前節は元ジェフコーチの霜田監督が指揮する大宮相手に2‐1で勝利したジェフですが、明後日の試合では元ジェフコーチ堀監督が指揮する東京Vと対戦します。
2試合連続で、元ジェフコーチとの対戦となりますね。
東京Vは7月末に週刊誌で、永井前監督のパワハラ疑惑が報じられました。
その報道の影響か、実際にパワハラがあって動揺したのかわかりませんが、それまでジェフ戦を含む5試合で連勝を遂げていたにもかかわらず、7月から一気に成績が低迷。
そのまま7戦勝ち星なしで、9月1日に監督辞任となっています。
それを受け継いだのが、コーチから昇格した堀監督ということになります。
浦和、湘南などで選手として活躍した堀監督は、引退後も両チームで指導者として在籍。
一時は、浦和の監督も務めていました。
2019年には明治大学で同期だった、江尻監督が指揮するジェフのコーチに就任。
そして、昨年江尻監督が強化部長に就任した東京Vに、スカウトとして加入。
今年からコーチになっていたということで、ここ3年は2人がコンビで仕事をしていることになります。
パワハラ疑惑に関しては、東京Vが9月末に報告書をアップしていますが、詳細に関しては公表されていません。
ただ、本当にパワハラがあったことが判明すれば、Jリーグや日本サッカー協会から何らかの処分が下るはずで、それがなかったということは明確な証拠は出なかったということでしょうか。
東京Vはオフに株主絡みで騒動もありましたし、いろいろな力が動いているのかなとも思わなくはありませんが、他クラブのセンシティブな話になりますからこれ以上深くは言えませんね。
ジェフも内部ではいろいろな駆け引きが行われているなんて話も聞きますし、古いクラブは良くも悪くも複雑な関係図が構築されているのかもしれません。
なお、江尻強化部長も全くの無関係とはいえないわけで、クラブから注意を受けています。
今回の件が、江尻強化部長と堀監督の今後に響かなければいいのですが。
堀監督就任後も東京Vは2勝1分4敗と、なかなか成績を伸ばせていません。
順位も9位から12位に後退。
ちょうど現在9位のジェフと、入れ替わるような形となりました。
サッカーのスタイルは、以前と大きく変わらず。
攻撃時は4‐1‐3‐2で守備時は4‐4‐2になる可変システム、5レーン理論、偽SBなどモダンなサッカーを採用している印象です。
監督が代わってもスタイルを変えなかったのは、以前のサッカーが奇抜だったため、大きく変えることによる反動が怖かったのかもしれませんね。
ただ、パスワークのテンポなどには変化がある印象もあり、以前よりマイルドになって、ミドルパスをサイドで繋いでリズムを作ることが増えたイメージもあります。
また、起用法も一部変更があり、佐藤優平をインサイドではなくアンカーで固定化し、そこから攻撃のタクトを振るっています。
その分インサイドにはアカデミー出身の19歳石浦を起用しており、より中央で仕掛ける形を期待しているのでしょうか。
しかし、なかなか成績はついて行かず、特に守備での寄せが甘いシーンが目立ちます。
もともと守備には不安のあったチームでしたが、監督交代後7試合で11失点もしています。
また、後方でパスを繋ぐ意識は高いですが、プレスに弱く低い位置で奪われてカウンターを受ける場面も目立っています。
そのプレスを回避する意図もあってか、前節北九州戦では古巣対決になる加藤をCBで起用しています。
永井監督体制ではレギュラーとしてプレーしていた加藤でしたが、新体制になってスタメンから遠ざかっていました。
その効果も感じられるビルドアップを展開していましたが、試合終盤に2失点し逆転されるも、後半ATに1点を取り返す激しい展開で引き分けに終わっています。
江尻強化部長や堀監督などジェフ色の強い東京Vですが、元ジェフの選手も増えています。
今年8月には戸島が松本から加入し、前々節岡山戦では端戸の不在でスタメンしゴールも決めましたが、前節は不在となっています。
また、井出は7月末に内転筋付着部を損傷し、全治2~3ヶ月の重症を負って離脱中です。
ジェフとしては、東京Vがプレスに弱いということもありますから、そこが狙い目となるのではないでしょうか。
相手は前掛かりになりがちなチームですし、良い守備が出来れば自ずとチャンスも回ってくるかもしれません。
一方で東京Vも相手のプレスを引き出して裏を取りたい意図があるはずですから、そこで勝負ですね。
また、東京Vはワイドな位置にウイングを置き、そこで相手を食いつかせてインサイドを狙うのも得意なチーム。
昨日も話した通り、大宮戦でのジェフはそういった攻撃に苦戦しましたので、そこに対してどう対処するのか。
言い方を変えると、5レーンを使った攻撃をいかに止められるかが課題と言えるのかもしれません。
ここ5試合で4勝1分と非常に好調なジェフですが、ここ2試合は苦労している印象も受けます。
尹監督になってから、戦い方を変えると一時的には好調を掴めますが、その後は失速することも多い。
それだけに、この調子を持続できるかどうかが、シーズン終盤において非常に重要ですね。
元ジェフ関係者も多い東京Vですが、お互いに歴史のあるクラブということもあってか、激しい試合になることも多い印象です。
ちょうど本日発売のサッカーマガジンで、ジェフの30周年特集を実施してくれるそうですが、amazonでは長らく売り切れとなっています。
もともとamazonは雑誌の在庫が少ない印象もありますが、それだけジェフを応援し続けている人は少なくないということでしょう。
それに応えるためにも、もっと上を目指さなければいけないはずではないでしょうか。
ライバルだったはずの京都はこのまま昇格しそうですし、ジェフも東京Vもどこかでブレイクスルーを成し遂げて、誇れるチームを作り上げたいですね。