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今期のジェフを象徴するような中途半端なサッカー

 土曜日の北九州戦に続いて火曜日に行われた草津戦。
 12位の草津…ということで「しっかり勝ちたい試合」だと少し前まで思っていたのですが、なんと直前に行われた土曜日のアウェイ甲府戦に勝利(今年ジェフは勝てていない相手ですね)。
 しかも、4-2での大勝ということで、ジェフにとっては非常に嫌な予感がする状況での試合となってしまいました。


 ジェフはスタメンで米倉を起用。
 アレックスが出場停止なため、良太をSBに回して、福元がスタメンとなりました。
 山口は出場停止から復帰。


 前節出場停止だった中後はなんとベンチにも入っていません。
 このあたりが、うーん…と思ってしまうところなんですよね(怪我とかではないですよね?)。
 確かに中後には課題も感じましたしベンチのバランスなどもあるのかもしれませんが、スタメンで起用していきなり外してしまう…なんてことをして、選手の気持ちの部分は大丈夫なのか。
 今回に限らず、江尻監督はこれまで何度もこんな起用法をしていますしね。
 ジェフは真面目(というか控えめ?)であまり文句を言うような選手が少ない上、そういった控え組の意見と言うのはあまり聞こえてきませんから(その中で巻だけは不満を表せていた…ということだったり?)、実際のところはわかりませんが…。
 ただ、そういった面での不満というのは、シーズン中はともかく契約更改で不利になったりするのかなぁとも思うのですけどね。
 例え監督が変わったとしても。
■目的のはっきりした草津のサッカー
 試合序盤から、いきなり草津にビックチャンスを作られてしまいます。
 中盤左側からのクロスに草津のアレックスが反応し、2度もバーを叩くシュートを放たれる危ない展開でした。


 草津の選手達は非常にコンディションのよい印象でした。
 ホームとはいえ甲府戦から中2日ですから動きはどうなのかな?と思って見ていたのですが、そういった問題はなかったようですね。
 ジェフの選手達の方が、一試合を通して連戦の疲れは見えていたように思います。



 草津の攻撃は基本カウンターでサイドからシンプルにクロスを狙うという展開でしたが、やることはしっかりと整理されていましたね。
 クロッサーがルックアップした瞬間に、前線の2人が前に加速する。
 必ず2人、3人と複数の選手が最終ラインの裏を狙っていき、かつ選手達の動きがかぶらない(ゴール前でのポジション被りは、ジェフでは良く見る傾向ですが)。


 一方のジェフはそういった意図が見えない攻撃が多かったですね。
 クロスを上げても中の動きと外の狙いがはっきりしない。
 どのタイミングで上げるのかも、どこのエリアを狙うのかも見えてこない、ちぐはぐな印象でした。



 草津は守備においても、組織立ったコンパクトな守備ブロックが作れていたと思います。
 ジェフのラインが低い状況で後方でつないでいる時は、しっかりとFWを含めて前へ積極的にプレスをかけていく。
 そして、ジェフがラインを上げてポゼッションしようという時には、相手ボランチエリアまでFWを下げてそこから相手の出方を待つ…と。
 ようするに、相手が悪い状況でボールを持ったら“パスの出所”を抑え、あわよくばボールを奪い、相手が落ち着いた状況でボールを持ったら“パスの出先”を封じるということですね。


 それに対してジェフは打つ手なし。
 ビルドアップの工夫もなく、揺さぶりもなく。
(強いて言えば、意図的にFWがサイドの裏を狙っていたんでしょうか?今期の開幕前後にやろうとしていたやつですね。ネットを使い始めて練習ではそういった動きをFWに要求していたのに、ネットはやらないのでいつの間に自然消滅していましたが…。)
 戦力的には決して恵まれてはいないと思う草津ですが、攻守において明白に目的を持っているような印象を受けて、少ない戦力でもしっかりとした組織で戦うとても好感が持てるチームでした。
■『ハイテンションモード』発動せず
 後半序盤こそ得点の可能性を感じたシーンもありますが、時間がたつにつれますますジェフの選手達の動きは落ちて行ったしまったように思います。
 やはり北九州戦序盤に見せたような『ハイテンションモード』は、限定的にしか使用できないようですね(笑)
 コンディション、モチベーションが充実した状況での試合の中で、しかも数分しか持たない…と。
 しかし、それ以外の状況ではあまり得点の匂いもしませんし、それを使うと次の試合負担も大きいのかなと。
 だからアウェイでは勝率が低い…ということなのではないでしょうか。
 順番的な問題で。


 後半14分。
 中盤の網にかかってボールを奪われると、素早くカウンター転じられて、失点。
 続く後半27分にも追加点を奪われてしまいます。


 あとがないジェフは、後半28分にネットを投入。
 前節も途中からの出場で疲労度合が少なく元気なネットが中2日の草津守備陣を攻め立てますが、その効果も初めの数回のみ。
 シーズン前半は途中交代によって『ハイテンションモード』を誘発し得点…なんてパターンもありましたが、選手達の疲労がかさんできたのか、なかなか最後にも一頑張り…とはいかなくなってしまいましたね。



 そのまま2-0で無残にも試合終了。
 非常に残念ではありますが、この試合のジェフに関しては本当にいいところがない状況だったように思います。
■厳しさも持ち合わせて
 草津戦の結果により、J1復帰の可能性はなくなってしまいました。
 サッカーの内容に関してはまだ試合に勝てていた夏頃から「これでいいのかな?」と思っていて、その頃からチームの本質は変わっていないと思っていますし、結果に関しても横浜FC戦での敗戦のあたりから厳しくなったことはわかっていましたから、さしてショックは感じません。
 もちろん諦めはしていなかったけれど、覚悟はできていましたから。



 来季に向けての意見も、いろいろと聞こえてくる時期になってしまいました
 やはりまずはしっかりと今期の反省して、それを今後の糧にしたいところです。
 それがクラブのビジョンや目標設定に繋がるわけですし、明確な目標を決めてそれに沿った正しい意思決定をしていかなければならないはずです。


 今期はその目標と意思決定が、中途半端だったように思います。
 「1年でJ1昇格」という即効性が求められる状況でも、ジェフ出身ということで新米の江尻監督を続投したり。
 江尻監督は結果だけでなく、育成面も求められた感もありますし。
 アタッカーばかりを補強して戦力バランスが非常に悪かったり。
 また、選手の数は多いのだけれど、「これぞ」と思える選手は正直物足りない部分もあったり…。
 そういった選手構成や補強の意味でも、中途半端だったかなと。
 『物量よりも少数精鋭』でオシム監督は見事に結果を残したにも関わらず、そのあたりから学ぶことはできなかったということなんでしょうか。
 実際に「中途半端な選手はいらない」という話もしていたと思うのですが。



 チーム自体も残念ながら中途半端でしたね。
 プレッシングにしても安定して良い状況は作れず、そこから攻撃という展開も出来なかったために何のためのプレスなのかもいまいち掴めなかったし、パスをつないでも相手を崩すような揺さ振りとまでは至らず、かといってカウンターも作れず…といった感じで。
 火曜日の草津戦はそういった悪い部分がはっきりと表れた、今季を象徴するかのような試合内容だったと思います。


 そのあたりの中途半端な部分が残っている状況では、結果を出せないのがプロの世界ということではないでしょうか。
 気持ちだとか思いだけでは難しいし、やはりプロのサッカークラブである以上は、どこかに厳しさも持ちあわせて意思選択をしていかなければいけないのではないかと思います。
 そういった部分が足りない状況だからこそ、一つのモノを貫き、積み重ねることが出来ず、「ジェフらしさ」というモノも身に付いていかないのではないかなと。
 その結果、特徴のないチーム、強みのないクラブ…になっているような気がします。



 まぁ、まだ今期も2試合ありますので、反省会をするには早すぎますね。
 しんみりとしてしまう前に、残り2試合も全力で戦ってほしく思います(モチベーション的には厳しいかもしれませんけどね…)。
 そして、シーズン終了後には明るい未来を築きあげるためにも(実際にはすでに動いていると思いますが)、来季以降に向けた良い準備をしっかりとしてほしいと思います。