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PDCAサイクルの中でのPlan

 本日17日水曜日は平日ではありますが、J2の試合が開催されます。
 ジェフはアウェイで水戸との対戦です。


 水戸は前節までの5試合、勝ち星がなかったのですが、先週末の栃木戦で1-0の勝利。
 前半に決めた鈴木隆行のゴールを守った形となります。
 前節栃木戦ではしっかりと選手たちが走って、前からのプレスを積極的にかけていた印象ではありますが、岡山もそうだったようにジェフ戦では後方を固めてくる可能性もあるのでしょうね。



 ジェフを対戦相手として対策を考えるとすると、無暗にジェフのCBにプレスをかけてそこで交わされればボランチがフリーになってしまい、ボランチからからチャンスを作られてしまうかもしれない。
 ジェフのCB二人は足元の技術があるし、プレスを掻い潜られる可能性は十分にある。
 では、ジェフのCBとボランチ両方に圧力をかけていこうとすると、今度はジェフのメインターゲットであるDFラインとMFラインの間(バイタルエリア)が大きく空いてしまう。
 それならばCBへのプレスはあまり行わず、ボランチをケアしつつ、バイタルエリアのスペースを空けないことを第一に考える方がリスクは少ない…と。
 その分ボールの奪いどころは低くなってしまうけれど、ジェフは攻撃から守備への切り替えに弱点を抱えているので、カウンターでサイドからチャンスを作る狙いが一番なのかなと。


 逆にジェフから見ると、一番嫌なのは全体をコンパクトにして、DFラインを非常に高く設定され、CB、ボランチにプレスをかけつつ、バイタルエリアも狭くされることだと思います。
 それによって、CBからもボランチからもパスを出せなくなり、バイタルで前を向くこともできない。
 その分うまくDFラインの裏を付ければいいのですけど、ジェフによる一番の狙いはショートパスをつないでバイタルエリアで前を向くことですから、裏よりも表のスペースを消された方がやりづらくなる…と。


 それをやったのが、第4節で戦った鳥取ということになると思います。
 まだ準備段階だった開幕戦を除けば、あの試合が一番厄介だったというか、やりたいサッカーができない試合だったと思います。
 ただ、DFラインを積極的にあげ、前からのプレスをかけ続けるというのは、簡単にできることではない。
 細かな守備の整備も難しいと思いますし、裏を抜かれれば一発でピンチになる可能性もある。
 そして、運動量の消耗も激しくなり、スタミナが持つのかどうかという問題がある。
 ジェフと対戦した時の鳥取も、第4節ということでちょうどスタミナにも問題がなく、戦術的なわだかまりも少ない時期だったから良かったかもしれませんけど、シーズンを通じて考えると厳しい時期も出てくるんじゃないでしょうか。
 特に夏場にどう戦うのかというのは気になるところですね。



 一般的に考えても戦力で上回る相手には、全体的に引いて守る方が安全ではあるのでしょう。
 ジェフからすればその引いた相手をどう崩すかというのが大事になってきますが、今年の攻撃戦術は理論上は間違っていないんじゃないかと思います。
 スピードのある選手の飛び出しや、強引なドリブルなどではなく、DFラインの表を狙う戦術。
 相手はスペースを消してきますからDFラインの裏は取りにくいことが多いし、相手の後方には選手が多いわけですから、強引にドリブルを仕掛けて交わしてもその後ろに相手選手がいるということが多い。


 ですから、バイタルエリアの攻略を第一に狙って、中央がケアされればサイド攻撃というパターン。
 そこを狙うためにCBやボランチにはパスを出せる選手を使って、1トップにはケンペスを置いてポストをさせて、トップ下にはバイタルエリアで前を向けてスルーパスを狙えるナムや谷澤を起用。
 それだけだとゴール前に選手が足りなくなる可能性もあるため、右ウイングには米倉や田中など前に飛び出せる選手を使って(ただ、右ウイングがゴール前に行きすぎると前で渋滞が起こりがちでそこが攻撃の課題でしょうか)、右SBには攻撃的な選手を起用しウイングの空けたスペースに飛び出してサイド攻撃を狙う…。
 しかし、理屈ではうまくいっても実際にはそうはいかないのがスポーツですから、左ウイングにはジャイールという"戦術外"の選手を置いて自由にやらせ、後方には守備のできる選手を配置しジャイールの穴をケアすると。
 守備に関しては整備が遅れている印象ではあるけれど、ここ数年のジェフの状況を見ればまずは攻撃という考えは個人的には間違っていないと思います。



 これらの狙いがすべてうまくいけば勝てるかというとそう単純なものでもないし、変えていかなければいけない部分もあるかもしれません。
 ただ、明確なぶれない意図というものをチームに感じますし、そういった意図があるかどうかが、正しいかどうかよりもまずは大事になってくるのではないかと思います。
 明確な意図があれば、1つのプレーが正解なのか少し違うのかも判断がつきやすいし、うまくいかなかったところの修正もしやすい。


 そこがここ数年ののジェフに見えてこなかったところであり、Plan-Do-Check-Actionの中のPlanがまず作れていなかったというか、簡単にぶれることが多かった。
 ようやくそのPlan(計画)をしっかり書き上げることができたわけで、今はDo(実行)の段階に進みつつ、Check(評価)をして、Action(改善)していってほしいと思います。
 戦術の浸透も進んできていると思いますので、そろそろ結果の方も期待したいですね。