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第11節 熊本 2-2 ジェフ 守備的な戦いを選んだジェフとぶれなかった熊本

 DAZNの要望で始まったJリーグの金曜開催。
 メディアの注目を分散するためとのことですが効果はあまり感じず、逆に観客動員で苦労している気もするのですがどうなんでしょう。
 他のJクラブファンは視聴しやすくなるので、結果的に再生数は延びてDAZNのスポンサーを集めやすくなるのでしょうか。

 この試合は連戦後の金曜開催ということもあってか、コンディションも苦しかったように思います。
 アウェイのジェフは藤枝戦を思い起こさせるような体の重さでしたし、熊本もいつもほどの運動量はなかった印象でした。
 試合のクオリティとしては、お互いにもう1つだったと思います。


 ジェフは前節東京V戦でバランス重視の戦い方をとり久々の勝利を遂げましたが、熊本戦はより守備的だったと思います。
 相手の変則的なシステムもあって、かなりボールを持たれてしまった。
 後方からのビルドアップもショートパスではなく、ブワニカの頭を狙うことが多い展開でした。

 日程も加味した戦い方だったのか。
 前節の成功体験もあっての選択か。
 これまでの試合に比べると重心がかなり異なりますが、今後このスタイルでいくことになるんでしょうか。

■熊本に攻め込まれるもCKからゴール

 ジェフは前節負傷交代した福満がメンバー外で、田中が復帰。
 ベンチには末吉が入りました。

 連戦中も右ウイング以外はスタメンを維持した熊本は、今回もスタメンを継続。
 サブには元ジェフGK佐藤優也が入っています。
 また、サブの熊本ユース出身FW道脇は昨年末16歳ながらプロ契約を結んでおり、それ以外も若い選手が並んでいます。


 キックオフ直後はジェフが攻め込みますが、その後は熊本ペース。
 ジェフは全体のラインが低く、守備的な戦い方になっていきました。
 セカンドボールも拾われて劣勢の展開に。

 8分、熊本の決定機。
 石川が落として、島村がスルーパス
 平川が抜け出してシュートを放ちますが、バー直撃。


 21分にも熊本の攻撃。
 見木のバックパスのミスから、石川がボールを受けます。
 そのままシュートを放ちますが、GK新井がセーブ。

 27分にはジェフの攻撃。
 鈴木大輔が持ち上がって、スルーパス
 ブワニカが飛び出して受けて、クロスを上げますが、田中には合わず。

 前半終盤は若干ジェフが盛り返していき、40分にジェフが先制。
 左サイドからのCK。
 田口が蹴ると、西久保が頭で合わせてゴールを決め1‐0で折り返します。

■2点リードも逃げきれず引き分けに

 後半開始直後、ジェフの攻撃。
 左サイド前方で日高がボールを奪い、そのままシュートを狙いますが、ゴールの右。

 60分、ジェフが追加点。
 左サイドから中央へ椿が持ち上がって、見木、田中と展開。
 田中がグラウンダーでラストパスを出すと、椿が合わせて2‐0。


 62分、ジェフは田中を下げて、末吉を投入。
 64分、田口が足を痛めて、高橋を起用。
 65分、熊本は石川、相澤を下げて、大崎、大西を投入。

 69分、熊本が1点を返します。
 熊本のCKのながれから、高橋が大崎に競り負けます。
 前にこぼれたところを、江崎がゴールを決めて2‐1。


 その直後、ジェフの攻撃。
 見木のキープから高橋が左前方へ。
 椿が仕掛けてシュートまでいきますが、枠の外。

 75分、熊本は島村、竹本を下げて、粟飯原、豊田を投入。
 80分、ジェフはブワニカ、椿、西久保を下げて、呉屋、矢口、松田を投入。
 矢口が左インサイド、高橋が右インサイドに回る5‐3‐1‐1になりました。

 試合終盤、ジェフは時間を使って逃げ切る展開に。
 しかし、後半アディショナルタイム、相手のボールが小林の手にあたってPK。
 これを粟飯原が決めて2‐2の引き分けに終わりました。

■東京V戦での勝利が迷走に繋がる可能性が?

 熊本は3‐3‐3‐1の特殊なシステムを採るため、ジェフがどうプレスをかけていくかが注目でした。
 アンカーには見木がマンマークでついて、ブワニカが相手の中央CBを見る。
 相手の左右CBにはある程度持たせて、プレスに行ければ左右SHが前に出ていく。

 ただ、SHがプレスに出ていける回数はかなり限定的でした。
 この日は見木の運動量がもう1つだったし、ブワニカは3人を見なければいけなかった。
 その分ジェフは後方を厚くしたかなり守備的な戦い方だったわけで、これはこれまでのスタイルとは大きく異なります。


 タイトルでも取り上げましたが、対戦相手の熊本は最後まで戦い方がぶれなかった。
 大木監督は一枚目の交代カードで左CBを入れ替えて、大西を投入しそこからビルドアップをスタートしていました。
 パスサッカーを展開する大木監督らしい交代で、左CBにはプレスが来ないことも加味して、そこに手を加えたのでしょう。

 一方のジェフは、試合終盤に5‐3‐1‐1にして戦ってしまった。
 今季序盤の積極的だったプレスへいく形どころか、後方にひいて守る形となってしまった。
 結果的により相手左右CBエリアは空きそこから攻め込まれる展開が増えて、最後はペナルティエリア内でのハンドから、同点に追いつかれてしまったことになります。


 こうなってくると、迷走する可能性も出てくるのでしょうか。
 前節東京V戦の勝利もあって、守備的な展開となってしまったのではないかと思うのですが、それが逆に仇となってしまうのか。
 なんとなく、奇跡の残留と言われた2008年を経験した結果、翌年以降迷走したクラブの流れも思い出します。

 試合前にもちょうど、今後の方向性をどうしていくのかを取り上げたばかり。

yukkuriikou.hatenablog.com

 やはり理想で言えば、自分たちの本来目指すスタイルで勝利が欲しい。
 それが次につながる大きな一歩となるのではないかと思うのですが、そもそも既に方向性は変わってしまったのでしょうか。

 
 ただし、改めて思い返すと、東京V戦は決してここまで守備的な戦いではなかった。
 先制するまでは前への姿勢も見せていたし、後半2トップの運動量が落ちるまではプレスにも行っていたはずです。
 相手に攻め込まれても最後までチャンスを作らせなかったのも、ボールホルダーにしっかりと寄せに行けていたから。

 この日のジェフは最初から最後まで、相手に寄せに行けていなかった。
 そこは大きな違いだと思いますし、反省すべき点ではないでしょうか。
 悪いばかりのチームではないと思いますので、改めてどう戦っていくべきなのかをチームで整理してほしいところではないかと思います。