一昨日6月15日(月)の日程発表に続き、6月16日(火)にJリーグの臨時実行委員会が実施されました。
主な議題は、試合開催の条件と賞金についてなどだったようです。
個人的には新型コロナウイルス対策はもちろん大事ですが、陽性者が出た場合の対応が非常に重要だと思っていたので、気になる話題となりました。
Jリーグが2週間に一度のペースで行うPCR検査の陰性者、かつ37.5度の発熱がない者がエントリーでき、トップチーム登録者のうちGK1人を含む14人がエントリーされることが開催条件となる。J3は第2種登録選手、特別指定選手を含む。
もし選手が足りなかったら、第2種登録で賄うという可能性もあるのかなと思っていました。
しかし、J1、J2では、そういった方法で乗り切ることはできないということになりました。
昔のジェフはトップチームの選手層が薄く、ユース黄金期でアカデミーに優秀な選手がいたためどんどん選手を第2種登録して、試合に出場させていました。
そうやって試合に出たのが、山口智、阿部、酒井などで、ネット上では"学徒動員"などと揶揄されていたこともあります。
しかし、今回のような本当の意味での"学徒動員"は、良くないと判断されたのかもしれません。
新型コロナウイルスの影響で選手数が足りないという理由だけでユースの選手などを強引に出せば、実力が足りず大きな穴になってもおかしくない。
それではチームはおろか、その選手の将来を奪うことにもなりかねませんから、賢明な判断なのかもしれません。
J3に関しては財政面や選手保有数、試合のレベルなども考えて、そこまで大きな問題にはならないということでしょうか。
試合2日前正午の時点で基準人数に満たない場合は、クラブからJリーグに連絡。あくまで試合を行う方向で協議する。審判は主審と副審2人がいることが開催条件。中止された試合の延期日程についても含め、全ての最終判断は村井満チェアマン(60)が行なう。
試合の直前に人数が足りなくなった場合は、試合を行う方向で協議をするとのこと。
PCR検査の結果はもう少し前に報告される形で運営されるのではないかと思うのですが、少人数になったところで試合直前に怪我人などが出た場合を想定しているのでしょうか。
しかし、具体的にどういった協議なのか、そうなってしまった状況下においてどういった対策がとれるのかなどに関しては、書かれていません。
そもそもとして14人という選手数での試合自体が、かなり難しい状況だと思います。
14人ということはスタメン11人と控えの選手3人のみで戦うことになるわけで、さらに試合中に怪我人でも出たら手の打ちようもないかもしれない。
しかも、今年は選手交代枠で5人も変えられるレギュレーションとなったわけですが、14人となればその5人も確保できていないことになります。
13人以下となれば、控え選手は0人~2人ということに。
あるいは11人以下で試合をスタートするということになるわけですが、それが現実的に可能なのか否か。
それこそ第2種登録などを特例で認めるなどとする可能性もあるのかもしれませんが、それならば初めからそうしておけばいいようにも思います。
あまり考えたくはないケースではありますが、こういった状況ですから何が起こるのかはわかりません。
考えたくないケースもしっかりと考えて運営することが、運営責任者に求められる部分でしょう。
内部では具体的な状況や対応策も検討しているのかもしれませんが、クラブも含めて対応能力が求められる状況と言えるのではないでしょうか。
また、Jリーグからの賞金に関しても、話し合われたようです。
Jリーグ、ルヴァン杯、各フェアプーレー賞など総額約8億円の賞金を、今季は50%減額。減額された50%分の4億円は、新型コロナウイルス禍で影響を受けたクラブの補填(ほてん)に充てる。理念強化配分金についても今後議論を進めていく。
賞金の50%減額ということで、やはりDAZNからの放映権が減額されてJリーグの経営も厳しいのか…と思ったのですが、そうではなく減額分は新型コロナウイルスの影響で経営が厳しいクラブに充てるとのことです。
これが通るのが、Jリーグの素晴らしいところ…と言えるのでしょうか。
そこまで大きな額ではないということもあるのかもしれませんが、他国のリーグならかなり揉めそうな案件ではないかと思います。
この補填金をどのように扱うのか。
そして、経済的に大きく崩れるクラブが出てこないかが、心配なところではないでしょうか。
こちらの記事にもあったように、20億円越えの赤字が明らかになった鳥栖や資金ショートの懸念を発表した新潟などの状況も気になりますが、最近ではそういった話もあまり出てこなくなりました。
ジェフも厳しい経営状況であることを社長が明らかにしていますが、どれぐらいのダメージになるのか。
スポーツ業界に限らず今年はどこも耐える経営が求められると思うのですが、問題はその後に挽回できる目途が立つのかかもしれません。
早期の回復が厳しければ、一時的でも規模の縮小が求めれるのではないでしょうか。
より無駄は省く傾向が出るかもしれませんし、選手もしっかりとアピールできなければ、今年のオフには厳しい冬が待っているかもしれません。
まだ気が早い話かもしれませんが、クラブとしてもどこをカットして、どこを残すのか。
クラブの方向性がより問われる状況となっていくのかもしれません。