若狭の東京V移籍が発表となりました。
若狭は昨年ジェフに加入し、近藤や多々良など比較的構えて守る選手が多い中、ハードマーカーとして期待されていたのではないかと思います。
しかし、ミスが多いところが目立ち、初年度は20試合に出場に留まりました。
今年もシーズン序盤はスタメン出場する機会が多かったものの、徐々に出番が少なくなっていきます。
夏頃には再び途中出場の機会が増え、第31節の東京V戦、第32節群馬戦ではキムの負傷離脱もあってスタメン出場を果たしますが、翌戦からはベンチからも外されピタッと出番がなくなっていきました。
エスナイデル監督は本当にこういったパターンが多いですね。
結局、今季は12試合出場となりましたが、その多くはシーズン序盤で大久保はシーズン終盤に途中出場が多かったこと、多々良もシーズン終盤にベンチに入りが続いていたことを考えると、若狭の方が退団する可能性は高いのではないかと思っていました。
しかし、大久保は現役を引退、多々良は早期に契約満了。
そして、キムも退団が決定と3人もCBがいなくなったことから、若狭は残すという判断なのかなと思っていました。
若狭は05-06オフに行われた選手の大幅入れ替えでジェフに加入してくれた選手の1人ですが、これで大久保、多々良、アランダ、比嘉、小池、イなど、あの時加入した多くの選手が退団し残っている選手の方が少なくなりそうです。
それだけ今年の補強に成功して昨年は厳しい戦力だったということになるとは思うのですが、あの苦境の中でジェフに来てくれた選手たちの思いを考えると残念な気持ちも残ります。
これも結果的に、大幅入れ替えの反動の1つと言えるのかもしれません。
若狭の移籍先は東京Vとのことですが、今季の東京Vは井林と平が素晴らしいパフォーマンスを見せており、2人は契約更新が決まっています。
畠中と永田の去就はまだ発表になっていないはずですが、2人が残れば決して楽な相手ではないでしょう。
ただ、選手層は厚くないようにも思いますので、もう一皮むけて東京Vで活躍してほしいですね。
一方で、今季は柏から仙台にレンタルしていた、増嶋のジェフ移籍が決定的と報じられています。
ジェフとすれば、これが決まればようやく新卒以外で3人目の補強。
初めての後方選手獲得となります。
増嶋と言えば市船出身というイメージが強く、移籍が決まれば先輩の大久保が引退して入れ替わりとなります。
また、近藤とは柏でCBコンビを組んだ関係性ですね。
増嶋の仙台退団は以前から報じられていて、柏復帰もないだろうと思っていたので、もしかしたらジェフ加入もあるのかなとは思っていました。
増嶋は大久保の1つ下の年齢で、カレン・ロバートや鈴木修人、佐藤優也などと同年代。
この年の市船は選手権を制した前年以上に期待が高まり、高円宮杯では優勝し天皇杯では横浜FMと渡り合い、海外遠征なども積極的に行っていたはずです。
しかし、選手権では準々決勝でPK戦の末敗退し、あまりモチベーションが高くなかったのではないか…という噂も耳にしました。
それでも増嶋は高校年代のビッグスターで、この頃から早くも日本代表DF宮本の後継者と期待され、FC東京に鳴り物入りで加入。
しかし、プロ入り後は対人守備に弱いといった指摘を受け、思うように活躍できず。
華々しい高校時代から比較すると、苦しいプロ入りだったと思います。
ようやく芽が出始めたのが、京都に移籍したプロ入り5年目。
しかし、本職のCBは元ジェフで同期の水本に奪われ、右SBとしてのプレーが多い状況でした。
北京五輪への出場も水本と青山に敗れ、メンバー外となっています。
CBとして活躍したのは柏に移籍した2011年で、移籍直後にJ1優勝を果たします。
翌年もCBのレギュラーとしてプレーしますが、2013年には新潟から鈴木大輔が加入し左SBなどでのプレーが増えます。
2014年からは出場機会も減っていき、今年は仙台へレンタルとなりました。
出場機会を求める形で仙台に加入しましたが、出場試合は22試合とシーズンの約半数。
仙台のDFラインをリードしていたのが元ジェフの大岩で、大岩などの壁を越えきれなかったことになると思います。
ここに来て、大岩の存在感が大きく見えますね。
ジェフの近藤とは柏時代にCBコンビを組んでいましたが、あれから5年近くの月日が過ぎており、近藤は来年で35歳、増嶋も33歳。
当時は近藤が前に潰しに行って、増嶋がカバーする関係性になることが多かった印象です。
しかし、近藤もベテランになってカバー役に徹することが増えていますし、現在の近藤と増嶋ではスピードなどの面で不安も出てくるかもしれません。
そのため、相手を潰せるCBが欲しいのではと以前話したのですが、そこは外国人CBの補強などもあるのでしょうか。
増嶋は足元の技術も期待できる選手ですが、キムのようにロングボール一本でというタイプではないようにも思います。
どちらかと言えば大久保や多々良に代わる補強で、キムの代役は別の選手を考えることになるのかもしれません。
これでジェフは青木良太、阿部、大久保、佐藤優也、増嶋と、市船黄金期の守備陣が多数在籍したチームということになります。
あとは中澤聡太や石井、ジェフジュニアユース出身でもある小宮山も補強できれば、当時の有力DFはほぼ揃うような状況ではないでしょうか。
ある意味で一貫していると言えるのかもしれませんが、幅が狭いとも言えるのかもしれません。
今回の補強に限ったことではないですが、どうしても気になるのは年齢の問題で、近年のジェフはキム・ヒョヌンと大岩以外のCBを育てきれていないですね。
岡野も今年の起用法などを見ると、早期のレンタル移籍などもあり得るのでしょうか。
ベテランや即戦力を補強する方向でいくのであれば、ライフサイクル曲線で考えるとどうしてもピークが近く、伸び代は少ない状況となるわけですから、その分早期に結果を出せるかどうかという話になってくるはずですが…。
また、今のところCBが4人も抜けているわけで、人数の面での不安があると思います。
特に今年は守備面での問題が多かっただけに、後方の選手の補強で後手に回るとさらなる低迷となりえるかもしれません。
外国人CBの補強を考えているのであれば、その選手が当たるかどうかで来シーズンが大きく左右するのかもしれませんね。