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第41節 ジェフ 2-1 琉球 相手の足も止まって逆転勝利もPO進出の可能性は途絶える

 前半終盤までは今季のジェフを総括するような、かなり苦しい試合展開だったと思います。
 琉球の守備も良くて、ボールを持ってもサイドにしか繋げず、シュートチャンスすら作れなかった。

 ただ、後半に入って、琉球の足が完全に止まっていった。
 立っているだけの状態の選手も多く、さすがに相手があそこまでいけば得点も生まれるでしょう。
 そこはやはり琉球が、J3降格レベルのチームだったということだと思います。


 ただ、そこを差し引いて考えれば、決して良い試合とは言い難かったと思います。
 後半に自由に攻撃が出来るような状況になっても、コンビネーションプレーなどはほぼなく個人技での突破ばかりだった。
 攻撃の質の課題は、最後まで変わらなかったと思います。

 終わり良ければ総て良しで強引にまとめてしまっては、次への成長は難しいと思います。
 今節で琉球の残留もなくなったそうですが、ジェフもPO進出の可能性がなくなったとのこと。
 試合としては、J2の中位から下位らしいクオリティだったと思います。

■劣勢の展開も前半終盤に同点

 ジェフはダニエル・アウベスが控えに戻り、秋山がスタメン復帰。
 サブに末吉が戻って、高橋が外れました。

 琉球阿部拓馬が8月末の水戸戦で負傷し、アキレス腱を断裂し全治6ヶ月の診断を受けています。
 スタメンは前節と変わらず、ジェフアカデミー出身の加藤恒平ボランチに入っています。
 サブには沼田が復帰して元ジェフ金井が外れ、大型FWサダム・スレイなどが控えています。


 立ち上がりから、ジェフがボールを持つ展開。
 ただ、琉球はプレスが組織的で、中央にはボールを入れられない状況が続きます。
 琉球はナチョ監督が就任してから守備的で、守りながらカウンターを狙っていきます。

 ジェフが攻撃を作れないまま進むと、16分に琉球が先制。
 中盤左で福村が鋭いアーリークロス
 ゴール前で野田が、田邉の前を取ってゴールを決め0‐1。


 失点後、ジェフはより前に持ち込めなくなっていきます。 
 21分、ジェフのアクシデント。
 米倉が負傷交代し、末吉が投入されそのまま右に。

 その直後、琉球の攻撃。
 中盤で左右に繋いで、右サイドの上原牧人からクロス。
 武沢がヘディングで合わせますが、GK新井が対応。


 39分、琉球の攻撃。
 中盤で池田が拾って、ケルヴィンに縦パス。
 ケルヴィンがキープして、スルーパスを出すと武沢が走り込み田邉が倒してあわやPKかと思われましたが、ノーホイッスル。

 ジェフの攻撃がないまま、前半終了かと思われましたが45分。
 田邉が左サイドを持ち上がって、グラウンダーのクロス。
 これを高木が落として、熊谷がミドルシュートを放ち1‐1の同点で前半を終えました。

琉球の足が止まり2ゴール

 後半から琉球の運動量が徐々に落ちていきます。
 開始直後、ジェフの攻撃。
 右サイドでパスを繋いで福村をかわした高木がミドルシュートを放ちますが、ゴールの左を逸れます。

 51分には琉球の攻撃。
 左サイドの裏で、大本がパスを受けます。
 そのまま新井一耀をかわしてシュートまで持ち込みますが、大きく外れます。


 57分、ジェフが中盤で得たFK。
 長い距離でしたが、田口が蹴りバーの上。
 その直後、琉球は野田とケルヴィンを下げ、サダム・スレイと草野を投入。

 65分、ジェフの攻撃。
 熊谷からのパスを受けた、秋山がワンタッチパス。
 見木がハーフスペースで受けますが、角度がなくシュートはサイドネットの外。 


 68分、琉球の攻撃。
 クロスを拾った大本から、ボールを受けた中盤の池田から縦パス。
 大本が再び受け直してシュートを放ちますが、GK新井の正面。

 70分、琉球は加藤を下げて人見を投入し、武沢がボランチに入り人見が右SHに。
 72分にはジェフのチャンス。
 田口からのスルーパスを秋山が受けてクロスを上げると、混戦状態で高木、末吉と狙いますが、ゴールならず。


 75分、琉球の攻撃。
 ジェフのパスミスから人見が受けて、上原がクロス。
 こぼれたところを大本が狙いますが、枠を捉えきれず。

 77分、ジェフは高木、秋山を下げて、リカルド・ロペスダニエル・アウベスを投入。
 80分、ジェフの攻撃。
 右サイドの熊谷から楔のパスを送ると、ソロモンが反転してシュートまで持ち込みますが枠の外。


 70分前後から、琉球の足が完全に止まっていきます。
 82分、ジェフは田口、ソロモンを下げて、小林、レオンソを投入。
 同時に琉球も武沢を下げて、富所を投入。

 83分には琉球の攻撃。
 中盤でのFKから、上原が田邉の裏を取りクロス。
 しかし、ゴール前で小林がカバー。


 そのプレーで得たCKをジェフが跳ね返すと、ジェフがカウンターで2対2の状況に。
 レオンソが長い距離を持ち上がって、相手もかわしシュート。
 これが決まって2‐1に。

 その後、琉球も攻める姿勢を見せますが、チャンスは生まれず。
 2‐1の勝利となりました。

琉球のプレスは攻略できず足が止まってからのゴール

 やはり琉球はナチョ監督になって、かなりプレスが整備された印象でした。
 ただ、ジェフのハイプレスのように我武者羅に追いかけて、高い位置でボールを奪う狙いではない。
 4‐4‐2のゾーンで待ち構えて、ポジションを細かく修正ししっかりとコースを消す、危険な位置で前を向かせない守備をしていました。

 だから、前半からジェフは、ボールを持つことは可能だった。
 しかし、コースは消されて、良い位置では前を向けなかった。
 そのため、ジェフはサイドへサイドへとボールを繋がるを得ず、そこから苦し紛れのクロスを上げるしかなかった。


 結局のところジェフは、そのプレスを攻略することは出来ず。
 後半に琉球の足が完全に止まって、プレスが機能しなくなったところで、攻撃を仕掛けられるようになった。
 これもサッカーと言えばそれまでですが、結局は自発的に攻撃を作ってプレスを崩すことは出来なかったわけで、質の高い相手だったらこうはいかなかったのではないかと思います。

 攻撃においても、琉球の方が意図がはっきりしていたようにも見えました。
 琉球は野田の高さとポスト、ケルヴィンと池田のキープ、福村のクロスや大本の縦への仕掛けなど、少ない戦力でそれぞれの個性を活かそうとしていた。
 連係プレーなどは少なかったとはいえ、やることは明確だったかなとも思います。


 一方のジェフは組織的な攻撃が作れないだけでなく、個人能力も活かしきれなかったように思います。
 ボランチのワンタッチパスで琉球のプレスをかわそうとしたり、前半途中から相手ボランチが前に出てきたら、後半から見木が相手ボランチの裏を取ったりと局面での工夫は見られていた。
 しかし、肝心の相手を崩す、点を取るまでの道筋というのは、なかなか最後まで明確にならなかった印象です。

 そこが今ひとつ結果が残せなかっただけでなく、単純に「強い」と感じることが少ないチームだったことに対する原因だったように思います。
 とはいえ、まだ残り1試合ありますから、最後だけでもスッキリと終わるといいですね。