今度はアマル→クゼへの以降問題を記憶から消去して、勝てなかったらブーイングするという通常の形に戻ってきました。
ある意味で今が本来の姿なんでしょうね。
面白いのはその裏で、今度は一部の人がミラー監督とアマル監督を比べだしているということ(笑)
クゼ監督は置いておくらしい。自分達が一番擁護した監督だったはずなのにね…。
私自身は自チームのブーイングを否定するつもりはありません。
それが自チームのためになるのなら。
問題はそれをどこで判断するのか。
そして、どこに大儀があるのかどうか。
ようするにブーイングするにしても基準を決めて、制御しなければいけません。
自分が気持ち良ければブーイングして、そうじゃなければしないのであれば、そんなもん赤ちゃんの夜泣きと一緒。
一時期問題になった空気が読めず野次ばっかりする人と一緒です。
去年のブーイングはまさにそれでした。
空気の読めない、チームのためにならないブーイングでした。
そのブーイングの制御の方向が「絶対にしない」のなら、それはそれでアリなのかな?と思っていました。
もちろん「去年の反省を踏まえて」が前提であって、「絶対にしない」にしても理由がなければまったく意味はなさない。
去年から見れば大きな大きな変化なのだから、「選手が移籍してしまったから」とかそんな曖昧な理由ではなく、変えるのであればジェフサポの精神と共に大幅な改革が必要なはずでした。
なにせ、去年の移籍市場と今年の移籍市場、どっちの方がマイナスだったかなんてことははっきりとは言えないんですからね。
去年だって選手だけ出なく祖母井さんやスタッフまでいなくなったんですから…。
結局こうも簡単に「ブーイングをしない」ことを止めてしまったのは、そのあたりにあるんだと思います。
「ブーイングをしない」ということに対しての大儀名分はなかった。
方向性になんてなっていなかった。
「ジェフが厳しい状況だから」と言うけれど、それはいつだって一緒。
代表関連でコンディションやプレッシャーなどを考えれば、かなり去年だって辛かった。
現代サッカーでコンディションと言うのは非常に重要なものです。
オシム監督も勝利の要素として「選手の能力と、コンディションと、少し離れて戦術」と言っていたくらいですから。
にもかかわらず昨年ブーイングが起こったのは、ネット上などでろくに議論もせず不満ばかりが先行し、結果が出ないからといってサポーターではなく文句ばかりいう集団に成り下がっていたからでしょう。
今年の前半にブーイングしなかったのは昨年の自分たちを弁護するために、とにかくクゼ監督支持に回らなければいけなかったから。
そして、ミラー監督になったらその必要はなくなりブーイングをし始めた…と。
結局チームなんか関係ない。
自分達の問題でしかなかったわけです。
そんな自分達の方向性(応援の判断基準)が曖昧な状況で、フロントには方向性を要求する…。
それではいつまでたっても、チームとしては成長できないですよ。
だってサポーターを含めてジェフなんでしょ。
お客さんでもクレーマーでもないんですから。
ミラー監督になってブーイングを開放したことで、ある意味でようやく普通の姿に戻ってきたと思います。
ブーイングを我慢することが自分達がチームのために一生懸命考えた上の方向性で、その方向性をサポーター全員が共有し維持できるのであればそれでもよかった。
けれど、それもただのめっきだということがわかりました。
でも、それはそれでいいんじゃないの?とも思うわけです。
やっぱり無理があったんですよ、いきなり「ブーイングをしない」だなんて。
もともとブーイングが少ないチームとかならいいかもしれない。
あるいはチームが安定期にあるところならできるかもしれない。
けれど、うちはそうじゃない。
チームは変革期にあるし何より去年あそこまでブーイングしておいて、今年しないってのはやはりどう考えてもおかしい。
というか、はっきりいって不可能でしょう。
全員の意識がそう簡単に変わるとは思えませんからね。
問題はこれから。
長い時間をかけてようやく偏った応援姿勢からリセットされて、ここからどういった方向性にしていくかじゃないかと思います。
「ともかくブーイングをする」とか「絶対にブーイングをしない」とか極端じゃなくてもいいはずです。
フロントに方向性を問う前に、まずは自分達がどのような方向性を歩み、どのような方向性のクラブになって欲しいのかを考えていかなければ。
目先のことばかりにとらわれるから、アヤフヤになってしまう。
重要なのは正しい方向性に進んでいると思ったときにはクラブを支持しそうでないと思ったときに、きちんと抗議をすることじゃないでしょうか。
もう一回ですね。
ちょうどシーズンの折り返しというところで、もう1度サポーターの方向性を考え直してみる時が来たんじゃないでしょうか。
それは決して悪いことではない。
チャンスだと私は思います。
ただし、きちんと考えなければいけない。
過去をしっかり消化できなければ、また過ちを犯すんじゃないかと私は思います。