当ブログはプロモーションを含みます

京都戦後の騒動とハイプレスの松本との対戦

 松本戦も控えていますが、これに関して触れないとフロントと一緒かなと思い、あえて少し取り上げたいと思います。
 京都戦において、一部サポーターと選手の間で騒動がありました。
 しかし、これに対しサポへの処分が発表されなかったため、後日クラブに電話で確認した方がいたのですが、フロントは「処分はするものの公表しない」と回答したそうです。


 クラブからは発表されていませんし、誤解を生むといけませんので詳細には触れませんが、今回の騒動を簡単に言うとピッチへの物の投げ込みがあったことと、選手とサポの間で言い合う状況になってしまったこと。
 その流れで岡本や勇人など、試合に出ていないジェフの功労者が前に出て対応する姿を見るのは、すごく悲しくなりましたね。
 試合後には近藤がTwitterでこの件に触れており、冷静なつぶやきではなかったとは思いますが、こういったことを言わせる状況になってしまったことが残念です。
 岡本に関しても、このような記事が出ています。



 確かにストレスがたまる展開ではありましたが、そういったストレスをピッチや選手にぶつけるというのはあまりにも幼い行為だと思います。
 選手や審判にブーイングをする時もそうですが、叱咤激励などをチームのために行うのであれば良いとは思いますが、ただ感情的になって批判するのであればチームにとっても弊害になりかねない。
 あとはもう、どのタイミングで、どうやって叱咤激励するかなどは、最終的に"センス"だと思います。


 ただ、サポも選手もアドレナリンが出ていたのでしょうし、冷静な状況ではなかったのかもしれない。
 ああいった揉め事が"あって良いこと"だとは思いませんが、"あり得ること"だとは思います。
 同様のケースはこれまでにもあったわけですし、今後もあり得ないとは言い難い。
 その後お互いが和解し反省すべきところは反省することで再発防止に努め、前に進むことが大事ではないかと思います。



 しかし、あり得ることだからこそ、ヒートアップしないように最低限のルールが必要であり、その1つが「投げ込み禁止」であったはずです。
 もちろん「処分はする」と話しているそうですから、投げ込みに関して何らかの罰則はあったのでしょう。
 しかし、ルールというものは、適応されて初めてルールとして成立するものだと思います。


 明らかなルール違反があった時に、それに対して管理者の対処が曖昧であれば当然周りは不信感を抱く。
 今回の場合は何らかの騒動があったにもかかわらず、どういった問題が起きたのか、そしてどういった処分が行われたのかもはっきりしない。
 これでは口頭で「処分を行った」といっても、実際に行われたのかどうかすらも分からない。
 しかも、直接問いたださなければ処分が行われたこともわからなかったわけで、これでは今後同様のルール違反が起こってもクラブが責任を問われることになるでしょう。



 先日もTwitterで話しましたが、ジェフは秘密主義というか、事勿れ主義というか…。
 フロントは面倒な相手に、荒波を立てたくはないという考えなのでしょうか。
 あるいは、一部サポーターに抜けてほしくないということで、強く出られないということなのか。


 今回の騒動が起こった直後、真っ先に「選手から不適切な発言があった」とお詫びを発表したにもかかわらず、処分の発表はないということに強い違和感を覚えます。
 山中へのタオルマフラーの問題や開幕直後の居座りなどここ数年は毎年のように騒動が起きていますが、サポへの処分が甘い、処分を隠すというフロントの姿勢によって、サポを抑制できていない部分があるのではないでしょうか。
 先日話しましたが、サポの意見や態度によって監督の去就が変わる…という可能性も、本当にありえるのかもしれませんね。


 ようするに、フロントがサポーターをオーガナイズが出来ていない。
 それが大きな問題と言えるのかもしれません。
 このままでは、今後も同様の騒動が起こり続ける可能性があるのではないでしょうか。



 さて、京都戦の騒動はなんともスッキリとしない状況となってしまいましたが、ジェフは今週末フクアリで松本と対戦します。
 現在松本は自動昇格圏内の2位。
 しかし、3位C大阪とは勝点2差で、前節はホームで5位岡山を相手に岡山が退場者を出したにもかかわらず、試合終盤に同点に追いつかれ引き分けとなっています。
 ジェフ戦では、強い気持ちで勝ちに来るでしょう。


 今季の松本は昨年まで以上に、ショートパスを繋ごうという意識を高める方針で戦っています。
 ただ、軸としてあるのは前への激しいプレッシャーと、フィジカルを活かしたサッカーであることに変わりはないでしょう。
 開幕から1勝2敗3分と苦しんだのも、パスを繋いで崩す形に意識が行き過ぎていたからではないかと思います。



 その頃に比べるとパスを繋いで完全に崩すというよりは、状況に応じてパスワークも狙っていくサッカーに変わっているのではないかと思います。
 特にシーズン後半戦に入った頃からは、よりハイプレスをかけて戦う方向になっていった印象です。
 気候的にも走れる状況になったこと、ホームスタジアムの芝が悪化して、ボールを繋ぎにくくなったことなどか考えられるでしょうか。
 単純にパスワークで崩し切れないと判断したのか、初めからこういったチーム作りの予定であった可能性などもあるのかもしれませんが。


 そういった状況で、8月から出場機会が増えていったのがパウリーニョです。
 パウリーニョは今季ジェフから湘南にレンタルしていたものの5月に入ってから出場機会を失い、6月から松本に再レンタルしていました。
 松本でも当初は出場機会がなかったものの、ここ最近はスタメンでプレーしています。
 ここ2試合はスタメン復帰していますが、パウリーニョの起用で外されていたのがパサータイプの宮阪だったことからも、よりフィジカルを重視する方向に舵を取り直しているのではないかとも思います。



 ジェフ在籍時と同様にパワフルなプレーを見せているパウリーニョですが、前に潰しに行ってポジションに穴をあけてしまう癖も変わっていません。
 しかし、昨年開幕時のジェフがそうだったように、チーム全体で激しいハイプレスをかけることによって、パウリーニョが空けた穴にパスを通される前に潰し切る。
 これによって、現在の松本ではパウリーニョの穴を簡単には突かれない状況となっているように思います。


 昨年のジェフも当初はそれが出来ていましたが、1ヶ月ほど経ったところでスタミナが持たなくなってしまった。
 特に谷澤や中村は、あのサッカーをするには適したタイプではなかった。
 しかし、松本はもともと運動量豊富に走って球際に強いサッカーをベースとしているだけに、それを実行できているところがあるのでしょう。



 ただし、パウリーニョはジェフ戦では契約上出場できない上に、岡山戦ではボールを投げて遅延行為を受け累積で出場停止。
 ペチュニクが代表招聘時に出場停止になった時のことも、思い出されますね。
 対戦したかった気持ちもありますので残念ですが、そこは仕方がないところだと思います。


 一方で元ジェフの工藤は絶好調で、ここ3試合で4ゴールを決めています。
 もともと前への動き出しが得意で、テクニックもある選手なので今の松本にはフィットしているのではないでしょうか。
 工藤がのびのびとプレーしている姿を見るのは嬉しくもありますが、ちょっと複雑な気持ちもあります。


 工藤も良い選手ながら、ジェフ時代にはラストプレーの質に苦しんだ選手。
 その工藤が松本で今季これまで自身初の二桁得点を上げているわけですが、これはどこか今季の町田にも近いものを感じますね。
 前節欠場した町田はBLOGOLAによると全体練習に復帰したということで、無理はしてほしくないですが工藤対町田も実現すれば楽しみです。



 ジェフに関しては昨日も言ったようにここ2試合、勝ちに行こうとした結果、前に出ていく意識が強すぎてバランスを崩しているところがある印象です。
 長谷部監督就任当初の気持ちに帰って、まずは丁寧な守備を取り戻す意識が必要なのかもしれません。
 群馬、京都と連敗した後ですしプレーオフも大きく遠ざかった今だからこそ、焦らずにやれることをやることからスタートすべきではないでしょうか。


 ただ、守備に回って押し込まれ過ぎないこと。
 そして、何よりも相手のハイプレスに翻弄されないことが大事なのかもしれません。
 長谷部監督になってから相手のハイプレスに苦しむ試合が多いですから、いかに相手のハイプレス対策を作り上げるかが重要となってくるのではないでしょうか。



 ハイプレスに対しては1列飛ばして薄いエリアを狙う作戦が一般的かもしれませんが、押し込まれた状況で長いボールを蹴るだけでは相手DFも対応しやすい。
 長いボールを使いつつも、後方でパスを散らして相手のプレスを避ける形が出来れば理想的ではないかと思います。
 どこかのポイントでタメを作る、落ち着ける場所を作る必要もあるのかもしれません。


 ただ、ここまでのビルドアップを見ると、急にパスを散らして相手を揺さぶるようなことが出来るとも思いません。
 状況に応じてセーフティに対応しなければいけない時もあるでしょう。
 簡単なことではないと思いますが、長短のボールを使い分けて賢く冷静に試合を進めていく必要があるのではないでしょうか。



 ジェフの残り試合を確認すると、松本を含めてC大阪、札幌など上位3チームとの対戦が残されています。
 それだけ厳しい日程とも言えますが、強い相手と対戦できるのは自分たちの力を試すチャンスとも言えるでしょう。
 また、相手が上位チームということで、チャレンジャー精神を持って戦うこともできるかもしれません。


 あの試合の後だけに、ジェフとしては粘り強く戦う必要があると思います。
 ここからもう1度、長谷部監督就任時の頃のようにチーム状況を整理して、立て直すことが出来るか。
 来年以降に向けて、上位相手でも戦えることを証明できるのか。
 残り試合で見せてほしいところだと思います。