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サイド攻撃は不発も指宿の個人技で引き分け

 この日は前半からサイド攻撃を中心に攻め込むジェフ。
 しかし、良い形でクロスが上がったり、完全に相手を崩してシュートを打ったりという場面は少なかったと思います。
 以前から話している通り、サイドから攻撃をしても、サイドの大外を取るだけでは、チャンスにはなりづらい。
 結局、指宿の個人技で何とか引き分けに持ち込んだ試合だったと思います。
■サイドから攻め込むも苦戦
 ジェフは町田、ラリベイが控えに回り、高橋と指宿がスタメン。
 ベンチには菅嶋がサリーナスが外れました。


 岡本、佐藤、三鬼などが負傷中の熊本は、この試合でも大幅にメンバーを代えてきました。
 FWグスタボ、左SH林、右SH齋藤、中盤に村上、左CB片山、CB園田がスタメンに復帰。
 この試合でも、巻はスタメンでキャプテンを任されました。



 立ち上りは、熊本がアグレッシブに前に出てきました。
 巻とグスタボのうち、片方がCBを追い、片方が下がって熊谷を見る形で中央を守る。
 そして、ジェフのSBがボールを持ったら、SHが激しく潰しにいく。


 前からの守備がハッキリしていることで、後方も強くいくことが出来る。
 そこからボールを奪って、2トップにあてスピードのある齋藤などを走らせる。
 序盤のジェフは熊本の守備に苦しみ、大外からのクロスがメインとなっていました。



 19分にはジェフの攻撃。
 左サイドからパスを繋いで、清武が思い切ってミドルシュート
 しかし、GK野村が弾き出します。


 その直後、ジェフのチャンス。
 右サイドからのCKのこぼれ球を、ファーで指宿が拾って強引にドリブル突破。
 2人をかわしてシュートまで持ち込みますが、GK野村がセーブ。



 20分あたりから、押し込む時間が増えていったジェフ。
 24分にも右サイドからのCK。
 清武が蹴ると、キムが頭で合わせますが、枠の外。


 28分、ジェフの攻撃。
 右サイドの真希がクロスを上げ、こぼれたところを高橋が拾ってミドルシュート
 これが指宿の足元に渡って、ヒールでシュートを狙いますがGK野村がキャッチ。



 31分には熊本の攻撃。
 左サイドのスローインから、巻が落として片山がセンタリング。
 セットプレーの後で残っていた園田がファーで折り返して、こぼれたところを村上がミドルシュート
 これはGK優也の正面でしたが、このプレーからジェフの勢いが落ちていき流れが変わっていきました。


 39分、熊本の攻撃。
 右サイドからのCKを片山が蹴ると、ファーでフリーになった齋藤がヘディングシュート。
 しかし、ゴール前でジェフの選手が何とかクリア。


 44分には熊本の決定機。
 熊本の後方からのクリアボールを、グスタボが近藤と岡野に挟まれながら競り勝ちシュート。
 強烈なシュートでしたが、GK優也が触ってバー直撃に終わります。
 20分から30分まではジェフの流れでしたが、その後は熊本も巻き返し前半を終えます。
■先に失点するも指宿の一発で引き分け
 ジェフは後半開始と同時に、アランダに代えて町田、船山に代えて菅嶋を投入。
 47分、相手のミスからジェフのチャンス。
 清武が左サイドで相手をかわしたところから、素早く中央へ長い距離のアーリークロス
 これをGK野村がファンブルし指宿にボールが渡りますが、シュートは片山がカバー。



 後半からジェフが、ギアを上げていきましたが49分。
 中盤から出たボールから、グスタボが裏を取ります。
 そのままグスタボがフリーで持ち上がり、GK優也の股の間を通すゴール。


 グスタボはオフサイドエリアにいましたが、中盤からのボールは清武がクリアによるものでバックパスという判定でした。
 スローVTRを見ても確かにボールを蹴っていますので、バックパスで間違いないでしょう。
 副審は旗を上げていましたが、主審が笛を吹いていない以上、正しいのは主審の判定ですから、選手はそちらで判断しなければいけない状況でした。



 1点を返したいジェフですが、55分頃から運動量が落ちていってしまいました。
 68分には、左サイドでキムが1人を抜いてセンタリング。
 菅嶋がヘディングシュートを放ちますが、枠の外。


 58分、熊本は巻を下げてアンを、63分には片山に代えて光永を投入。
 67分、ジェフは山本に代えてラリベイを投入。
 キムを含む3バックにして、右WBに菅嶋、左WBに清武となりました。



 70分、ジェフの攻撃。
 キムからのアーリークロスを、ラリベイがヘディングシュート。
 しかし、シュートは枠の外。


 その直後、熊本の決定機。
 カウンターから林がグスタボに繋ぐと、グスタボは裏へのスルーパス
 林が完全に抜け出しシュートを放ちますが、バーの左隅をかすめてゴールならず。



 74分、熊本は齋藤に代えて上村を投入。
 光永をCB、上原を左SBを置いた5-3-2に。
 ジェフがパワープレー気味に攻めるのに対し、後方に人数を集めていきました。


 ボールは握るも、チャンスが作れないジェフでしたが82分。
 町田からのパスをゴールを背を向けて受けた指宿が、強引に反転してシュート。
 これが決まって同点となります。
 そこからは熊本の足が止まり、何とか守る熊本、攻めるジェフといった展開。
 しかし、決定的なチャンスは作れず、1-1の引き分けに終わりました。
■指宿の個人技が大きな武器に
 まず、失点に関しては、セルフジャッジしてしまったことが大きかったと思います。
 これまでにもオフサイドかどうか際どい場面で、選手たちが自分たちで判断してプレーしてしまうことが多いことが気になっていました。
 しかし、ハイラインをしいている以上は、どうしても紙一重な場面は出てくる。


 そこで最後まで走らない、勝手に判断してプレーをやめてしまうということが続けば、いつかはこういった場面も出てくるだろうと思っていました。
 今後同じような状況になった時に、選手たちがどういった動きをするのか。
 これを機にセルフジャッジをやめて、笛が鳴るまでしっかりプレーを続けるように変わるのかどうかが、気になるところです。



 攻撃においては、冒頭で話したように、サイド攻撃が多かった。
 これまでのジェフもサイド攻撃が多く、クロスやCKの回数が増えています。
 しかし、例えサイドの高い位置を取っても、そこがタッチライン際の大外ではチャンスは作りにくいと思います。


 特に遅攻時はサイドを取るにしてもその場所が重要で、大外だとゴール前への距離が長いので精度も下がるし、相手もクロスに対応する時間が出来てしまう。
 また、完全に抜ききれていない場合も多いので、クロスの選択肢も少ない。
 このあたりが、クロスが多い割に、チャンスが作れていない要因だと思います。



 だから、2度目の日本代表監督に就任した岡田監督は、サイドを取った後にPA脇を狙うという作戦を打ち出しました。
 高さがない日本代表は、単純に外からクロスを上げただけではゴールに繋がらない。
 よって、サイドからさらに中を取ってよりゴールに近いところを起点とし角度もつけ、そこからゴールを狙おうという発想でした。


 もちろんその狙いが絶対というわけではないですが、それだけ"ただサイドの大外を取ってクロスを上げる"というだけでは、ゴールはなかなか近づかないということだと思います。
 そこから、さらにどういった変化を付けるのか。
 あるいは、中央も使ってチャンスを作れるかどうか。



 ジェフは開幕からのサイド攻撃に手詰まり感があったので、ここ数試合は中央からの攻撃もあえて狙っているのかなと思っていました。
 しかし、この試合では高橋をサイドに流して、またサイド攻撃を明確に狙っていった印象でしたね。
 相手のスカウティングもあったのか、中央に正確なポストプレーをこなせるラリベイがいなかったからか、それとももう一度サイドからの攻撃にチャレンジしていこうという発想だったのでしょうか。


 しかし、結局クロスから良い形でのシュートは少なかったと思います。
 チャンスは、こぼれ球を拾ってのミドルシュートやCKからの攻撃が多かった。
 これを踏まえて今後、どのように攻撃を改善していくのか…。



 ただ、指宿の個人技は、J2ではやはり大きな武器になりそうです。
 その分ラリベイのポストプレーなどは、捨てざるを得ないかもしれません。
 しかし、ここまでを見る限り、エスナイデル監督は緻密な攻撃を作れるタイプではないように思います。


 それだけに、指宿に頼った攻撃を作る方向に割り切った方が現実的かもしれませんね。
 もちろん1人に頼るサッカーだと、指宿不在時などには不安も生じます。
 しかし、幸いにもCFにはラリベイもいるわけで、タイプは異なるもののある程度の穴は埋められるかもしれない。


 何よりも他に明確な打開策を感じないだけに、背に腹はかえらないかなと。
 これから指宿を攻撃の中心にしていくのであれば、今後はどのように指宿を活かしていくのかがポイントとなっていくのかもしれません。