今年はカタールW杯が11月に開催されることもあって、10月にはリーグ戦を終える予定となっているJ2。
今週末からは、今シーズン初の連戦が行われます。
昨年まで田坂監督が指揮を執っていた栃木は、前福島監督の時崎悠監督が就任。
昨年までは4バックでしたが、3バックに変更しています。
オフには豊田、柳、溝渕などが退団しましたが、瀬沼、トカチ、福森、カルロス・グティエレスなどが加入しています。
監督が変わった栃木ですが、スタイルはそこまで大きく変わっていない印象です。
フィジカルを重視したサッカーで、積極的なプレスからのカウンターが主体。
昨年ほど極端なサッカーではないようにも思いますしラフプレーも減った印象ですが、大枠で見る方向性は近いのものがあるのではないでしょうか。
注目選手は、時崎監督とともに福島から栃木に移籍したトカチ。
21歳のトルコ系ドイツ人であるトカチは、170cmながら横幅が厚いタイプで馬力のあるドリブルからの打開が出来る選手です。
昨年も今年も左シャドーを中心にプレーしています。
セットプレーのプレースキッカーとしても優秀で、前々節大宮戦ではFKから直接ゴールもマーク。
前節岩手戦では、流れの中からアシストを決めています。
また、ここまでのダブルボランチは、ジェフ出身の佐藤祥とジェフ宇都宮出身の西谷優希がコンビを務めています。
開幕戦では秋田に1‐0で勝利している栃木ですが、そこからは勝ち星はなし。
特に第2節東京V戦では、0‐3の完敗を喫しています。
ここ2試合は1‐1の引き分けに終わっていますが、フィジカルの部分をうまく回避されると弱いところがある印象です。
ジェフとしては第1節岩手戦以来となる、久々の3バック対決ということになります。
しかも、フィジカル重視のスタイルということで、敗れた岩手にも近いところがあるチームと言えそうです。
開幕戦では0‐1で悔しい敗北を喫しただけに、その反省を活かせる試合となるか。
4バック相手だとミスマッチも生まれますが、金沢戦では相手の4バックに対して3トップで間を突く攻撃を。
群馬戦では4バックの外を突こうとしていた印象だっただけに、ミスマッチが生まれない状況でどう攻撃を仕掛けるのか。
また、がっぷり四つの構図になるからこそ個々の守備対応も重要となってくるでしょうし、ロングボールでプレスを回避したり、サイド守備を狙ってきたりといった対策をしてくるかもしれません。
ジェフのここまでの戦い方を振り返ると、ちばぎんカップや開幕戦では昨年終盤のようにある程度ボールを持とうとしていたと思います。
しかし、そこで敗れると、第2節琉球戦ではプレッシングサッカーを。
続く第3節山形戦では離脱者が多く出たこともあって相手対策を徹底したカウンターサッカーを実行し、第4節金沢戦ではブワニカを起用してパワーで押し切った印象です。
けれども、第5節群馬戦では早々に失点すると、後半からは再びボールを持つサッカーになっていきました。
相手対策ももちろん重要だし、状況によって少しずつ戦い方を変えなければいけないのも当然のこと。
ただ、相手対策だけでは安定した成長を遂げるのは難しいでしょうし、群馬戦のように逆にこちらの弱点が生まれかねないと思います。
コロナ陽性者5名と怪我人4名と思われる離脱者もあって、戦力的に厳しかったのは事実。
その状況下での3試合で勝点4を獲得できたのは、まずまずの成果と言えるでしょう。
ただ、長期的な視野に立って考えると、相手対策が出来たことは良かったものの戦い方が不安定で、今後どういったスタイルでシーズンを乗り切るのかにおいては、不明瞭な状況とも言えるのではないでしょうか。
特に群馬戦は後半にボールを持てて、チャンスも作れたから内容は良かったという話になっている。
ただ、実際にはそこで点を取れず0‐1で敗れているわけで、今後もあのサッカーを軸にしていけば、同じように得点を取りあぐねる懸念もあるでしょう。
そのあたりは昨年までも見られた課題であり、そこからの成長・積み上げが出来ていないとも言えます。
少しずつコロナ陽性者が戻ってきていることもわかりましたし、新外国籍選手も合流できたようです。
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怪我人などに関しては言っても仕方がない部分があるわけですし、ここで改めて今後のチームの舵をどう握っていくのか見ていきたいところではないでしょうか。
ポゼッションなのか、カウンターなのか、プレッシングなのか。
どこを軸としたチーム運びをしていくかが、今後を占うポイントとなるのではないかと思います。