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岐阜戦で乾が豪快なヘディングシュートを決める

 岐阜戦の先制ゴールは、乾のヘディングでのゴールでした。
 これが乾にとってプロ入り2ゴール目で、5月27日の愛媛戦に続く得点となります。
 右サイドで得たCKを清武が蹴り乾が頭で合わせた形で、完全にフリーな状況でしたが豪快なヘディングシュートでしたね。


 今季のジェフはサイドからの攻撃が多くなっているため、開幕当初からCKが多い印象です。
 しかし、CKを得ても得点に結びつく回数が少なかった。
 さまざまな理由があるとは思うのですが、サイズの小さな選手が多くターゲットが少ないことが理由の1つではないかと思っていました。



 ここまで長身でヘディングの強い選手は、CFとCBの2,3枚程度でした。
 中盤やアタッカーに小さな選手が並んでいるので、セットプレーを得ても迫力が足りないことが多かった印象です。
 しかし、ここにサイドでプレーする187cmの乾が加われば貴重なターゲットが増えることになりますし、清武をキッカーに専念させやすいというメリットもあるのではないでしょうか。


 昔の話になってしまいますが、オシム監督もセットプレーでは身長の高いが多いことが重要で、特にターゲットの枚数が大事であるという考え方だったのではないか思います。
 当時もジェフは身長の低い選手が多かったので、セットプレーで失点しては嘆いていたことがありました。
 現在のジェフも欲を言えばもう1,2枚身長の高い選手が欲しいところかもしれませんが、そればかりを優先することも出来ないだけに悩ましいところですね。



 岐阜戦での乾は得点だけでなく、仕掛けの面でも活躍。
 先制点の直前にも町田からのボールを受けて縦に仕掛けて惜しいシーンを作りましたし、アランダの得点をアシストしたピンポイントクロスも見事でした。
 昨年も言いましたが、乾のクロスは鋭く曲がるので、相手にとって対応しづらいボールになるのだろうと思います。


 岐阜戦では見事な活躍を見せ今後への可能性も感じた乾ですが、水戸戦はかなり苦戦した試合だったと思います。
 先日も話した水戸のプレスにおいて、相手の狙いどころとなっていた印象です。
 乾は守備だけでなく、ビルドアップ時の動きが課題となっているように感じます。



 足元の技術はある乾ですが、ビルドアップの時に細かく動いで相手との距離をとったり、素早く叩いてプレスを回避するという動きはあまり出来ていない。
 それもあってか低い位置で複数に囲まれてもドリブルで打開しようとする場面が目立ち、そこでビルドアップの流れが止まってしまうことも珍しくないと思います。
 水戸はそれもわかって乾に持たせたところで囲いにいくプレスを実施し、そこからボールを奪って右サイドを仕掛け、試合を優位に進めていったところがありました。


 岐阜戦では相手のプレスがほとんどなく、ロングボールでも打開できてしまったので、後方での細かなビルドアップが求められなかった。
 乾も前向きにプレーすることが多かったため、持ち味を出しやすかったという面が大きいと思います。
 しかし、毎試合行はならないでしょうから、岐阜戦での活躍は参考にしにくいところがあるのではないでしょうか。



 岐阜戦後半ではキムがSBにまわり乾がウイングに入った4-3-3となりましたが、乾とキムを同時に使うのであればあの方が良いのではないかと思います。
 キムもCBとしては攻守に不安が残りますし、乾がウイングに入ってゴール前に飛び込めれば1トップの薄さも解消されるかもしれない。
 ただ、乾の良さを出すには前を向いてプレーすることが重要だと思うのですが、高い位置のポジションの方が前を向きにくいというところもあるわけで、ウイングでプレーするならうまくボールを引き出し工夫して前を向けるかどうかが問題となってくるでしょう。


 ビルドアップや守備に課題があるものの、前を向けば強さが出せる…という意味では、タイプは異なるものの右の北爪にも同じようなことが言えるのではないでしょうか。
 北爪もこの試合では2ゴール目をアシストするなど、何度か縦に走って良いクロスをあげていました。
 北爪の場合は足元の技術はないものの、アップダウンできて前に鋭く飛び込めるのが武器だと思います。



 だから、昨年終盤は長谷部監督代行の下、SBではなくSHでの途中出場が増えていたのでしょう。
 スピードもあるのでスーパーサブとして計算され、活躍できていたところがあったと思います。
 ただ、ビルドアップや守備面のことを考えると、SBとしては起用しづらかった。


 そのため今季も途中から外されていたのではないかと思いますし、岐阜戦でも本来は真希を使いたかったのかもしれない。
 しかし、真希はベンチ外だったので、北爪と乾を使うなら3バックにして2人はWBとして起用し、CB3枚からビルドアップをした方が良い…という判断だったのかもしれません。
 実際には細かなビルドアップが必要ない試合展開となったので、後半からは守備も考え4バックになったということかなと思います。



 乾などが戦力として一本立ちすれば将来も楽しみであるとは思うのですが、まだまだ波が激しいのが現状です。
 それも出来ることと出来ないことの差がハッキリしているからこそだと思いますし、相手に弱点を突かれると課題が浮き彫りになってしまうところがある。
 岐阜戦では高橋、岡野といった若手も外れてしまいましたが、2人もまだまだ課題は多い状況です。


 チーム全体としての成長や戦術整備の向上は正直あまり感じない状況なだけに、若手選手たちの成長が非常に重要となってくるのではないかと思います。
 シーズン後半に、どれだけ彼らが活躍できるのか注目ですね。