リオ五輪グループリーグ最終戦でスウェーデン代表に1-0で勝利した日本代表ですが、裏の試合でコロンビアがナイジェリアに勝利しグループリーグ敗退が決まりました。
残念な結果ではありますが、初戦と第2戦で勝点を取りこぼしたことを考えれば、仕方がないと言えるでしょう。
最終戦で何とか1つ勝ち星を挙げたことで、最低限の結果は残せたかなと思わなくもありません。
スウェーデンは4-4-2で守備を固めてきたチームで、ボールを支配した日本代表はなかなか得点を奪えない展開でした。
サイドではボールを持たせてくれるものの、そのままクロスを上げても高さでは勝てない。
しかし、中央に関しては警戒しており、簡単には中央方向へパスを繋げないといった展開だったと思います。
フル代表が北欧や東欧のチームとやる時も、似たような展開になることが多いですね。
それでも中央へのパスワークに関してはある程度の形を見せていたと思いますし、得点は時間の問題にも見えました。
スウェーデンは日本代表の素早い動きについていくのがやっと…といった印象でしたし、あまり強さも感じなかった。
1-0での勝利でしたがもっと点を取れた気もしますし、やはり五輪チームというのはモチベーションの差も大きくレベルがまちまちですね。
このチームの総括としては、素早いパスワークは作れたということになるのではないかと思います。
「じっくり繋ぐ」というより「縦に速く繋いで攻める」というのが、このチームの売りになっていたのではないでしょうか。
西部謙司氏はこのように話しています。
チームとしてのパフォーマンスは4位になった前回大会より、はるかに良いと思う。ロンドン五輪は堅守速攻で勝ち上がったが、1トップに横幅60メートルのチェイシングを担当させるなど、常軌を逸した運動量で組織的な不備を埋めていた。今回のチームのほうがずっと完成度は高い。
(フットボールチャンネル)
急に前回チームの話が出てきたのはびっくりしましたが、実際そうだと思います。
浅春距離感が良いので良い攻撃が作れた、という面もあったのではないでしょうか。
ただ、守備に関しては脆さも目立ったと思います。
前にも話したように、ザッケローニ監督の頃から日本代表チームは守備で甘さを感じるところがあり、どうしても締まりのないところを見せてしまう。
このチームに関してはコロンビア戦などでも見せた前で数人が囲むプレスはうまく作れていたところもあったと思います。
しかし、やはりプレスが効かない時にどう守るかが、このチームというよりも現在の"日本代表ファミリー"の悩みの1つと言えるのでしょうか。
もともと手倉森監督が就任して"堅守速攻"を目指すチームなのではないかと思っていたのですが、そういったイメージが作りきれなかったのも守備を整備しきれなかったところにあるのではないかと思います。
一方でパスワークにしても素早く前へつないでいく展開が多かったのは、"堅守速攻"の名残といった面もあったのかなとも。
手倉森監督は予選を突破した後に世界と戦うためにパスを繋いでいくという話をしていたはずですが、そこに関しては狙い通りで来ていたとも言えるのかもしれません。
攻撃は出来たのだから、あとは守備が…ということになるかもしれませんが、かといって次の方向性として「まず守備の構築」、「堅守が作れる監督を」となるのは、安易ではないかとも思います。
その分攻撃がうまくいかなくなる可能性もあり得るでしょうし、今後具体的に"日本代表ファミリー"がどのようなサッカーを目指していくのかも気になるところです。
協会も新体制になったところですし、次の方針が気になるところです。
ともかく、ひとまずはお疲れ様でした。