長谷部監督が前回対戦時の熊本戦と比べて、「コンディションがだいぶ違う」と話しています。
前回は熊本の方がコンディションが悪く、今回はジェフの方が悪かったということになるのかもしれません。
あの時の熊本ほどではないかもしれませんが、かなり動けていなかったように見えました。
ジェフのコンディションに関しては、熊本の清川監督も話しています。
「千葉が前節、後半は10人で戦っていることを考えると、暑さへの慣れも含めてうちの方がカウンターを仕掛けられる場面が増えてくるんじゃないかと予想していた」とのこと。
連戦の中で前節北九州戦では長らく10人で戦い、熊本の暑さに苦しんだということでしょうか。
熊本は九州の中でも暑い日が多いらしく、この日も19時キックオフに関わらず、気温は30度を超え湿度も69%だったそうです。
先日「約束事がこなせれば大きく波状しなくなったけれど、熊本戦ではその約束事を果たせなかった」と話しましたが、その大きな要因としてコンディションの問題があったのではないかと思います。
愛媛戦でもコンディションが非常に悪かったですし、やはりフィジカルコーチ不在の影響は大きいのでしょうか。
オシム監督時代の日本代表もフィジコが不在で、アジア杯で苦戦した原因ではないかと分析する人もいましたね。
また新設された山の日が木曜日で、その日にJ2を開催したため真夏に中二日で戦わなければいけなくなりました。
熊本も動きはあまり良くなかったように見えましたし、かなり無理のある日程だったのではないかとも思います。
特にジェフはアウェイ連戦でしたし、九州に残って調整したとはいえ、難しい状況だったのでしょう。
あまりコンディションのせいにばかりはしたくないところですが、熊本も震災の影響があってコンディションに大きく左右されるシーズンになっている印象です。
今季の熊本はシーズン開幕から5勝1分と素晴らしいスタートダッシュを切りましたが、4月に熊本震災が起こり試合が1ヶ月中断。
中断明けでろくに練習も出来ていなかった状況で迎えたジェフ戦で敗れると、そこからも調子が上がらず4連敗。
6月に入るとコンディションも戻り、4連敗後の5試合は3勝2分と好成績を収めます。
しかし、7月に入ると中断分の振り替え試合が入ってきて、1勝2分4敗とまた成績を落としてしまいました。
8月に入っても1敗1分の成績でしたが、他チームも連戦となったところで、相対的に調子が戻ってきたところがあったのでしょうか。
震災がなければ、もっと上にいてもおかしくないチームだと思います。
話しをジェフに戻すと、コンディションの不安もあって北九州戦で勝利したにもかかわらず、5人もメンバーを変えたのだろうと思います。
もともとこの2試合はセットで考えていたようですから、初めからターンオーバーを見越していたのかもしれませんね。
ジェフは丹羽、比嘉、アランダ、町田、菅嶋がスタメンから外れて、多々良、阿部、勇人、井出、山本がスタメン出場したことになります。
熊本戦のスタメンを見た時は長澤がSHで山本がボランチかと思っていたのですが、実際には逆でした。
中盤で細かなパスワークやポジション修正をしていくのであれば、ますます山本がボランチの方が良いのではないかと思うのですが、サイドでの守備を重視して山本がボランチだったのでしょうか。
あるいはパワーやサイズの面も考えて長澤がボランチだったのか。
多々良などはしっかり役割をこなしたと思いますが、勇人や阿部などはいまいち動きが良くなかったようにも思います。
8月7日の愛媛戦で久々に出場した勇人ですが、その試合でもあまり出来は良くなかった印象でした。
新監督になってボランチにパスセンスを求められることが増えるのではないかと思いますが、勇人はあまりパス出しや展開が得意な選手ではない。
しかし、その分守備や中盤でのバランス管理、運動量などを期待したいところだと思うのですが、そこもあまりうまくいかなかった。
だから、前半45分で交代となってしまったのでしょう。
今年は怪我も含めて、ベテランが苦しむことが多い状況となってしまっていますね。
町田に関しては、スーパーサブとして期待していたのかもしれません。
また、エウトン、北爪のコンビは北九州戦でも途中出場で投入され、良い効果をもたらしていたと思います。
エウトンのパワーと北爪のスピードと運動量が、疲れた相手に効いていたところもあったと思います。
今後もエウトンと北爪をスーパーサブとして起用する可能性もあるのではないかと思いますが、熊本戦ではスタメンの吉田がもう1つだったので悩ましいところもあるのではないでしょうか。
現状で言えばスタメンでは運動量豊富な吉田が体を張って守備をして、相手が疲れたところでエウトンというパターンが良いのではないかと思いますが、その吉田が熊本戦では走れなかった。
次節からオナイウも帰ってくるでしょうし、オナイウをスーパーサブとして計算することもできるかもしれませんから、そうなってくればまたスタメン争いの状況も変わるかも知れません。
長谷部新監督としては起用面で悩む部分も多いかもしれませんが、来季以降の処遇はどうなるかわからない状況なのですから、悔いなく自分の思うことをやり切ってほしいところです。
その結果としてポジション争いや新たな可能性も見いだせれば、チームも活性化していくかもしれません。
今はそこを期待して、見ていきたいところではないかと思います。