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第37節 岡山 0-5 ジェフ 苦手なアウェイでライバル相手に大勝

 アウェイ岡山戦ということで、難しい試合も予想されましたが、蓋を開けてみればジェフの完勝でした。
 前半から一方的な展開を作れていましたし、後半も1人相手に退場者が出たこともあって、しっかりと試合を終えることが出来ました。
 最終的な得失点差を考えても、5‐0という結果は大きいですね。

 ジェフはここまでアウェイゲームの内容が悪く、コンディションが良くないことが多かったと思います。
 実際の成績も悪く、ここまでホームの勝率は61%なのに対し、アウェイの勝率は28%に留まっています。

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 シーズン終盤の追い上げを考えると、アウェイでの成績向上はマストでしたから、そういった意味でも大きい。
 さらに、連勝中も大差での快勝はなかったわけで、それをライバルの1チームでもある岡山にやれたことも重要ですね。


 試合内容に関しては、ジェフが前半からスピード感のあるプレーを見せていったのに対し、岡山はついていけていなかった印象です。
 岡山がどっしりと構えるチームなのに対し、それに釣られることなくジェフが素早く攻め込んでいったことが先手となったのではないでしょうか。
 切り替えのスピードもそうだし、素早い攻撃も含めて、勢いを感じましたね。

 試合終盤に岡山が巻き返してきたことを考えると、後半途中から勝負を仕掛けたかったのかもしれませんが、それにしても前半の岡山は動きも重く内容も悪かったと思います。
 そこをしっかりとジェフが突いて、勝利を遂げることが出来ました。
 ジェフに関しては相手に押し込まれて後方に圧力をかけられると苦労する部分も感じましたが、攻撃面では多彩な展開を見せられていましたし、素晴らしい試合だったと思います。

■ジェフの一方的な展開で3点リード

 ジェフはスタメン継続。
 控えから久保庭が外れて、新井一耀が復帰しました。

 岡山は末吉が出場停止で契約でも出られず、代わりに河野がスタメン復帰。
 控えからGK金山が外れて、GK山田が入りました。
 山田はU-22日本代表でアジア大会に参加中でしたが、一時離村しての合流となっています。


 2分、ジェフの攻撃。
 左サイドでドゥドゥ、日高、見木と繋いで、最後はドゥドゥがシュート。
 しかし、GK堀田がセーブ。

 このプレーで得た左サイドからのCK。
 田口が蹴ると、ファーでメンデスが競り合ってゴール。
 先制点を上げます。


 8分、岡山の攻撃。
 左サイドからのCK。
 田部井が蹴ると、柳が合わせますが、GK鈴木の正面。

 その直後、ジェフの攻撃。
 プレスから、風間が高い位置でボール奪取。
 田中がミドルシュートを放ちますが、GK堀田が対応。


 13分、ジェフの決定機。
 日高の大きな展開から、逆サイドの田中が風間へ。
 呉屋のポストプレーを受けた田中のシュートのこぼれを、ドゥドゥが狙いますがポスト直撃。

 20分、ジェフの追加点。
 佐々木からのロングパスに日高が反応して裏を狙い、こぼれたところを風間が頭で合わせます。
 これをドゥドゥが受けて、ミドルシュートを決めて2‐0。


 30分、ジェフの追加点。
 日高が高い位置でプレスにいき、こぼれたところを呉屋が反応し、PAへ侵入したところで柳が倒してPK。
 これを呉屋が決めて3‐0。

 42分にもジェフの攻撃。
 中盤右で得たFK。
 田口が蹴ると呉屋がニアで合わせますが、枠の外。

 その直後には岡山のチャンス。
 後方からのパスを受けた仙波が見木の裏を取って、長い距離を持ち上がります。
 ゴール前で田部井に繋ぐと、混戦の中抜け出してシュートを放ちますがGK鈴木がセーブし、3点リードで折り返します。

■相手に退場者も出て5‐0で勝利

 岡山は河野を下げて、木村を投入。
 本山が右SB、高橋諒が左SB、田部井が左SHに回る、4‐4‐2へ変更となりました。

 しかし、49分、ジェフが追加点。
 田口からのロングパスに、田中が抜け出して中央へ。
 ドゥドゥがスルーしたところから、呉屋がシュートを放ち4‐0。


 53分、後方で得たFKを、高橋壱晟が左足で前線へ展開。
 これを受けた田中が、高橋諒の前を取って倒されます。
 これが決定機阻止と判断され、レッドカードで退場に。

 56分、1人少ない岡山は仙波、坂本を下げて、ルカオ、高木を投入。
 高木が左SBに入る4‐3‐2になりました。
 60分、ジェフは風間、呉屋、ドゥドゥを下げて、福満、小森、米倉が入り、田中が左SHへ。


 61分、ジェフのチャンス。
 相手CKを弾いたところから、田口のパスを受けた見木が持ち上がって米倉へ。
 米倉がクロスを上げると、小森が頭で合わせますが、枠の外。

 67分、ジェフがさらに追加点。
 高橋からのパスを、うまく間で受けた田口が前へ。
 裏の取った米倉のクロスを田中が頭で合わせると、GK堀田が弾いて小森が押し込み5‐0。


 その直後、岡山はチアゴ・アウベスを下げて、ムークを投入しそのまま前線へ。
 72分、警告を受けた佐々木を下げて、新井一耀を投入。
 1人少なくなった岡山ですが、積極的にパワーで前へ押し込んでいきます。

 79分、岡山の攻撃。
 前方左で得たFKを田部井が蹴ると、ルカオが合わせます。
 しかし、GK鈴木が対応。


 81分、岡山は輪笠を下げて河井を投入。
 83分、田口を下げて小林を投入。
 岡山の勢いも徐々に下がっていきます。

 85分、ジェフの攻撃。
 見木の縦パスを田中が落として日高へ。
 日高、小森、福満と中央へ繋いでミドルシュートを放ちますが、ゴールの左。

 91分にもジェフの攻撃。
 こぼれ球を受けた小森が落とし、見木のパスを受けた日高がミドルシュートを狙いますが、枠を捉えきれず。
 最後は岡山の足も止まり5‐0で勝利となりました。

■アンカーへの対策に差を感じた試合

 岡山は2トップ2シャドーで前線中央に圧力をかけてくる攻撃を仕掛けてきますが、ジェフは攻撃的なチームなだけに守備に転じると怖さもありました。
 しかし、特に前半のジェフは守備に回ることがなく、攻撃でどんどん押し込むことで、試合の流れを掴んでいきました。

 総じて岡山の動きが重かった試合だとは思いますが、戦術的にもジェフが上回った展開で、特に岡山はアンカー田口への守備が中途半端だったと思います。
 5‐1‐2‐2を基本システムにしている岡山ですが、ジェフが後方でパスを回している時は、アンカーの輪笠が田口を見るために前へ上がってきた。
 シャドーが田口を見る形になると、ジェフのインサイドがアンカー脇を狙うなど、ギャップを取られるのが怖いと見たのでしょうか。


 そのため、岡山は2シャドーがジェフの2インサイドにそのままつく形をとったのですが、押し込まれた時には輪笠がアンカーの位置まで下がっていった。
 この守り方だと輪笠は、中盤を上下しなければならない上に、今のジェフは攻撃が素早い。
 結局、プレスにいく時も輪笠は間に合わず、攻め込まれると田口のマーカーが決まっていないため、田口がフリーになりがちでした。

 さすがに後半には修正してくるのかなと思っていたのですが、岡山は4‐4‐2シフト。
 3点ビハインドだったため守備より攻撃を優先したのかもしれませんが、結局田口を止めることは出来ず、4点目の起点になったのもアンカーの位置でフリーになった田口でした。
 良いリズムで攻撃を作れた田口は波に乗って守備面でも大きく貢献し、攻守にピッチを支配していったことになります。


 逆にジェフのプレスは、アンカー対策がしっかりしていた。
 3バックとアンカーでパスを回す岡山に対し、前線の呉屋から守備にいってサイドへ押し込み、片方のSHと呉屋で追いかける。
 そして、相手アンカーには風間が中心につく形でプレスにいったのですが、3バックへのプレス以上に輪笠のところで囲って潰す意識が高かった印象で、そこで奪ってチャンスを作っていきました。

 輪笠のところがボールの奪い所になっていた印象で、結果的にアンカーへの対策に大きな差が出た試合だったと思います。
 もちろん全体的なスピード感、攻守の切り替えなどにも差が大きく、そこがベースとなっていたことには間違いないと思います。
 しかし、戦術面というか、チームとしての準備の部分においても、ジェフが上回った試合だったのではないかといった印象でした。


 若干心配だったのが、試合を落ち着かせようとする時間帯に、押し込まれてしまったことでしょうか。
 前半も2点目が入った後にゆっくりとパスを回そうとした際に、なかなか攻撃のスイッチを入れられなかったし、後半相手に退場者が出て前線へ圧力をかけてこられた時に苦戦した傾向が見られた。
 自分たちが前へ圧力をかけられている時はいいですが、うまく時間を使うことやパワーで押された時にどう対処するのか。

 試合終盤は運動量も落ちていましたし、退場者が出たことで楽に戦えたことも事実でしょう。
 とはいえ、この日のジェフは前半から素晴らしい試合展開を見せていましたし、何よりもチームに勢いを感じる。
 今はこれを止めずに、最後まで走り抜けたいところですね。