今日はこの前(前節・岡山戦)よりもラインを低めに設定した。(中略)前から(プレスに)行かせるけど、後ろはそれに合わせてラインを少し上げるけれども、上げ過ぎず、(ボールが)入りそうだなと思ったら相手を前に見る形を取った。本当は行かないといけないが、裏をケアした。ダブルボランチだから(マークを)任せられるし、守備の面ではやりやすい。(Jリーグ)
いつも通り選手や監督のコメントは見ずにブログを書いて、「以前ほど極端なハイプレス・ハイラインではないと思う」と感想を述べたのですが、気のせいではなかったようです。
選手の意識としても、試合を見ての印象からしても、ラインは低めに戦っていたということになると思います。
近藤は松本対策という話もしていますが、今までも裏を狙ってくるチームは多かったわけで、他にも要因があったのではないでしょうか。
1つには夏以降、以前ほどハイプレスを継続することが出来なくなったということ。
気候によるコンディションの問題もあって、走力で相手を上回れる試合が減ってしまった。
さらに、相手チームもロングボールなどをうまく使って、ジェフのハイプレスを回避できるようになってきた。
ハイプレスを回避された状況で、ラインだけ上げても裏を取られる危険性が高まる。
それによってどんな状況でもハイラインを維持することを基本としてきたDFラインも、状況次第で下げる方向に徐々に変化していったのではないかと思います。
また、ハイプレス・ハイラインで相手を押し込み続ける展開が理想だと感じていたのですが、夏場以降はそういった展開の試合がほぼ出来なくなってしまった。
そうなってくると、当然相手に攻め込まれる時間帯も増えてくる。
攻め込まれる時間帯が増えればラインはその間押し込まれてしまうわけで、そこからラインを押し上げる労力なども必要となっていき、結果的に全体的なラインも低くなることが増えていっていったように思います。
変化がわかりやすく出ているのが、相手が後方で得たFK時の守り方ではないでしょうか。
シーズン前半のジェフなら相手後方でのFKでもハイラインを維持して守ることが多かった印象ですが、今はスッとラインを下げてことが多いと思います。
特に近藤が中心になって反応することが多い印象です。
相手後方でのFKということは、流れの中で相手後方の選手がフリーな状況でボールを持つのと近い状況と言えると思います。
要するにプレスがハマらない状況と同じで、その時にハイラインで守ってしまうと裏を取られる危険性が高まるため、その時はハイラインは諦めて守ると。
そういった変化が見られてきて、継続的なハイラインからも徐々に離れていったといえるのではないかと思います。
松本戦ではよりラインを低めに戦ったということなると思いますが、以前から徐々にその傾向は見えつつあったのではないかと私は思います。
そうなっていった背景には、やはり8月中旬以降プレスもハマらなくなって、なかなか勝てない試合が続き、どこかで修正が必要であるという経緯があったのではないでしょうか。
チームとしては徐々に変化していったところもあったとは思うのですが、結果的には必然性のあるものであったとも言えるのかもしれません。
極端なハイプレス・ハイラインを維持して、相手を押し込み続けるサッカーをシーズンを通して狙う…という方が無理があったと思いますし、決してチームにとって悪い変化ではないようにも思います。
もしかしたらエスナイデル監督の設計したサッカーから選手たちがある種の"卒業"をし、選手たちの意思で選手たちの戦いやすい状況にアジャストしつつあるのかなとも思います。
ただ、選手たちの戦いやすいサッカーが、勝てるサッカーになるとも限らないとは思いますが。
実際に松本戦でも中盤中央で綺麗に縦パスを繋がれて、そこから失点しています。
ラインを低く設定したということは以前より中盤のスペースが空いてしまう可能性が高くなるわけで、中盤の守備の整備などにはまだ課題もあると思います。
ハイプレス・ハイラインの維持は本来このチームの根底にあるものだと思いますし、そこから一部を修正したとなれば新たな課題が生まれる十分に可能性もあるのでしょうから、そこにどう対策を打てるのか…という状況になってくるかもしれません。