先日、ロシアがウクライナに侵攻し、ついに戦争が始まってしまいました。
2年前、オシムさんがこのコロナ禍に乗じて、権力者がさらに力を拡大しようとしていると危惧していましたが、このようなことも予測していたのでしょうか。
既にeスポーツ界では複数の世界大会で延期が決まり、サッカー界やF1界からもロシア色が消えようとしています。
改めて平和あってこその日常であると思いますし、早期の解決とこれ以上の犠牲が出ないことを祈りたいと思います。
さて、琉球戦でのジェフは、メンバーをガラッと変えて挑みました。
スタメンから控えに回った選手もいますから、コンディションなどの問題だけではないでしょう。
試合前のエントリーでも、尹監督は苦戦するとスパッと切り替えることがあるので、サウダーニャなどをスタメンで使うのではないかと話しましたが、予想が的中しました。
ただ、守備に関しては、大きく変わらなかったですね。
右シャドーに高木を入れることによって、守備に難のあるサウダーニャをサポート。
高木と見木が人一倍走ることで前からのプレスを成立させ、ボランチでボールを奪い試合のリズムを掴んでいきました。
一方の攻撃に関しては変化を感じ、ロングボールで裏を狙う展開が増え、カウンターでサウダーニャを走らせる形になりました。
ただ、遅攻の課題が解決したわけではないし、先制点もCKからでした。
カウンターに関しても、ジェフが先行する展開で、攻撃的な琉球だから狙えた部分も大きかったと思います。
攻撃以上に、今日の勝利は守備が機能したことが大きかったと思います。
最後は足が止まり決定機も作られましたが、そこまでの守備は見事だったと思いますし、そこが勝因と言えるのではないでしょうか。
■CKから新井一耀のゴールで先制
新たに選手2名のコロナ陽性が発表となったジェフは、田口が不在で熊谷がスタメン。サウダーニャ、高木も先発入りし、ソロモン、風間がベンチに。
控えから秋山、高橋、米倉が外れ、小島に加えて新人の西久保と篠原、新加入の佐々木が入りました。
第1節町田戦は0-0に終わった琉球は、スタメンを継続。
サブには阿部拓馬、富所が復帰。
元ジェフ金井は右SBでスタメン継続、元ジェフ清武も控えに入っています。
強い追い風も意識したのか、前半のジェフは長いボールで裏を狙う展開が目立ちました。
琉球は武沢を中心に、ボランチからパスを繋いでいく。
しかし、セカンドボール争いで優るジェフが、ゴールに迫る展開が増えていきます。
20分には、ジェフのチャンス。
右サイドで高木の落としを福満が受けて、ロングシュート。
しかし、ポストに当たってゴールならず。
そして、24分にジェフが先制。
右サイドからのCK。
高木が蹴ると、新井が体に当てる形でゴール。
失点から琉球の勢いが増し、28分には琉球のチャンス。
右サイドの金井から、左足のクロス。
こぼれたところを上原が狙いますが、GK新井の正面。
30分にはジェフのチャンス。
相手後方からの縦パスを小林が奪うと、福満が縦へスルーパス。
高木がミドルシュートを放ちますが、ゴールの左を逸れます。
その後は、ジェフのプレスが落ち着いて引く形に。
琉球がボールを回す展開となっていきますが、ゴールには迫れず。
1‐0で前半を終えます。
■1点を取り合い終盤に猛攻を受けるも逃げ切り
ビハインドとなった琉球は、後半から上原を下げ清武、池田を下げて中野を投入。ジェフも末吉を下げて西久保を投入し、西久保が右WBに入り、福満が左WBに回りました。
後半に入ってからは、再びジェフがプレスに行けるようになり均衡状態に。
60分、ジェフがカウンターで追加点。
中央でクリアを拾った鈴木大輔がロングキックで、サウダーニャを走らせます。
サウダーニャがそのまま右サイドを持ち上がると、琉球の若いCB二人などをかわしてゴール。
しかし、失点から琉球がギアを上げ、64分に1点を返されます。
右サイドからのCK。
福村が蹴ると新井一耀がはじきますが、ファーで中野が拾ってシュートを放ち2‐1。
71分、ジェフはサウダーニャ、熊谷、高木を下げて、ソロモン、小島、篠原を起用。
73分、琉球は大本、武沢を下げて阿部と上里を投入。
清武が左SH、中野が右SHに回って、阿部が草間と前線に。
その後は、琉球が攻める時間帯が増えていきます。
83分には琉球のチャンス。
左サイドからのCK、清武がまいたボールで直接狙いますが、GK新井がかきだします。
87分にも琉球のチャンス。
中盤の上里からの縦パスを、阿部がヒールパス。
草間がシュートを放ちますが、GK新井がセーブ。
試合終盤はジェフの足が止まり、琉球が猛攻を仕掛けます。
89分、琉球は福村を下げて、富所を投入。
ジェフも福満を下げて佐々木を投入。
90分、琉球の攻撃。
富所のアーリークロス。
阿部がダイレクトでシュートを放ちますが、琉球の正面。
95分にも琉球の決定機。
右サイドからのCKを清武が蹴ると、沼田がヘディングシュート。
しかし、バー直撃でゴールならず、ジェフが2‐1で逃げ切りました。
■サウダーニャをサポートする横並びの3トップ
メンバーを変えたジェフは、5‐2‐3のようなポジショニングで、プレスをかけて行きました。1トップのサウダーニャとシャドーの見木、高木が横並びのような形になって中央に絞り、プレスをかけていきます。
サウダーニャの守備は相変わらず難があり、前半だけでも何度も相手にかわされていました。
しかし、高木と見木が守備で献身的にプレスに行くことで、サウダーニャの穴を埋める。
あるいは、サウダーニャが交わされても、後方にはボランチの2人、左右にもシャドーの二人がいる状況になるため、相手を囲い込むような形で対応することが出来ていました。
また、前線の3枚を横並びにして、シャドーが中央寄りに位置することで、パスコースを狭くする効果もありました。
これによって、ダブルボランチなど後方の選手は、相手のパスを予測しやすく、ボール奪取が増えていった。
田口に代わって入った熊谷と小林のダブルボランチは球際でも強さを見せていましたし、守備面で大きく貢献していたと思います。
このプレスを可能にしたのも、高木の起用が大きかったのではないでしょうか。
高木が運動量豊富に走ってくれたからこそ、サウダーニャのカバーも出来たし、3トップが左右へスライドすることも出来た。
攻撃面でも裏への動き出しなどが多く、ちばぎんカップ、岩手戦で課題だった、前線の運動量の少なさも解消されたと思います。
さらにプレースキック面でも活躍し、田口の穴も埋まりましたね。
単純な話ですが、岩手戦での大きな違いは、前半のうちにジェフが先制できたことがあげられると思います。
遅攻に不安のあるジェフは先行されると弱いところがありますが、この日は前半のうちにセットプレーから先制できた。
そのセットプレーを多く取れたのも、プレスから主導権を握れたからでしょう。
ただ、その分、試合終盤は足が止まってしまい、危険なシーンを何度も作られてしまった。
やはりセットした守備に関しては、まだ課題があるのかなとも思います。
一方の琉球はパスワークでは可能性を見せたものの、やはりCB2人はまだ経験が浅く、特に対人守備には課題もありそうです。
武沢も攻撃面では良さを出せますが、サイズに難があり守備では不安がある。
福村もパスを散らすだけならばよいですが、前に持ち上がる点では期待しづらいので、やはり本来はボランチに富所や上里、CBにも李栄直を使いたいところなのではないでしょうか。
また、失点すると火が付いたよう攻撃を見せていたものの、それまでは勢いがなく自発的な攻撃作りに課題があるのかもしれません。
とはいえ、試合終盤にはポスト直撃の攻撃を見せましたし、流れの中での攻撃でもチャンスを作っていた。
阿部が万全になれば前線の軸も出来るでしょうし、これから調子が上がってくるのかもしれません。
ジェフに関しては、今後サウダーニャを1トップにして、左右シャドーがサポートする形を目指していくのでしょうか。
ただ、昨年もサウダーニャは、相手に警戒されると弱いところがある。
琉球は対人守備に課題があっただけにやれた部分も大きかったと思いますし、サウダーニャの個人技を止められた時にどうするのかを考えておかなければいけないと思います。
とはいえ、まずは1勝ということで、ようやく開幕したかのような気持ちですね。
開幕戦が不甲斐なかっただけに、ますます勝てて良かったと思います。
他チームにも守備が通用するのかも気になるところで、堅守を維持しつつ攻撃をバージョンアップ出来るかが今後の目標でしょうか。