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第6節 ジェフ 1‐2 栃木 栃木のプレスに苦しみソロモンのゴールも2連敗

 前半は栃木の組織的な守備に苦しみ、完全に攻撃が行き詰ってしまいました。
 後半中頃からは栃木の運動量が落ちて、ジェフが攻め込む時間も作れましたが、前半無駄にした時間が長すぎたと思います。

 栃木からすれば、前半からボールを持たれても主導権は握れていたと思います。
 守備の時間もあったものの全員で献身的に守っており、全体的な流れは栃木で良い雰囲気で戦えていたのではないでしょうか。
 だからこそ、試合終盤に攻め返す展開を作れて、ゴールを奪い返せたのではないかと思います。

 ジェフはビルドアップが長らくの課題でしたし、特に離脱者が増えてメンバーが入れ替わってからは手付かずの部分だったと思います。
 そこに対して、栃木が緻密なプレスを仕掛けてきたことによって、大きな穴が露わになってしまった。
 今後、栃木程のプレスをかけてくるチームが現れるかはわかりませんが、1つの弱点が明確になってしまった印象ですね。

■早々に失点しビルドアップが出来ず0‐1で前半を終える

 前節群馬に敗れたジェフは、後半から出場し活躍した田口と風間がスタメンに。
 ブワニカと小島はサブからも外し、米倉、秋山、篠原が控えに復帰。
 矢口もメンバー外になりました。

 栃木は谷内田が右シャドーでスタメン。
 下部組織出身で19歳の長身FW小堀が、今日は控えスタートになりました。
 U-21日本代表に選出されたCB鈴木海音が不在で、代わりに小野寺が今季初出場初スタメン。


 キックオフ直後、栃木が先制。
 後方からのボールを瀬沼が競ると、浮き球を谷内田が浮かせて空中にトラップ。
 そのままボレーでシュートを放つと、ループ気味のシュートになって先制。

 6分、セットプレーからジェフのチャンス。
 右サイドで得たFK。
 田口がグラウンダーでゴール前に送ると、チャンがニアで狙いますが相手選手がブロック。


 ジェフがボールを持って、栃木がカウンターを狙う展開。
 ビハインドのジェフですが、栃木のプレスに苦しみ続けます。
 低い位置でボールを失ったり、ロングボールを蹴らされたりと、攻撃が作れない状況に。

 22分、栃木の攻撃。
 佐々木が谷内田にボールを奪われたところから、森がインナーラップを仕掛けてクロス。
 中央で瀬沼が走り込みますが、GK新井がセーブ。


 32分、栃木は福森が足を痛めて、面矢が今季初出場。
 36分にも栃木のチャンス。
 トカチからの展開を受けた森がグラウンダーのクロスを上げ、谷内田がフリーで狙いますが、選手にあたってゴールならず。

 45分にも栃木の攻撃。
 西久保のところで、面矢が奪って瀬沼へ。
 瀬沼が持ち上がりトカチが受けると、トカチがそのまま狙いますが、GK新井がセーブ。
 ジェフは前半終盤からようやくミドルサードへボールを持ち込めるようになりましたが、シュートまでは持ち込めず0‐1で折り返します。

■ジェフが1点返すも試合終盤の失点で敗戦

 50分、栃木の攻撃。
 田口が受けたところで、西谷と瀬沼が囲ってボール奪取。
 谷内田が持ち上がって、ミドルシュートを狙いますが枠の外。

 56分、攻撃の作れないジェフは西久保、佐々木を下げて、米倉、熊谷を投入。
 チャンが3バックの中央に下がって、熊谷がボランチに。
 60分には福満のシンプルなクロスにソロモンが頭で合わせますが、大きく外れます。


 62分、栃木の攻撃。
 瀬沼の落としを佐藤祥がワンタッチで縦へ繋ぐと、トカチが受けてシュートを狙いますが、新井一耀が戻ってブロック。
 63分、栃木はトカチ、西谷を下げて小堀、矢野を投入し、谷内田がボランチ、矢野が左シャドーに。

 60分過ぎから栃木の運動量が落ちていき、ジェフが攻め込む機会が増えていきます。
 65分にはジェフが右サイドでパスを繋いで、新井一耀が抜け出しクロス。
 ソロモンが狙いますが、ジャストミートせず。


 79分、ジェフは風間、福満を下げて、篠原、秋山を投入。
 その後は攻めるジェフ、守る栃木といった展開に。
 ジェフは主にサイドから、押し込んでいきます。

 そして、88分、ジェフが同点。
 左サイドで見木がキープして、秋山がグラウンダーのクロス。
 ゴール前に残っていたチャンのシュートはGK川田にブロックされますが、ソロモンが詰めて1-1に。

 しかし、94分。
 栃木の左サイドから面矢のロングスロー。
 ニアで大森が軌道を変えて、グティエレスが詰めて勝ち越しゴールを決め、1‐2でジェフの敗戦となりました。

■栃木のプレスに苦しみ流れを掴まれて敗戦

 栃木は組織的な守備をしてきましたね。
 ポジション修正も多く、前線のプレスから最終ラインの上げ下げなども、連動して動いていた印象でした。

 1トップ2シャドーでジェフの3バックを睨みつつ、緩い横パスやバックパスが入ったら一気に詰めていく。
 さらに中盤では、ジェフのシャドーが覗きに降りたら、ボランチがついていって対応。
 ジェフの動きに対して、しっかりと足を運んで、1つ1つ反応していきました。


 一番重要だったのは、田口の対応でしょう。
 3バックでビルドアップが出来なくなったジェフは、田口が仕方なく後方に下がっていくことが多かった。
 そこに対して必ず栃木のボランチが高い位置まで出て行って、田口に前を向かせない守備をしていきました。

 田口が封じられたジェフは、35分くらいまでディフェンシブサードまでしかボールを持てず、窮屈なサイドに持ち込むか、ロングボールを蹴り込むしかない状況でした。
 カウンターで持ち込むことはあっても、攻撃は作れず。
 DAZNによると、前半はシュート2本のみだったそうです。


 ジェフは35分頃から、右CB鈴木大輔をサイドの大外に走らせ、トカチの外を取る動きをしていきます。
 それを後方から田口がサポートする形で、少しずつ相手を押し込んでいきました。
 それでも栃木は必ずシャドーとWBの2枚が守る形を作れており、簡単には上げさせない対応をしてきました。

 後半に入って60分過ぎからは、単純に栃木の運動量も下がって、攻め込む展開が増えていきました。
 ここからはもう栃木の粘りか、ジェフの圧力かといった状況で、いつも通りジェフは遅攻の質を問われたことになります。
 なんとか1点は取れたのは良かったですが、ビハインドの状況で1点しか取れなかったとも言えるでしょう。


 冒頭でも話した通り、ジェフが一度は追いついたとはいえ、全体的なペースは栃木だったと思います。
 選手全員が懸命に走り、組織的な守備がハマっていたからこそ、前半から良い流れが掴めた。
 それによって、1点失ってももう一度攻撃に切り替えてゴールが奪えたのではないかと思いますし、最後のゴールは走り続けた栃木のご褒美だったのかもしれません。

 逆にジェフは1点奪った後の戦い方も中途半端になってしまい、前半から流れも悪く、最後にやられたのも偶然ではなかったように思います。
 試合の流れが悪くなったのも、やはり前半プレスをかわせずに、完璧に封じられてしまったところからでしょう。
 ビルドアップの問題が敗因の根源ではないかと思います。


 ジェフがビルドアップで苦戦したのは、離脱者の多いメンバーの問題も大きいと思います。
 チャンや佐々木は細かいビルドアップが得意ではないですし、連携などの問題もあるはずです。
 結果的にそこを栃木に突かれたとも言えますが、栃木も戦力面で豊富とは言えないチーム。

 途中投入された矢野や小堀もプレスを考えれば厳しい人材だったのではないかと思いますが、全体的な疲労もあって使わざるを得なかったのではないでしょうか。
 ジェフも今後またコロナの影響が出ないとも言えないわけで、例えメンバーが入れ替わっても戦えるチーム作りが求められるはずです。
 そのためにも、改めてぶれないチームの方向性が必要となってくるのではないかと思いますし、どういったサッカー、どういったチームを目指すのかより明確にしていく必要があるのではないかと思います。