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武藤覚監督「ジェフの守備を見てバイタルエリアが空いてくると感じた」

 ジェフ対群馬戦後、群馬の武藤監督のコメントです。
 ジェフは8月末からの好調で守備面にスポットが当たることは少ないですが、守備に関してはまだ不安な部分も残っているようにも思います。

thespa.co.jp

武藤覚監督「ジェフさんの守備を見て、あの(バイタルエリアの)位置が空いてくるというのは感じた部分でした。和田がそこでプレーできるというのは分かっていましたし、らしさを出してくれたと思います」

 以前にも話していますが、現在のジェフはバイタルエリアが空きがちな傾向がある。
 マンマークでどんどんと人についていってしまうところがある上に、攻撃時は左ボランチがインサイドの位置に上がって4-1-2-3のシステムになる。
 そのため、攻守の切り替えで後れを取って左インサイドの裏を取られたり、守備時もプレスにいく時は左ボランチが前に出がちなので、1ボランチ状態になったところからそこを突かれることがある印象です。

 そのため、武藤監督は機動力のある和田を前線で起用して、バイタルエリアを取りに行ったのでしょう。
 考えて見れば、愛媛戦でもトップ下の石浦を捕まえきれず、苦戦したところがあります。
 そこが攻撃面でのジェフ攻略方法となっていくのかもしれません。


 群馬戦で、特に気になったのは12分のシーン。

 群馬の仙波が後方からのパスを受けると、エドゥアルドが前に出てきたため中塩に送ります。
 中塩は杉山のプレスが来る前にワンタッチで、前の山中へと繋ぎました。
 山中も高橋のプレスが来る前に、ぽっかりと空いたバイタルエリアに下がって受けた平松へ、パスを通す展開となりました。

 平松のトラップが少し大きく、攻撃に時間がかかったこともあって事なきを得ましたが、危ないシーンだったと思います。
 ちなみに、ジェフはこの少し前の9分にも、バイタルエリアにパスを通されて攻撃を作られています。
 その時はバイタルエリアでパスを繋がれて、左サイドからクロスが上げられていますが、クロスの精度を欠いてシュートまでは至っていません。


 図の場面では、まずエドゥアルドが前に出て仙波に寄せにいったことで、実質1ボランチになっています。
 しかし、ボランチの位置に残った品田も前線の川本が一度下がった位置から、斜め前方の高橋の裏を狙ったフリーランをしてきたため、そこについていってしまいました。
 そのため白いエリアで示した通り、0ボランチのような状態になってしまっています。

 ジェフの守備の場合、ボランチが相手に食い付き過ぎるため、バイタルエリアが空きがちになってしまうというところが大きいのでしょう。
 しかし、この場面でのエドゥアルドは、チーム全体として前から積極的にプレスにいくということを期待して、前に出続けて戻りが遅れたのかもしれません。
 けれども、右サイドの杉山、高橋のプレスも中途半端になった結果、そこを掻い潜られてバイタルエリアを取られてしまったとも言えなくもないでしょうし、プレスがはまっていないことがそもそもの問題という見方も出来るのかなとも思います。


 守備のスペシャリストである小林とまでは言わないにしても、田口だったらもう少し賢くバランスを取った守備が出来るのかもしれません。
 ただ、アンカー品田が局面局面で決定的なパスを出していることを考えると、品田を第一に考えたい。
 アンカー品田を軸としてパートナーを考えるのなら、全体的なフィジカル面だとサイズ面も考えて、エドゥアルドの方が相性が良いという考えでしょうか。

 しかし、品田も守備面では課題が多く、21分に群馬の右サイドを川上が抜け出して決定機を作られたシーンでも、ワンタッチでスルーパスを出した天笠への寄せが甘かったのは品田でした。
 品田の守備範囲が狭いこともあって、エドゥアルドが前に出すぎると、スペースを埋めきれないところもあるのではないかと思います。
 かといって、エドゥアルドも気の利いたカバーリングというよりは、フィジカルを活かして潰していくタイプにも思えますし、その結果スペース管理という点で問題が生じているのではないでしょうか。

 気になるのは、ここにあげた9分のシーンも12分のシーンも21分のシーンも、まだ選手たちが動けていた時間帯だったということ。
 後半に足が止まってスペースが出来てしまうというのならばまだしも、前半から守備に穴が多いということになれば、心配な要素となりかねない気がします。
 完璧な守備を90分間続けるというのは難しいにしても、少しずつでも修正していってほしいところではないでしょうか。