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新井「主導権を握り相手を攻略しよう」

 さて、いろいろな情報が飛び交っていますが、順序を考えつつ1つ1つ取り上げていきたいと思います。
 最終節の後というのは、選手がシーズンの総括的なコメントをするので、気になる話がたくさん出ています。

 そのため、来週までは栃木戦前後の話をしたい…と予定を立てているのですが、オフは突発的に大きなニュースが出ることもあります。
 その都度、予定が変わるかもしれません。
 ブログを書く身としてはこの時期の方が意外と忙しかったりするのですが、年末年始は他でも立て込みそうですので、マイペースに行きたいと思っています。


 さて、栃木戦に関して、新井が「主導権を握って相手を攻略しようという試合になった」と試合後に話しています
 その前に「勝ちたいという気持ちが強かったから」と話していますが、それはどの試合でも大きくは変わらないところではないでしょうか。
 その後の「最近は守備意識が強く失点が減っていたが、攻撃では物足りなさがあった」という趣旨の話の方が、理由としては理解できるようにも感じます。

 ただ、現実的に考えれば、一番の原因は相手チームのスタイルではないでしょうか。
 東京V戦、京都戦と過去2試合は相手がパスサッカーだったから、向こうがボールを持つ時間が長くなった。
 けれども、栃木は引き気味に守って縦に蹴り込むサッカーだったから、どうしてもジェフがボールを持つ時間が長くなり、「相手を攻略」することを考えなければいけない試合になったということではないかと思います。


 しかし、「主導権を握る」と新井は言っていますが、はたしてあの試合において主導権を握っていたのはどちらなのでしょう。
 栃木は"相手にボールを持たれる"のではなく、"相手にボールを持たせる"サッカーを意図的に実行して、カウンターを展開し攻撃を作っていた。
 ジェフの方はボールを持ってはいましたが、チャンスは作れなかったですし、総合的に見れば栃木の狙い通りに進んでいった試合だったと言って過言ではないと思います。

 「主導権を握る」という言い回しは、現在のジェフにとってキーワードになっていたはずです。
 高橋GMエスナイデル監督体制時代から「主導権を握る」スタイルを目指すと幾度となく話しており、江尻監督体制になってもそれを継続することを求めました。
 前田社長もニュアンスは違いますが、「主役になる」という言葉を何度か使っており、同じような発想があるのかもしれません。


 では、「主導権を握る」とは具体的に何なのかという話はブログでも何度か指摘していましたが、江尻監督就任会見時にも高橋GM話していたように、基本的には攻守に積極的に仕掛けるスタイルであると。
 あるいは、自分たちがボールを持って、攻めていくサッカーであるということ。
 一般的に言うところのいわゆる攻撃的なサッカーを展開することを、「主導権を握る」スタイルであると考えているように思えます。

 ただ、実際には今季最終節でもそうであったように、エスナイデル監督時代から相手が守備的に戦うと"ボールを持たされる"状況になることが多かった。
 それによって、ジェフは相手ゴール前まで攻め込むことが出来ず、結果的に相手のゲームプランにはまることが多かった。
 そうなると、どちらが試合の主導権を握っているのか、わからなくなることが多々ありました。


 ならば、守備的に戦えばいいのではないか。
 守りを固めてカウンターで速い攻撃を仕掛けた方が効果的なのではないかという意見が、一時はネット上でやたらと多く聞かれました。
 しかし、栃木のように相手も引いてくれば、どちらかはボールを持たなければいけないわけで、そこからの攻略パターンも必要になってくるはずです。

 だから、問題なのはボールを持つことではなく、ボールを持った後にどう戦うのか。
 そこにこだわりや工夫を持ったチーム作りを、できるかどうかなのではないでしょうか。
 あるいは、「主導権を握る」、「主役になる」の捉え方が、明確にできているのかどうかといった問題。


 ボールを持つことだけ考えるのであれば、後方に人数をかけて横パスを回し続けていれば、ボール支配率は上がっていくでしょう。
 しかし、試合に勝つため、ゴールを奪うためにサッカーをするのであれば、大事なのはそこから先のクオリティであるはず。
 けれども、エスナイデル監督からのジェフは、ボールを持ってからの質が一向に上がらなかったため、ボールは支配しても相手の術中にはまって勝点を伸ばせなかった印象が強く残ります。

 結局のところ、「主導権を握る」スタイルの定義が曖昧だったのではないか。
 ボールを持てればそれでいいのか、アグレッシブならばそれでいいのか。
 監督もGMも描いているものがぼやけていて、何のためにサッカーをするのか、どうやって勝つのかといった根本的な部分に対する意識が甘すぎたのではないかとも思います。


 ユン・ジョンファン監督が指揮をとれば、守備的なサッカーになるかもしれません。
 しかし、そうであっても、栃木のように徹底して堅守を構築し、カウンターを狙ってくる相手はいるかもしれない。
 そうなればどちらがボールを持つのかは力関係で決まるところがあると思いますし、ジェフがボールを持って引いた相手を崩す必要も出てくる可能性があります。

 ようするに、守備的なサッカーに転換したからといって、課題は変わらないかもしれないということ。
 だからこそ、改めて今のジェフに何が足りなかったのか、どこの意識が欠けていたのか。
 そして、ここから何が必要なのかを徹底的に分析した上で、次のチームにバトンを渡さなければいけないのではないかと私は思います。