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強烈なモチベーター・ジェフOB秋葉忠宏監督が就任し快進撃を続ける清水と対戦

 連戦初戦の甲府戦を1-0で飾ったジェフは、明日フクアリで清水と対戦します。
 今年J2に降格した清水はゼ・リカルド監督が続投しますが、開幕から7試合勝ち星なしと大苦戦。
 そこで4月上旬にジェフOBでもある前水戸監督の秋葉忠宏コーチが昇格すると、そこから6勝2分と8試合負けなしで破竹の勢いで快進撃を続けています。

 ゼ・リカルド監督も秋葉監督も基本的には攻撃的なスタイルだと思いますので、引き継ぎやすい部分もあったのかもしれません。
 ゼ・リカルド監督体制でもチャンスは作れていたチームでしたし、どこかにエッセンスが残っている部分もあるのかなとは思います。
 しかし、基本的には秋葉監督が昨年まで指揮した、水戸に近いサッカーになっているイメージです。


 特に印象的なのがビルドアップで、DFがボランチなど中盤にショートパスを送る。
 それによって中盤が相手選手を引き付け、バックパスしてサイドなどに展開するパスワークが特徴だと思います。
 これは水戸時代から、秋葉監督が狙っていた展開ですね。

 ジェフも後方で引き付けて展開するビルドアップを実施していますが、ジェフは後方に数名が集まって繋ぐのに対し、秋葉監督は中盤で引き付けて展開するという形で、狙いは同じかもしれませんが動きは異なります。
 清水の相手からすると、中盤に縦パスが入ったところで詰めないと反転されてしまうけど、人数をかけすぎるとスペースが出来て展開されてしまう。
 そのジレンマを作って、攻撃を組み立てていく感じだと思います。


 また、チャンスと見るや一気に多くの選手が縦に走り込んでいくカウンターも、水戸時代からの大きな武器ですね。
 遅攻でのサイドへの展開やカウンター時のスプリントで走力を見せ活躍しているのが元ジェフ北爪で、前節藤枝戦でもゴールを決め、前々節いわき戦でも3アシストと貢献しています。
 また、昨年水戸で活躍したジェフの椿も、縦に勢いのある秋葉監督のスタイルにあっていたところがありました。

 一方で守備時は4‐4‐2で丁寧にポジション修正し、いけるところはプレスにいくというスタイル。
 ショートカウンターの意識も強く、組織的に堅実な守備を展開している印象です。
 攻守にやることがはっきりしていて、隙のないチームとなっています。


 ただ、戦術以上に秋葉監督が就任して、サッカーに集中する意識やモチベーションの部分が一番変わったのではないでしょうか。
 近年の清水はロティーナ監督やGK権田、鈴木義宜、乾、北川、ディサロなどを積極補強して、期待感も高かったと思うのですが、クラブ運営も安定せず結果は出なかった。
 言い方は悪いかもしれませんが、結果的に低迷の言い訳をゼ・リカルド監督に押し付けるような形になったところで、秋葉監督が弾みをつけて一気に勢いをつけていった、いわばカタルシスが生まれた状況なのかもしれません。

 低迷理由を当時の監督のせいにして、次の監督で一致団結するという流れは、ジェフなど他チームでもよくある話。
 アマル監督後のクゼ監督体制でもブーイングはなしという応援でしたし、鈴木監督の後の関塚監督も当初はそうでした。
 問題はその勢いを結果に繋げて成長させ一時的なものにしないことであり、秋葉監督も今後はそこに注目が集まるのではないでしょうか。


 ただ、清水の場合は、やはり選手の質が非常に高い。
 単純に飛び抜けた打開力があるとかフィジカルが強いとかだけではなく、1人1人の細かな技術力が高いし、スタミナもあるし、判断スピードも速い。
 そこに明確な戦術と方向性が植え付けられた上、モチベーションも高いとなれば、J2の他チームにとっては脅威ですね。

 前々節いわき戦で9‐1と記録的なスコアで勝利をあげると、前節藤枝戦でも5‐0と大勝。
 J2に昇格したばかりの2チームにとっては、大きなショックが残る試合となったのかもしれません。
 今や清水はJ1レベルに、仕上がっているのではないでしょうか。

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 ジェフとしても、まずは守備から試合に入る必要があるかもしれませんし、連戦ですから守備的なスタメンにシフトしても良いのかなとも思います。
 例えばここ数試合足を引きずっている風間などは休ませて、90分持たないブワニカも一度控えに回し、小森や見木の2トップでもいいのかもしれない。
 その分、熊谷などをボランチに使えば、中盤後方の守備も堅くなります。


 ただ、小森や熊谷もスタメンで戦える段階にあるかはわからない状況です。
 動きからしてまだ万全ではないのかなとも思いましたし、試合勘などにも不安がある。
 田口などもまだ帰ってきませんし、スタメンを入れ替えるほどの余裕があるのかわかりません。

 今年は選手層も厚くなくそこも課題ではあるのですが、強かった欧州路線の時代もジェフは選手層が薄く、その分若手が育った経緯があります。
 それだけに選手層よりも気になるのは、怪我人が多いことではないでしょうか。
 それが一時的な問題ならまだいいのですが、昨年から怪我人が多く監督も変わっているだけに、バックアップ体制などに疑問を感じなくもありません。


 対する秋葉監督は水戸時代からターンオーバーを敷き、清水でも連戦中はメンバーを入れ替えたこともある。
 ジェフ戦でも入れ替えがあるかもしれませんし、そこに隙が生まれる可能性もあるでしょう。
 ただ、清水は層も厚いですから、ジェフはどんな選手が来ても対応できる準備が必要になってきますね。

 正直怖さもありますが、ジェフの選手たちも好調清水相手ということで気合の入る試合になると思いますし、良い方向に気持ちをもっていきたいですね。
 前節も後半は押し込まれながら何とか逃げ切りましたが、ああいった誤魔化しは効かない相手となるのではないでしょうか。
 守備に関しても耐えて相手のミスを待ち、跳ね返すような時間ばかりではなく、守備から主導権を握る意識も必要になってくるかもしれません。


 小林監督も「リスペクトしすぎないこと」と話しているように、受けに回るだけではなく自分たちの強みも出していかなければいけない。

 簡単ではない試合になると思いますが、よりレベルの高い相手に結果を残し、そこを乗り越えることによって、チームとしてさらに成長してほしいと思います。