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第3節 ジェフ 0-0 山形 選手を欠いたジェフ 苦境の中で全てを出し切る姿勢を見せる

 先週、新型コロナウィルス陽性者3名、濃厚接触者10名を出したジェフですが、山形戦までには濃厚接触者の隔離期間が終わったようです。
 試合前に可能性を指摘したとおり、接触日は26日(土)だったため、7日間の隔離を経て試合には間に合ったようです。
 なお、Jリーグのガイドラインによると、濃厚接触者はチーム練習には参加できないものの個人練習は可能となっています。

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 山形戦のジェフは前節から5人が欠場ということで、陽性者3名に加えて2名が不在に。
 2人は濃厚接触でコンディション不良か、怪我などがあったのでしょうか。

 ただ、欠場5人ならなんとかなるようにも思いますが、それ以上に戦力が欠けているように感じたのは、前節も4人の選手が抜けてその4人が復帰できていないからでしょう。
 ジェフは前節も陽性者が2名出ていますが、残り2人は怪我だったのか。
 前節4人、今節5人欠けたわけですから、今回の問題が大きいわけではなく、前節の影響も響いていることになります。


 難しい状況で戦ったジェフは、プレスを諦め引いて守ってカウンターで戦いました。
 主力を欠いた状況であることを考えれば仕方ないことだと思いますし、それだけでなく山形のパスサッカー対策を講じてきた印象でした。
 若い選手も多く起用しましたし、状態がベストではない選手も多かったとは思いますが、よく頑張っていましたね。

 一方の山形もコンディションはかなり悪そうで、全体の運動量が少なくミスも多かったと思います。
 東北チームの山形は開幕からアウェイ連戦が続いており、先週ようやくキャンプを終えて山形での練習ができたようです。
 見た目にもお互いに苦しく感じる試合内容となりましたが、ジェフとしてはこの苦境の中、何とか勝点1を拾えてよかったと言えるのではないでしょうか。

■相手に持たせてカウンターを狙うジェフ

 ジェフは高木、熊谷、末吉、小林が欠場で、ソロモン、小島、西久保、佐々木がスタメン。
 控えのGK鈴木も外れて、松原、矢口、佐久間、ブワニカ、川又が控えに。
 矢口は4日に2種登録されたばかりの選手です。

 前節熊本に3‐0で勝利した山形は、メンバーを継続。
 山形も一部メンバーが欠けていた印象ですが、前節からベンチに野田が復帰するなど、徐々に復帰してきています。
 スタメンには大卒新人の右SH横山、22歳の山田、20歳のCB木村や右SB半田など、若い選手が並んでいます。


 2分、山形の攻撃。
 左サイドから持ち上がって、加藤、藤田、横山と右に展開。
 横山が抑えたシュートを放ちますが、GK新井がセーブ。

 4分にはジェフのチャンス。
 ジェフのクリアをソロモンとサウダーニャで繋いで、見木が持ち上がり最後はサウダーニャがクロス。
 ソロモンが頭で合わせますが、バー直撃でゴールならず。


 その後は動きの少ない展開に。
 ジェフは佐々木が左CB、福満が左WB、チャンがアンカーで、トップ下にソロモン、1トップにサウダーニャの5‐3‐1‐1。
 山形にボールを持たせつつ、カウンターを狙っていきます。

 18分、ジェフの攻撃。
 右サイドの奥から、佐々木が鋭いFK。
 これはGKが跳ね返し、最後はサウダーニャが左足で狙いますが、GK後藤がキャッチ。


 33分には山形の攻撃。
 後方からじりじりと繋いでいき、最後は吉田が中盤からミドルシュート
 しかし、大きく外れてしまいます。

 35分にはジェフのチャンス。
 右サイドで得たCK。
 佐々木も蹴る準備をしていましたが、見木が蹴ってファーの福満が合わせるものの、ゴールの左。

 前半終盤はジェフの足が止まって、山形が中央で縦パスを通す回数が増えていきました。
 しかし、ジェフも何とか凌いで、0-0で折り返します。

■後半から全体のラインが下がるも0-0で終了

 後半も大きく流れは変わらず。
 58分には、山形の攻撃。
 左サイドからのCKがニアで軌道が変わって、藤田が折り返すとあわやオウンゴールかというボールになりましたが、ソロモンがはじき出します。

 62分、ジェフの攻撃。
 左サイドからのCKのこぼれ球を、中盤で西久保が拾って前に供給。
 チャンが合わせますが、大きく外れます。


 その後、ジェフはさらに全体のラインが下がって、後方で凌ぐが長くなっていきます。
 65分、山形は加藤、横山、吉田が下がって、河合、國分、山田を投入。
 69分には、山形の南がミドルシュートを狙いますが、枠を捉えきれず。

 73分、ジェフはソロモン、小島を下げて、ブワニカ、篠原を投入。
 83分にはチャン、西久保を下げて、風間、矢口を起用し、風間がアンカー、矢口が右WBに。
 84分、山形は藤本に代えて木戸を投入。


 88分、山形は藤田を下げて、岡崎を投入。
 試合終盤も、山形が攻め込む展開が続きます。
 足の釣るジェフ選手も目立つ展開となりました。

 95分、山形の攻撃。
 右サイドからのCK。
 河合が蹴ると木戸が合わせますが、GK新井の正面で終わり、0‐0で終了となりました。

■全力で戦う姿勢を今後につなげられるか

 主力の一部が欠けたジェフですが、5‐3‐1‐1にシステムを変えてきました。
 ボール保持時の山形は左右SBが中寄りでプレーし、トップ下の山田が自由に動き回って、ボランチの藤田も前寄りに位置し、ハーフスペースで受ける動きをしてきます。
 それによって中央に選手が増え、そこから縦パスを通して、相手を打開するポゼショナルサッカーを展開するチームと言えると思います。

 それに対して、ジェフは中盤を3枚にすることで中央を厚くし、インサイドの2枚でハーフスペースも消す。
 また、ソロモンをトップ下において、左右に散らす南を潰す。
 さらにアンカーにチャンを置いて山田対策を取るなど、徹底した相手対策をしてきたと思います。


 山形の左右SBやCBに持たれても、そこは無理に潰しにはいかない。
 あくまでもスペースを消しつつ、パスの出し先を抑える守備で、ボールを持たれても仕方ないと割り切っていたのでしょう。
 特に藤田や山田が引いて受けようとする動きに対して、ジェフの中盤が前に出て潰しにいけたことが前半は大きかったと思います。

 山形は中央を絞れば、ゴール前に高さのある選手が少ないので、単純なクロス攻撃だけならあまり怖さがない。
 そして、ジェフはボールを奪った直後に、左サイド前方に大きく展開して、カウンターを狙う。
 山形は攻撃時に左右SBが内寄りに絞るため、奪った直後に空いたサイドを積極的に突こうという意図だったと思います。


 前半は山形対策がうまくいったジェフですが、さすがに後半は苦しかったですね。
 全体のラインをなるべく維持して、縦パスを入れさせない守備をしていたジェフですが、前半終盤から失速。
 ラインも下がってしまい中盤3枚も押し下げられて横並びになり、インサイドが前に出て潰しに行くことが出来なくなってしまった。

 厳しい状況になったジェフですが、山形もミスが多かった。
 味方がボールを持っても止まっている選手が多かったし、無理なパスを繋ごうとするプレーも多く、カウンターでも前に出ていけなかった。
 やはりそこはコンディション問題も大きかったのではないでしょうか。


 当然、ジェフが後方に引いてスペースを埋め、攻撃時も前線に任せて前に出ていかなかったことも大きかったでしょう。
 ポジショナルサッカーを展開するチームは、パスワークだけでなくプレスからのショートカウンターでリズムを掴むことも多く、山形も例外ではないと思います。
 しかし、ジェフはボールを握ってこなかっただけにプレスにいく機会もなかったし、ジェフの山形対策や選手構成に戸惑っていた印象もありました。

 ともかく、ジェフとしては、引き分けに凌げて良かったと思います。
ただ、若い選手が出場したり無失点に抑えたりと前向きな要素もあった試合ですが、それがどこまで将来に繋がるかはまだわからないですね。
 ひとまず緊急事態を乗り越えたといったところで、メンバーが戻ればまたリセットされる部分もあると思います。


 それでもスタッフも選手も含めて、今やれることを全力で出して戦い抜いた。
 それで勝点1を拾えたことが、いい方向にチームに変化を与えらればと思います。
 なけなしの状態で全てを出し切って戦うという姿勢は、昔強かった頃のジェフも垣間見えましたし、これを機に少しずつでもメンタリティが変わってくれればとも思います。

 今のジェフはどこかに課題があれば「すぐ補強を」とか、「外国人選手を」となりがちですが、そういった発想ではなかなかチームの成長は難しい。
 今日のように全員で守って全員で戦って、それぞれがやれることをやって全てを出し切ってこそ、チームの最大限の力というものが発揮できると思いますし、それが出来なければいくら新戦力が入っても根本は変わらないように思います。
 苦境だからこそ感じた姿勢を忘れずに活かせるか、ここからの試合が大事ですね。