大幅に入れ替わった徳島と井出も途中出場した東京V

 さて、長過ぎて飽きられていた感もあった開幕戦シリーズも、これが最終戦です。
 J2は5月からの再開を目指しているわけですが、ジェフは5月2日(土)に水戸と、5月6日(水)に徳島と対戦することになります。
 情勢からしてさらに延期となる覚悟はしていますが、今日は再開後2戦目に戦う予定の徳島と東京Vとの開幕戦をチェックしていきます。

 徳島はリカルド・ロドリゲス監督体制継続となりましたが、GK梶川、バイス内田裕斗、野村、杉本といった主力選手が退団。
 開幕戦では守備時には4-4-2、攻撃時には右SB藤田が右WBに上がって、右SH杉森とFW西谷和希がシャドーに回る3-4-3の可変システムを実施。
 GK上福元、CBドゥシャン、ボランチに梶川、左SH浜下、右SH杉森、FW西谷和希、垣田と、新加入の選手がずらっと並びました。

 昨年途中に就任した永井監督が続投した東京Vは、GK上福元、梶川、内田、李などが退団。
 こちらも流動的ですが、基本は4-3-3でCBには古巣に復帰した高橋祥平と昨年飛び級でトップ昇格し22試合に出場した山本、左インサイドにもユース出身の新人・藤田譲瑠チマ、右ウイングに大久保が入りました。
 元ジェフの小池は左ウイングで先発、井出、若狭もベンチに入っています。

■カウンターから徳島がリード

 試合は東京Vがボールを持って、徳島が少し引いてカウンターを狙う展開。
 しかし、先にチャンスを作ったのは徳島で、7分に中盤でボールを奪ったところから、左サイド裏で西谷がパスを受けて、中央の杉森がシュートを放ちますが、ゴールの右を逸れます。
 その直後にも、岩尾が左サイド前方へ大きく展開し、浜下が受けてクロスを上げ、西谷がフリーでヘディングシュートを放ちますがオフサイド


 12分には東京Vの藤田からロングパスを大久保が落として、レアンドロが受けて再び大久保へ。
 大久保がシュートを放ちますが、GK上福元がセーブ。
 その直後にもレアンドロが左サイドでクロスを上げ、クレビーニョがフリーで頭で合わせますが、GK上福元がビッグセーブ。

 東京Vは2CBに加えて、右SB澤井が少し下がってビルドアップ。
 攻撃時はレアンドロ、小池、大久保が前線に並びますが、守備時は小池が下がり気味になり、左インサイドの藤田が上がり気味になる4-3-3でした。
 前からのプレスも積極的で、引いて守る徳島を徐々に押し込んでいきます。


 しかし、東京Vも崩しきれずシュートまで持ち込めない時間が続くと、32分に徳島が先制。
 高い位置で杉森がボールを奪うと、そのまま持ち上がり、垣田がシュート。
 これはGK柴崎がセーブしますが、こぼれたところを西谷が詰めてゴール。

 35分にも東京VのGK柴崎が左SB奈良輪に繋ごうとしますが、西谷がプレスをかけるとパスミス
 カットした杉森が仕掛け、最後は西谷が決めて2-0。
 その直後にも垣田のポストプレーから岩尾が左に展開し、浜下がシュートを放ちますが右にそれます。
 

 40分には、中盤後方に下がった大久保からレアンドロに縦パス。
 落としたところをクレビーニョが狙いますが、GK上福元がセーブ。
 前半途中から、大久保が中に入ってインサイドのクレビーニョが外に出ていました。

 前半ATには徳島の梶川が中盤で相手のパスを読んでカットし、垣田が裏に走ります。
 GKと一対一になりますが、ここは柴崎の正面。
 このプレーで前半を終えます。

■西谷のハットトリックで徳島の勝利

 2点を追う東京VはHTで澤井を下げて河野を投入し、河野が右ウイングに入りクレビーニョがSBに下がりました。
 しかし、後半開始直後、徳島のパスワークから西谷が抜け出し、走り込んできた藤田がクロス。
 浜下がボレーで合わせますが、枠の外。

 47分にも徳島のCKからこぼれた球を西谷が狙い、岩尾がヒールで軌道を変えますがGK柴崎がキャッチ。
 その直後にも山本のパスミスから、浜下が裏へ飛び出します。
 浜下は山本をいなし独走しますが、奈良輪が戻ってブロック。


 その後も徳島のCKから岩尾が狙って枠外など、徳島の猛攻が続きます。
 劣勢の東京Vは50分頃から奈良輪を下げて3バックにし、クレビーニョを前に出しましたが、逆にスペースが出来てカウンターを受ける機会が増えました。
 そして、54分、東京VのCKからカウンターで垣田が縦に送ると、西谷が裏を取ってゴールを決めハットトリック達成。

 63分にも垣田の守備から、西谷と浜下が絡んでクロスを上げ、最後は藤田がシュートを放ちますが、GK柴崎がセーブ。
 後半に入ってから、徳島の一方的な展開。
 東京Vは運動量も落ち、局面での寄せも甘くなってしまいました。


 70分、奈良輪に代わって井出が投入されると4バックに戻し、井出は左SB、右SBにはクレビーニョが下がりました。
 しかし、その直後の徳島のCK、途中投入の清武がショートコーナーから鋭いクロスを上げると、福岡がフリーで合わせますがGK柴崎がファインセーブ。
 続いて、逆サイドからのCKも清武が蹴ると、ニアに合わせてゴール前で混戦状態になりますが、最後はGK柴崎がキャッチ。

 79分には東京Vが中盤右で得たFKを、クレビーニョが直接狙いますが、GK上福元がセーブ。
 その直後には徳島の藤田のクロスから、途中投入の榎本がシュートを放ちますが、GK柴崎がセーブ。
 こぼれ球も徳島が拾って、最後は清武がシュートを放ちますが、枠の外。

 苦しい東京Vですが、88分には途中投入の右SB山下が思い切って仕掛けてクロス。
 しかし、小池のシュートも大きく外れてしまいます。
 その後も東京Vにチャンスは生まれず、3-0で徳島が勝利しました。

■パスを繋ぐ目的の明確化

 パスサッカー同士の戦いとして注目された一戦ですが、開幕戦では大きな差が出てしまいました。
 徳島と東京Vではパスを繋ぐ目的が、大きく違っているのかなと思います。 

 例えば徳島はGKの近くに味方を集めて短くつなぐかと思いきや、ロングフィードを前線に蹴り込む場面がありました。
 上福元のキック力と垣田の高さがあるからこそできることではあるのでしょうが、これによって相手をGK付近に引き付ける。
 そうして、空いた前方のスペースを使おうという発想ではないでしょうか。


 徳島の選手は常に裏を狙う動きをしていましたし、徳島はいかにスペースを作り、スペースを取るためのパスワークを狙っている印象です。
 一方の東京Vは、主に相手の隙間を取ろうという意識が強いように思えます。
 しかし、相手の間を取った後に、どう攻めるのかが見えてこなかった。

 これは昨年のジェフ戦でも同様の印象を感じて、SBが中に入る偽SBや2バックでのパス回しなど、東京Vは様々なことを試していました。
 しかし、最終的にどうやってゴールに向かうのかは見えてこなかった。
 徳島戦でもシステムや配置は頻繁に変えていましたが、それによって何をしたいのかははっきりとしなかった印象です。


 リカルド・ロドリゲス監督も2年目までは同様に、パスは繋いで裏を取る意識はあったものの、実験室のように頻繁に動いて軸が定まらなかったところがあったと思います。
 しかし、昨年の飛躍もあって、監督自身が自信を付けたところがあるのではないでしょうか。
 そのためメンバーが大きく変わっても、ぶれないチームが出来たのかなとも思います。

 東京Vも今後変わる可能性はあるのでしょうが、少なくとも昨年終盤から開幕戦にかけては課題の方が目立っている。
 ただ、今年は吉武コーチが加入したので、それによって徐々に変化が生まれるか。
 考えてみれば、吉武監督が指揮を執ったU-17日本代表にも似たようなサッカーをしているとも言えるわけで、それがどうプラスに働くのか注目ですね。

 徳島も素晴らしいスタートを切りましたが、守備では前半にクレビーニョをぽっかりと開けてヘディングシュートを放たれています。
 開幕戦ではゴール前で守る機会も少なかったので問題は起きませんでしたが、課題でもある守備面を強固にできるのか。
 そこが上位進出において、重要となってくるのではないでしょうか。