日本代表前監督の岡田武史氏が８日、トークショーを行った。約９００人を前にＪＦＬ・町田ゼルビアの相馬直樹監督らと対談し、「オレがオシムさんと同じことを言っても受け入れられない。何でなのかというのはあった」と前任者への反骨心が、大きなモチベーションになったことを吐露。（サンスポ）
まぁ、そういった気持ちがあることは、日本代表監督就任当時からわかっていましたよね。
口には出していなくても、オシム監督の話を振られると露骨に嫌な顔をしていたし。
そういったことを明らかに顔に出してしまう時点で、少なくともオシムファンにとってはあまり好意的には受け止められなかったかなぁと思いますね。
ようするにカリスマ性というか、監督としてというよりも人として周りから好かれるかどうかといった問題だと思うのですけど、そういった点ではやはりオシム監督の方が良い状況を作れていた印象がありますね。
少なくともオシム監督なら、どんな状況でも良いものは良いと言うでしょうし。
W杯での日本代表の活躍だって志半ばで監督を辞めざるを得なくなってオシム監督の中に複雑な思いがあってもおかしくないと思うのだけど、それを表に出したことはほとんどなかったと思いますしね。
もちろん岡田監督だってオシム監督を嫌っていたというわけではなく、その周囲の反応の方が気になっていたんでしょうけど。
まぁ、気持ちは良くわかりますけど…。
何のことかは言いませんけどね（笑）
もしかしたら“日本サッカーの日本化”をオシム監督に言われて日本人指導者としてプライドを傷つけられたところがあったのかもしれないですけど、オシム監督からすればそれはジーコ監督による日本代表のサッカーに対してのアンチテーゼだったんじゃないでしょうか。
むしろ多くの人が携わってきて今まで築き上げてきた日本独自のサッカーを肯定していたところがあったからこそ、あのジーコ監督によるサッカーに納得できない部分があったんじゃないかと。
もっといえばオシム監督のことだから、「なぜあんなサッカーを許すのか？」という周りのサッカー関係者への気持ちもあったのかもしれない（笑）
ジーコ監督の就任は川淵氏の独断だとも言われているわけで無茶苦茶な言い分かもしれないですけど、帝京の古沼さんに対してのこの話だとか、ジェフ監督就任時に江尻コーチとの会話で「長くジェフに在籍しているのに勝てない理由が分からないと言うお前がいること自体が、チームが勝てない理由なんだ」（細かな言い方は違ったと思いますが）と言ってしまう方ですからね。
このあたりは、そもそもの性格の違いもあるかもしれません。
根っからの日本人らしく周囲には我関せずで自分の仕事を全うしようとする岡田監督と、日本サッカーに携わるなら出来る限り周囲も含めて全てを良くしていきたいと考えるオシム監督と。
古沼さんや江尻コーチへの話だって実際には外から来た人だからこそ言えた部分もあるのかもしれませんが、オシム監督に言わせればそういった状況こそが日本社会の問題点だとも思っているのかもしれません。
そういった部分があるからこそ、私のようなオシム信者はオシム監督の日本代表就任によって、代表のサッカーだけでなくその他全体を変えてほしいと期待していた部分があったわけですが…。
まぁ、あまりオシム監督ばかりを持ち上げると、怒られてしまうかもしれませんけど（笑）
個人的には何度か言っていますが、オシム監督の日本代表での活動は成功とはいかず道半ばで終わった…という思いのままです。
アジアカップでのサッカーは期待していた分あまり良くなかったと思っていますし、逆に岡田監督は09年あたりから現実路線に変化していって最終的にW杯で成功した功績は素晴らしいものだとも思います。
オシム監督なら何があっても方針は変えずに現状を打破しようと模索したんじゃないかと思いますし、個人的にはそういったオシム監督に期待していた部分が大きかったわけですけど、だからといってベスト16以上に進めたかどうかはわかりません。
無難に言えば、それぞれに良さがあるということなんじゃないでしょうか。
しかし、関係ない話しですけど日本代表からオシム監督のファンになったという方のほうが、意外と盲目にオシム監督を支持していたりするような気がするんですよね…（笑）
ジェフからのオシムファンの方が長らく苦楽を共にしてきた分、良い面も人間的な面もいろいろと見てきたというか（06年前半には批判的な声も意外と多かったですしね。2chとかでですけど…）、やはり細かな部分をわかっているような気がします。
未だにその差は埋まっていない感じがしますし、それだけあの3年半というのは濃厚なものだったんだなぁと改めて思ったりもします。
そう考えると、日本代表に羽生や山岸を呼んだのも当然かな…なんてことも思ったりして（笑）
