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第33節 ジェフ 2-0 仙台 前への姿勢を見せて4戦ぶりの勝利

 3位仙台との対戦。
 ジェフは久々に前から圧力をかけていく展開で勝利を上げることができ、やはり勝つならこのパターンといった印象を改めて受けた試合でした。
 前節もコンディションが上がっているようには見えましたし、8月も下旬で少しずつ涼しくなってきたということで、プレスにいけると判断したのでしょうか。

 ここ数戦も立ち上がりは前から行く姿勢を見せていましたが、それが直ぐに止まりそこからは引いて守る形で戦っていました。
 仙台戦も15分頃からは相手ペースの試合になってしまったわけですが、それでも引いて守ることはなく前からプレスをかけていこうという姿勢を感じました。
 そこがここ数戦とは大きな違いでしたね。


 それでも序盤に押し込むもシュートまで持ち込めず、相手の流れが変わるという嫌な展開には変わらず。
 このままでは厳しいかなとも思ったのですが、前半途中から幾度かあった相手セットプレーのチャンスをゼロで抑えられたことが非常に大きかったですね。
 そして、後半に入ってロングスローを含む、セットプレーから2ゴールという得意のパターンで勝利をあげたことになります。

 好成績を上げた昨年後半も毎試合完璧だったわけではなく、厳しい時にはセットプレーからゴールを上げて、セットプレーで失点も凌いで勝点を稼げたところがあったと思います。
 流れの中での攻撃に関しては相変わらず課題も感じましたが、それでも前への姿勢を見せたからこそ、良い位置でのセットプレーのチャンスも増えた。
 復帰した新井一耀も攻守に見事な活躍を見せましたし、全体的に球際での激しさも見せられた試合だったと思いますから、一時期の低迷からは脱したと見ていいのかもしれませんね。

■前半途中からは仙台ペースも無失点で凌ぐ

 ジェフの秋山は、仙台からレンタル移籍中なので出場できず。
 新井一耀がスタメンに復帰して、西久保が右WBに、末吉が左WBに戻りました。
 ベンチにもチャン、福満が復帰し、谷田、桑原が外れました。

 仙台は内田が不在で石原もおらず、CBでプレーしてきたキム・テヒョンが左SBに。
 ジェフU-18出身の氣田も不在で、フォギーニョ、名倉がベンチに回り、中山、吉野、加藤がスタメン。
 前節は前線でスタートした遠藤が、右SHに戻りました。


 キックオフ直後、ジェフの攻撃。
 左サイドから田口、小林と経由して右サイドへ。
 西久保がアーリークロスを送ると、ブワニカが頭で合わせますが、枠の外。

 立ち上がり、ジェフは前への姿勢を見せていきます。
 プレスも強めで球際に激しく、サイドを中心にボールを持って、相手を押し込んでいきます。
 しかし、なかなかシュートまではいけません。


 すると14分、仙台の攻撃。
 中盤右サイドからのスローイン
 田口が頭でクリアしますが、こぼれたところを加藤が拾ってミドルシュートを放つも枠の外。

 このプレーから徐々に仙台ペースとなっていき、25分にも仙台の決定機。
 ジェフのCKからカウンターで、GK小畑のキックを前線で遠藤がキープ。
 前が空いた中島がロングシュートを放ちますが、ポスト直撃。


 34分にも仙台のチャンス。
 中盤右で得たFK。
 遠藤が直接狙うと、GK新井が弾き出します。

 36分にも仙台の攻撃。
 同じような位置でのFK。
 今度は中島が蹴りますが、バーの上に終わります。


 40分にも仙台のチャンス。
 左サイドからのFK。
 遠藤が蹴ると、佐藤がヘディングで合わせますが、GK新井がセーブ。

 前半途中から仙台の出足が激しくなり、ジェフは劣勢に。
 しかし、無失点に抑え前半を終えます。

■セットプレーから2ゴールでジェフの勝利

 後半開始直後も流れは変わらなかったもものの、徐々にジェフが巻き返していくと54分。
 右サイドからジェフのCK。
 田口が蹴るとゴール前で相手選手にあたり、目の前にボールがこぼれた新井一耀が合わせて1‐0。

 60分、ジェフの末吉が負傷交代し、福満が入りました。
 64分、仙台は加藤、皆川を下げて、名倉、カルドーゾを投入。
 試合は一進一退の展開に。


 67分、仙台の攻撃。
 中盤左からのFK。
 遠藤が蹴るとこぼれたところを名倉が狙いますが、枠の外。

 70分、ジェフはレオンソ、ブワニカを下げて、ソロモン、リカルド・ロペスを投入。
 73分、ジェフが追加点。
 右サイドから西久保のロングスローをニアでソロモンが競ると、こぼれたところを見木が合わせて2‐0。


 75分、仙台は遠藤を下げてフォギーニョを投入し、フォギーニョがボランチに入り、左SHに中島を上げました。
 その直後に仙台の攻撃。
 フォギーニョからの縦パスを名倉がキープし、反転した中山が遠めから狙いますが、GK新井がセーブ。

 78分、ジェフは西久保、小林を下げて米倉、チャンを投入しチャンがボランチに。
 85分、仙台はキム、中島を下げて、蜂須賀、福森を投入。
 蜂須賀が右SB、福森が左SBで、真瀬を右SHにあげてきました。


 87分、仙台のチャンス。
 フォギーニョからのパスを受けた名倉が、PA内に侵入し中山へパス。
 中山が反転して前を向きますが、後ろから新井一耀がナイスカバー。

 試合終盤の仙台のCK。
 ここもジェフが跳ね返し2‐0で、久々の勝利となりました。

■仙台戦は前回に続き2‐0での勝利

 前回2‐0で勝利した時も感じたのですが、仙台は戦いやすいイメージがあります。
 伝統的に相性も良く、これでジェフの6戦全勝となったそうです。

 仙台の守備は4‐4‐2のゾーンで、1人1人が自分のスペースを守る形と言えるでしょう。
 そのため、個人技で1人でもかわせば、カバーにくる選手も少なく、一気に攻撃が作れる。
 ジェフは個々の能力は決して低くはないですし、この日は球際でも戦えていたので、そこで優位に立てていた印象です。


 例えばレオンソが少し下がってキープする展開がこの日は効いていましたが、それによってボランチ2人を引き付けることが出来た。
 すると、ボランチエリアには誰もカバーが入ってこないので、レオンソがうまくタメれば仙台のボランチエリアはぽっかりと空く。
 そこを他の選手が使って、攻撃を作ることが出来ていた。

 さらに、4‐4‐2で等間隔に守るため、特定の選手をマークするという傾向も薄い。
 そのため、ジェフの司令塔である田口が楽にボールを持てて、そこから展開するという攻撃が作れていた。
 単純に仙台は失点も多く守備に難があるというのもあるのでしょうが、ジェフはこういった個人の能力を主体とした守備に対しては強く、組織で守られる方が苦手な印象があります。


 ただ、当然それだけでは攻撃は作れず、この日は全体的に前への姿勢が高かったからこそ、ここ数戦より攻め込めたのでしょう。
 レオンソがキープしても追い越す選手が少なかったジェフですが、仙台戦では何人もが前に出ていけていた。
 それによってレオンソが落として展開する流れで、前方向にボールを繋げるようになっていたのだと思います。

 仙台の守備は1人かわせばチャンスが作れると分析して、この日は攻守に前へ出る判断が出来たのかもしれません。
 試合終盤までプレスにいく姿勢を見せていましたが、これが他の試合でも見せられるか。
 あるいは、相手が変わればまた戦い方が戻ってしまうのか。

 勝てたとはいえ、4試合ぶりの勝利と、長い目で見ると決して良い状況ではない。
 ただ、やはり前への姿勢を見せられた試合の方が、良い流れで戦えるのではないかと再確認できた試合でもあったと思います。
 この仙台戦を切っ掛けに前への姿勢を維持できるのか、注目ですね。