最近ではサッカーの情報に関しても、Youtubeなどの動画で得る人が増えているようです。
活字離れというかテキストを読むよりも動画で済ませる時代となってきているそうですから、ブログ文化ももう風前の灯火と言えるのかもしれませんね。
それだけ動画の供給が増えているともいえ、JリーグのOBがYoutuberになったり、当然のようにサッカー関係者が動画に出ている状況となっています。
オシム監督関連でも、Youtubeでいくつか面白い話を聞くことが出来ました。
まずは水内猛のYotubeチャンネルに勇人が出演し、オシム監督のことなどを話しています。
【ぎりぎりトーク】元ジェフユナイテッド市原・千葉のレジェンド、佐藤勇人さんがオシム時代を語る
勇人がオシム監督に「俺はこう思う」というとたくさんの意見が返って来て、「こういう風に考えるんだ」と思ったことがあるという話は面白かったですね。
これがオシム監督が良くいっていた、アイディアを選手に持たせるためには、指導者がアイディアを持たなければいけないという話の実例なのでしょう。
そこでいろんなアイディアを言い返せなければ、選手は監督を舐めてかかってしまうし、納得させることも出来なくなってしまう。
また、過去に聞いたことがありますが、起用しなかったベテラン選手からも文句が出なかったという話も有名ですね。
オシム監督の意向で試合に出られないベテラン選手は解雇することで、選手の選択肢を増やしてあげていたという話も。
これは望月などがそうだったのかなと思うのですが、今のジェフではそういたことが出来ていない印象もあります。
また、これも以前に出てきた話ですが、選手の表情などを常に観察していて、プライベートに問題がある選手も見抜いていたと。
それだけ視野が広く洞察力も高く、それが指導力とも言えて、カリスマ性にも繋がっていたのではないでしょうか。
若く苦労する監督などは、自分やチームのことだけで一杯一杯になることもある印象ですが、オシム監督は様々な観点で個々の選手やチーム全体を見守っていたのでしょうね。
上記の動画に関しては、今までに出てきた話の復習となるものが多かった印象です。
ただ、実際にその時にプレーしていた選手が話していると、生のエピソードも聞けますし説得力が違いますね。
そこが動画の良いところでもあるのでしょう。
個人的には、それ以上に中島浩司の話が面白かったです。
こちらも水内猛のYotubeチャンネルにて。
オシムさんは凄かった!?ジェフ市原・千葉、サンフレッチェ広島で活躍した中島浩司さんが話す(前半)
オシム監督自身はしっかりやれと言わずとも空気感があった上に、アイディアもある。
「指導者として究極の形」と中島が分析しています。
また、「中島は速いプレーヤーではないけど、早くプレーはできる」という話は、とても面白かったですね。
足が速くなくても、ボールコントロール、プレーの予測、アイディアなどを持つことで早くプレーすることは可能であり、そこからでも成長できると。
オシム監督らしい話ですが、こちらも実際に聞くとそうやって選手は受け止めていたんだと思いますね。
中島はあのオシム監督が、「サッカーを知っている選手」と評価していた選手。
決してスピードがあるわけでもなく、運動量が豊富だったわけでもないと思いますが、賢くパスを回せて賢くプレーすることが出来る選手でした。
選手時代は性格もプレー内容も飄々としていた印象が強いですが、その後解説者としてしっかりと話せているのを見ても、やはり頭の良い選手だったのだろうなと思います。
こういった選手が、走れるチームの中でも必要であるとオシム監督は考えていたのでしょう。
「頭を使って走れ」とも言っていましたし、選手たちにクレバーなプレーを求めた監督でもあったと思います。
この辺りも、今のジェフには欠けているところではないかなと感じます。
オシム監督に関して勇人も中島も言っているのは、ハードな練習やアイディアなど指導力の面はもちろんですが、ピッチ外も含めてしっかり選手を見ていたということ。
良い指導者になるためにはサッカーの部分だけではなく、人間として選手に対し常に気を配りながら、指導していかなければいけないのかもしれません。
サッカーに関する知識を詰め込むだけではダメだし、最終的には監督自身の人間性というものが強く問われるのかもしれません。
最後に、今やYoutubeとして有名な那須のチャンネルに、ペトロヴィッチ監督が出演していたのでご紹介します。
まさか那須がこうなるとは思ってもいませんでしたが、確かに経験豊富な日本人選手がゲストなどを交えてどんどん動画をアップしていくというスタイルは需要がありそうですね。
編集なども含めて、バックに優秀な人もついているのかなとも思いますが。
この動画でペロヴィッチ監督が影響を受けた監督の1人として、オシム監督を上げています。
【オシム監督から多くを学んだ】ミシャ監督の超攻撃的サッカーの源流とは。
オシム監督は常にヴィジョンを持っていて、サッカーの方向性に関して2年後、3年後を考えていたと。
だから、トレンドをいち早く取り入れることが出来たとのこと。
また、オシム監督は「走れ、走れ」とよく話していた上で、「ただ走るだけでなく考えて走らなければいけない」、「相手にとっていかに危険な走りができるか」が重要であるかを教えてくれたとも話しています。
この辺りはジェフでもよく言われていたことですが、ペトロヴィッチ監督もそう話しているということで、シュトルム・グラーツ時代からオシム監督の基礎は変わらなかったのかもしれません。
オシム監督自身の哲学や根底はぶれずに、なおかつトレンドも学んで取り入れる監督だったと言えるのでしょう。
その後、好きな選手に関して、テクニックがあるだけでなく、走れて、インテリジェンスがあり、球際でも戦える選手と答えています。
現代サッカーでは攻撃と守備に連続性が問われており、その両方を出来ることが選手に求められていると。
この辺りもオシム監督と近い発想を感じますね。
実際のチームに関しては、オシム監督よりペトロヴィッチ監督の方がテクニックを重要視しており、性格や雰囲気も温厚なのかなとも思います。
しかし、根底となる発想や言葉の節々は、やはり似ているものがありますね。
話し方もどこか近いところがあるように思います。
オシム監督のエピソードを話す関係者は少なくないですが、オシム監督の指導を受けた上で優秀な指導者となるためには。
優秀な"オシム監督の弟子"と呼ばれるためには、オシム監督の発想を自分のものにしなければいけないのでしょうね。
そう考えると、本当に優秀な指導者になるというのは簡単ではないのだろうなと思いますし、羽生が指導者の道を選ばなかったのも、納得してしまう部分もあります。
最後にペトロヴィッチ監督は強いチームを作るためにはという話で、「いろんなタイプの選手をうまく組み合わせること」と答えています。
オシム監督も「ただうまい選手を並べてはだめだ」とよく言っていましたし、バランスの良いチームを作ることが求められる。
これはブログでもハンドも話しているように、今のジェフの選手構成において大きな課題の1つではないかと思っていますし、それがどう試合に影響するのか再開後のポイントの1つとなるのかもしれませんね。