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風間宏矢の古巣琉球と対戦 現スタイルの可能性を示せるか

 依然として新型コロナウィルス感染症が猛威を振るっており、今週ジェフでも選手1名、スタッフ1名の陽性者が出てしまいました。
 FC東京に至っては2週間で24名もの陽性者が出ており、今後への影響も懸念されます。
 このような情勢ですから感染対策はもちろんですが、どの選手が抜けてもおかしくないわけで、個人に依存するのではなくチームとして戦える体制作りが必要となってくると思います。

jefunited.co.jp

 岩手戦でも確かにブランネルや宮市、牟田など、相手選手の活躍が目立ちましたが、ジェフはその岩手から昨年後半レギュラーだった佐々木を引き抜いているわけで。
 予算規模の違いもある上、ジェフはコロナの影響が少ない方だったわけですから、戦力不足を嘆くのは情けないことだと思います。
  このコロナ禍では、今戦える選手でいかにベストを尽くすかが問われるのだと思います。


 明日の対戦相手である琉球からも、風間宏矢がジェフに加入しています。
 琉球はオフに風間兄弟、知念、中川、武田英寿などが退団し、大本、草間、中野克哉などが加入。
 以前に比べてテクニックよりも走力などを重視する方向にシフトしていくのかなとも感じ、昨年途中に喜名監督に交代したことも含めて変化が注目されているチームではないでしょうか。

 それを踏まえて迎えた開幕戦では町田と対戦しましたが、攻撃面に関しては基本的に昨年の良いところを引き継ごうといった意志を感じました。
 東京Vから加入した福村とボランチコンビを組んだ大卒新人の武沢が、運動量豊富に動き回って後方からパスを引き出し散らしていく。
 そこから、押し上げたSBにボールを入れて、サイドから仕掛けていく。


 試合当初はサイドばかりにボールが集まりがちな印象もありましたが、そこから攻撃を作って相手の意識を外に広げると、今度は中央に位置取りするSHや前線を目がけてパスを繋いでいく。
 若いCBコンビになった大森、中川からは鋭いパスも出ていましたし、外も中も攻め込める展開には可能性を感じました。
 ただ、ゴール前の強さ、迫力という点では、物足りなさもあるのかもしれません。

 変化を感じたのは、守備の方だったと思います。
 昨年途中に喜名監督になって守備の改善を図っていたイメージはありましたが、開幕前のキャンプを経てより強化されたのでしょうか。
 樋口監督の時もロスト直後の回収は狙っていましたが、セット状態での守備には甘さもあった印象で、今年は4‐4‐2のボックス守備から組織的にプレスをかける形が出来上がっていました。

 それでも町田の縦に鋭い攻撃やファーを狙ったクロスなどには苦戦していましたが、開幕戦は0‐0の引き分けに終わっています。
 琉球にも勝てる可能性もあったように見えましたが、阿部拓馬や李栄直や田中恵太などが不在の中で、良い試合をして勝点1を獲得できた。
 特に若い選手たちがしっかりと戦えたことが収穫で、上々の開幕だったのではないでしょうか。


 一方のジェフは、開幕戦で岩手相手にホームで0‐1の敗戦。
 内容にも、乏しく良いところの少ない試合だったと思います。
 まだ1試合ではありますが、昨年から選手もスタイルも大きく変わらない中、本来は完成度の高いチームでなければいけない状況での完敗は今後に不安も残しますね。

 昨年もシーズン序盤は結果が残せず、3バックに変更して立て直した経緯があります。
 当初はガッツリ引いたカウンターサッカーでしたが、それも苦戦し始めるとソロモンを起用したハイプレスに変更し、ようやく結果を残せるようになりました。
 しかし、その分シーズン前半の苦戦が尾を引いて、最終順位は伸ばせずに終わっています。


 今年も開幕戦だけでなく、ちばぎんカップでも苦戦し、練習試合でもまだ勝てていませんし、シーズン序盤は苦労する可能性があるのかもしれません。
 こうして迷走してしまうのは、尹監督が明確なやりたいサッカーを持っていないからではないでしょうか。
 毎回、状況が厳しくなるとスタイルを変化させて対応している印象で、能動的にチームを強化するという傾向がみられないように思います。

 良く言えば強固なポリシーがないからこそ、柔軟に戦えているとも言えるのかもしれません。
 しかし、一方で苦戦するまでチームが変化・進歩しない傾向にあり、どうしても場当たり的な運営に見えてしまいます。
 そうなると周りからは一歩遅れる不安が残りますし、安定した成長や成績も期待しづらくなってしまうようにも思います。


 昨年終盤も何度かの低迷からの反骨心や下位チームへの勝利が続いたことで、勢いに乗って無敗記録を達成できた。
 しかし、あくまでも勢い任せで、内容に関しては課題も多く、そこまで良いものではなかったと思います。
 そして、その勢いもオフを挟んで萎んでしまった印象で、特に前へ圧力をかけて押し込むスタイルだっただけに、勢いが落ち着て厳しいスタートになってしまったのかなと思います。

 このあたりは、昨年末に書いた2021年のまとめでも危惧していた部分でした。

yukkuriikou.hatenablog.com

 掻い摘んでまとめると、尹監督は頻繁にスタイルを変えてきただけに、今度こそ2021年終盤のスタイルを維持できるのかが、まず2022年の注目ポイント。
 さらに、そこから積み上げが作れるかどうか。
 また、ジェフは好成績を上げた後のオフに油断する傾向にあるだけに、気を引き締めて新シーズンを迎えられるか。


 監督やGMのコメント、オフの動きが少なかったことも含めて、まずはスタイルの継続が最優先となるでしょう。
 しかし、ただ同じ戦い方を続けるだけでは対策を取られる可能性が高いですし、結果的にスタイル維持も難しくなる。
 苦戦すると尹監督はスパッと切り替える傾向もありますし、早いタイミングでサウダーニャなどをスタメンで試す可能性もあるのかもしれません。

 とはいえ、まだ第2節ですし、まずは現スタイルで琉球相手にどこまでやれるか。
 堅守速攻の岩手とパスサッカーでの琉球とではスタイルが異なりますし、3バックと4バックとではシステムも違う。
 その琉球を相手に、現在のスタイルでもまだやれることを見せられるか注目ですね。