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第33節 愛媛 1-2 ジェフ 愛媛に押せ押せの展開を作られるも小森飛絢の2ゴールで辛勝

 先週も「流れに関係なくゴールを決めてしまう小森」というお話をしましたが、この試合でも小森が良い意味で空気を読まずにゴールを決めてしました。
 特に2点目は後半に入ってから愛媛が完全に押せ押せのペースが長く続き、同点ゴールを決められてしまった直後。
 相手からすれば、「流れとは?」「展開とは?」と感じるゴールだったと思いますし、小森様様な試合でした。

 もちろん愛媛も細かいミスは非常に多かったですし、失点シーンもクロスの甘いところから生まれたもの。
 しかし、相手が5回も6回もチャンスを作ってようやくゴールを上げているのに対し、小森は本当にワンチャンスでゴールを決めてしまう。
 試合前にチャンスを作ればゴールを決めてくれる選手がいるとは話しましたが、ここまでの決定力を見せられるとさすがにこちらもびっくりしてしまいますね。


 ただ、試合全体で言えば、ジェフは課題も多い試合だったと思います。
 押し込まれる時間が長く、ピンチを何度も作られていた。
 攻撃面での貢献度が高い品田や2CBも守備に回ると課題が出てしまう部分がありますし、その不安が出てしまった試合ではないでしょうか。

 また、やはりジェフはアウェイになるとコンディション面で劣勢に立たされ、苦戦してしまう傾向があるのかなとも思います。
 PO圏内を維持したとはいえ、6位ではPO本番もアウェイゲームが続くことになるわけですし、アウェイ対策はもちろんのこと、順位を上げてなるべくホームでPOを迎えたいところではないかなとも思います。

■立ち上がりは一進一退も小森が決めて1点リード

 横山が出場停止となったジェフは、ドゥドゥがスタメンでそのまま横山のポジションに。
 控えには高木が入りました。

 愛媛は石渡、尾崎に代わって、谷岡、三原がスタメン。
 谷岡がボランチ、三原が右SBに入る4-2-3-1に。
 前線には元ジェフ松田力、GKもジェフアカデミー出身の辻が入っています。


 11分にはジェフのチャンス。
 左サイドのCKを品田が蹴ると、フリーになった松田陸が合わせますが、ゴールの右。
 立ち上がりは一進一退の展開で、愛媛もしっかりとパスを繋いで攻め込んできましたが、徐々にジェフが押し込む時間が増えていきます。

 23分、ジェフが先制。
 ロングスローの流れから、松田陸が間で受けて、田中を走らせるスルーパス。
 田中がクロスを上げると、小森が決めて1-0。


 30分には愛媛の決定機。
 窪田が中盤後方で、小森をかわして縦パス。
 松田力、深澤と繋いでヒールで落とし、松田力が抜け出してシュートに行きますが、バーの上。

 前半中盤からは、愛媛が攻め込む展開が目立つ時間帯に。
 42分にも愛媛の攻撃。
 愛媛のプレスから、佐々木のパスミスを拾った茂木が、ミドルシュートを放ちますが、枠の外。

 45分にはジェフのチャンス。
 エドゥアルドからの浮き球の縦パスを高橋、小森と繋ぎ、杉山が仕掛けてクロス。
 高橋が狙いますが、小川がブロックし1-0で折り返します。

■完全な愛媛ペースも小森のゴールで勝利

 愛媛から窪田を下げパクを投入し、パクが右SHに入って茂木が左SHに移りました。
 後半に入っても、積極的に愛媛が仕掛けていきます。

 53分には、ジェフの攻撃。
 中盤右からのFK。
 長めの距離でしたが、品田が直接狙うもバーの上。


 58分には愛媛のチャンス。
 中盤右からのFK。
 茂木が蹴って谷岡がヘディングで狙いますが、ポストの右。

 60分にも愛媛の決定機。
 谷岡からの縦パスを、石浦がターンから前へ。
 ポケットを侵入した谷岡が受けてシュートにいきますが、GK鈴木がファインセーブ。


 押せ押せの展開を作る愛媛は65分、谷岡を下げて谷本を投入。
 67分にも愛媛の決定機。
 右サイドからのCKがファーにこぼれたところを深澤がミドルで狙いますが、ポスト直撃でゴールならず。

 劣勢のジェフは68分、ドゥドゥ、杉山、小川を下げて、椿、田口、山越を投入し、前線に田口、山越がCBで佐々木が左SBに。
 しかし、72分、愛媛が同点ゴール。
 中盤でセカンドボールを拾ったところから谷本、茂木と繋いで、オーバーラップを仕掛けた今野が左からシュートを放ち1-1に。


 しかし、その直後、ジェフが勝ち越し点。
 佐々木のクロスがこぼれたところを、小森が拾ってシュート。
 これが決まって2-1に。

 77分、愛媛は茂木、松田力を下げて、曽根田、曽田を投入。
 81分、ジェフはエドゥアルド、田中を下げて、林、岡庭を投入し田口がボランチに。
 88分、愛媛は石浦を下げて浦を投入。

 小森のゴールで、さすがに愛媛も勢いが落ちていきます。
 それでも愛媛が攻め込む時間帯が続きますが、ゴールは生まれず。
 2-1でジェフが逃げ切りました。

■プレスがはまらずラインが下がって劣勢に

 愛媛はショートパスを繋ぐ形を作るのが、非常にうまかったと思います。
 攻撃時は4-2-3-1から左右SBを高い位置に上げることで、ジェフの左右SHを押し下げる。
 そこから2CBとダブルボランチが絡んで、ビルドアップを開始する。

 こうすればジェフの前線2枚に対して、愛媛は4枚で数的優位を作れることになります。
 これだと前方の人数が少なくなることにはなりますが、ボランチの1枚がジェフの2トップの間、後方で顔を出し、そこでボールを受ける。
 そこから前を向くことによって、中央ど真ん中からパスを出せる状況となり、そこから決定的な攻撃を作っていきました。

 
 正直、後方からのパスワーク作りといった点では、愛媛の方がジェフを上回っていたのではないかと思います。
 愛媛はジェフのCB裏を狙うロングパスもうまく織り交ぜてきて、ここはもう各チームに狙われている印象もありますね。
 ただ、愛媛はそれでもラストパスやクロスの精度、シュートの正確性においては課題もあって、この日も1ゴール止まりに終わってしまったというところが、現在の16位という順位にいるのではないかと思います。

 対するジェフは、相手のビルドアップに対して、プレスをなかなかはめられなかった。
 ドゥドゥが前線に入った影響も大きいのかもしれませんが、上記の通り単純に人数不利だった状況にあっても、そこを修正も出来なかった印象です。
 アウェイということもあって、コンディションが上がり切らなかったことも大きかったのではないでしょうか。


 前からのプレスがはまらないこともあって、全体のラインが下がってしまったこと。
 この影響が響いて、後半はセカンドボールを拾われ、一気にゴール前まで攻め込まれ、劣勢の時間が長くなってしまったのではないでしょうか。
 冒頭で話した通り、今のメンバーで守備に回ると、苦しいところがあるように思います。

 そこで小林監督は後半途中から田口や山越を投入して、前線に田口を、CBに山越を入れたのではないかと思います。
 特に田口は守備時に小森より少し下がった位置でプレーし、相手のビルドアップに抵抗したポジションを取っていたように見えました。
 ただ、その投入直後に失点したということで、交代のタイミングも少し遅かったのかもしれませんし、理想で言えば選手交代の前に修正したかったところではないかとも思います。


 しかし、それらの流れを、完全に無視したかのような小森の一発。
 これですべてが決まって、2-1でジェフの勝利となりました。
 あの流れのままならむしろ愛媛がもう1点を奪ってもおかしくないような試合展開だったと思うのですが、もはや説明しようもない決定力ですね。

 ただ、いつまでも、小森の一発に期待するのも怖いところ。
 現状だと小森に何かあった途端、一気に窮地に立たされかねないですし、しっかりと反省すべきところは反省して、シーズン終盤に向かいたいところではないでしょうか。
 まだまだやるべきことは多いのではないかなとも思います。