秋田が後半開始早々に退場者を出したにもかかわらず、1-2の逆転負けに終わったジェフ。
試合後の小林監督は、以下のような話をしています。
さすがにお怒りといったところでしょうか。
小林慶行監督
一番悔しいのは、チームの勝利が一番に優先されなかったチームであるんだなというところ、そういうプレーがピッチ上で出てしまったことが一番悔しいです。
(中略)
自分自身そういうチームを作ってしまっているということで一番悔しいところです。
言葉は違いますが、試合後に私が話した感想と似通った内容なのではないかと思います。
前半から圧倒的に攻め込んで、チャンスも作ったけれど大事なところでゴールを決めきれない。
決めきれていないのに、自分たちのペースで気持ち良く仕掛けられていることに、満足してしまう。
あるいは追加点を上げられず、相手に止めも刺せていないのに、押せ押せの状況が続いたことで、どこかで油断してしまう。
これに対して秋田は真逆とも言っていいチームで、厳しい守備の時間帯が続いて精神的にも体力的にもきつい展開だったと思うのですが、最後まで虎視眈々とゴールと勝点を狙い続けていた。
リアリズムというか、勝つことが最大の目標であるというサッカーの原則を、しっかりと理解したチームだったと思います。
ゴールを奪うまでは、勝点を取るまでは、決して喜んではいけないということを、教えてもらったとも言えるのかもしれません。
個人的には1-1の引き分けに終わってしまった前節大分戦のジェフを絶賛しているコメントをSNSを見て、それでいいのかなと思っていました。
引き分けたけど内容は良かったというのと、内容は良かったけど引き分けに終わったというのでは大きく異なるし、それ以降に影響を及ぼしかねないと思います。
以前からジェフはそういった傾向もあったチームだと思いますし、それが早くも秋田戦で出てしまったのではないかと思います。
改めて今季のジェフは良いサッカーをすることが目標ではなく、強いチームになることが目標となるはず。
言い換えれば結果を問われるシーズンになると思うだけに、こういった試合をしっかりと勝つことこそが求められるのではないかと思います。
初めにも引用しましたが、小林監督は「自分自身そういうチームを作ってしまっているということで一番悔しい」と話しています。
ジェフ公式サイトには会見の続きが記載されており、選手には「結果の責任はすべて俺が負う」と話したそうで、選手の逃げ道を作るために、話した部分でもあるのかもしれません。
しかし、実際問題として結果を追求できるチームを作れるか否かというのは、監督の能力も問われるところがあると思います。
ようするに、「良いサッカー」が出来るチームまで作れる監督と、そこからさらに「強いチーム」にまで進化できる監督というのでは、大きく世間の評価も価値も異なってくるということ。
攻撃の形を何度も作り、相手を押し込んで、チャンスは作れる。
けれども、それで満足してしまって、ゴールは奪い切れず、守備で隙を作ってしまうようなチームになってしまう状況だと、監督への風当たりも厳しくなると思います。
結局、そこ止まりで終わってしまえばクラブとしては「良いチーム」を一度捨てでも、「結果」を求めて次の可能性を模索しなければいけなくなるかもしれません。
実際問題としてJ1チームとJ2チームではお金周りも、選手確保の面も大きく異なるところがあるはずですし、「良いチーム」止まりではクラブの発展は難しいはず。
それならばリスク覚悟で次のチームに期待するという判断になっても、おかしくはないでしょう。
小林監督としても、そのあたりがわかっているからこその発言だったのではないかと思います。
これを機に、より結果にシビアになれるように、期待したいところです。