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第10節 ジェフ 1-0 大分 エドゥアルドの強力なミドルから試合を締めて第2節以来の完封勝利

 気温が上がってきた影響もあってか、動きの少ない試合となりました。
 特にアウェイの大分は試合を通じて動きが悪く、元気がなかったと思います。

 また、今季の大分は守備的なスタイルということで、特に前半はジェフがボールを持つ流れになりました。
 ジェフがサイドから攻め込む場面が増えましたが、大分は個々の能力も高く、簡単には縦へ突破させてくれない展開に。
 もう1歩ゴール前まで攻めきれず、セットプレーやミドルシュートからの展開が増えてしまいましたが、その中でスペシャルなミドルシュートをエドゥアルドが決めてくれました。


 そこからは逆に大分が攻めて、ジェフが守る流れに。
 大分はパスセンスの高い選手もいますが、スムーズなパスワークとまではいかず、中を取り切れずに攻撃面で苦労している印象を感じました。
 それが今季ここまで10試合で8ゴールという少なさにつながっているのでしょうし、終盤にCBペレイラを前線にあげてもそこを使うボールは出さないといった動きにも疑問を感じてしまいました。

 総じてお互いに塩っぽい試合にはなってしまったと思うのですが、今季のジェフは無理をしない戦い方をしている以上は、こういった試合も出てくるのでしょう。
 そんな中でもしっかりと試合を締めて、逃げ切れたところは良かったと思います。
 欲を言えば遅攻時のサイド以外の攻撃ももう少し作りたいところではありますが、大分の出来もあって危なげない勝利だったと思います。

■ジェフが攻め込むもボールを奪えず0-0で折り返し

 ジェフはエドゥアルド、前がスタメンに入り、横山、日高がベンチに。
 サブからは安井が外れて、林が復帰しました。

 藤原が負傷中の大分はFW屋敷、右WB吉田がスタメン。
 伊佐、有働が控えスタートになりました。
 控えから宮川が外れて、小酒井が入っています。


 お互い、静かな立ち上がりに。
 16分、ジェフの攻撃。
 前が中盤から思い切って左足でロングシュートを放ちますが、枠の外。

 19分、ジェフの攻撃。
 高橋が右サイドから左足でクロス。
 カルリーニョスが合わせますが、GK濱田がセーブ。


 前半途中から押し込まれる時間が長くなってきた大分は、守備時は屋敷が右に移って5-3-2から5-4-1へ変更。
 しかし、27分にもジェフの攻撃。
 椿からのパスを受けた前がハーフレーンからミドルで狙いますが、GK濱田がセーブ。

 29分にもジェフの攻撃。
 右サイドからのCK。
 田口が蹴ると、エドゥアルドが頭で合わせますが、バーの上。


 34分には大分の攻撃。
 中盤からのFKを大分が拾い返して、宇津元がクロス。
 有馬が頭で狙いますが、枠の外。

 42分、ジェフの攻撃。
 PA前右からのFK。
 田口が壁の外から低い弾道のシュートを狙いますが、ポストの右。

 43分には大分の攻撃。
 右サイドから吉田のロングスローのこぼれをデルランが狙いますが、力なくGKスアレスがキャッチ。
 前半は動きが少なく、0-0のまま折り返します。

■エドゥアルドのゴールから守りを固めてジェフが勝利

 再び2トップに戻した大分が、48分にカウンターから攻撃。
 鈴木大輔のパスミスから大分がボールを奪い、宇津元が左サイドからクロス。
 有馬が狙いますが、鈴木大輔がブロック。

 54分、ジェフが先制。
 ハーフレーンでボールを受けたエドゥアルドが、強力なミドルシュート。
 これがゴールネットに突き刺さり1-0。


 その直後、大分は屋敷を下げて、伊佐を投入。
 61分、ジェフはカルリーニョスを下げて林を投入。
 69分、大分は宇津元、野嶽を下げて、木許、薩川を投入し4バックに。

 スコアが動いた後は、ジェフが攻撃の勢いを緩め、大分がボールを持つ展開に。
 72分には大分のチャンス。
 左サイドからのCKを天笠が蹴ると、ニアで伊佐が頭で合わせますが、GKスアレスがセーブ。


 その直後、ジェフは椿、田口を下げて、杉山、品田を投入し田中が左SHに。
 81分、大分は有馬、野村を下げて、戸根、小酒井を投入。
 ペレイラを前線に上げます。

 しかし、それ以降も大分はゆっくりとボールを回し、ペレイラの頭を狙ったボールはほぼない状況に。
 ジェフが無難に逃げ切って、1-0の勝利を上げました。

■大分のシステムの変化と試合をクローズしたジェフ

 大分はこのところ3-1-4-2の2トップにして、前への勢いやカウンター時のターゲットを増やしてきました。
 ただ、今季の大分は守備的なので、5バックで守る時間も長くなっている。
 そうなると、守備時は5-3-2の状態になってしまいます。

 そこからWBが前に出たり、中盤3枚が左右にスライドしたり、2トップが外の守備をサポートしたりといった形で、空きがちなサイド前方を守るのが、5-3-2の基本ではないかと思います。
 同システムの今治などはそこがうまくいっている印象ですが、大分はWBが前に出る意識も少なく、中盤のスライドの意識も薄く、そのまま5-3-2で構えて守ることが多い。
 それによって、試合序盤からジェフはSBがフリーで、ボールを持てることが多い状況でした。


 それでも状況に応じて2トップからプレスに入ったり、2トップを活かしたカウンターを仕掛けられればメリットもあると思うのですが、この日の大分は立ち上がりから動きが重く、プレスにもあまりいけていなかった。
 結局、SBがフリーでボールを持ち上がるジェフが押し込んでいき、大分は劣勢の展開に。
 それによって、前半途中からの大分は5-4-1に変更したのでしょうが、後半からは再びプレスをかけていきたいということで、2トップに戻したのではないでしょうか。

 しかし、前著のような課題は変わらず、修正しきれていませんした。
 ゴールを決めたエドゥアルドのミドルシュートは強烈ではありましたが、前半から何度も前にミドルシュートを打たれていた、ハーフレーンエリアからやられたもの。
 得点シーンでも5-3-1の右MF榊原は外に出て守備にいっていますが、中央の天笠はスライドが遅れた結果、エドゥアルドが前を向いてシュートを打っています。

 守備に問題があって5-4-1にしたのでしょうから、後半から5-3-2に戻したのであれば、守備の修正はあってしかるべきなはずですが、それが見られず。
 試合終盤もCBペレイラを前線にあげたのですから、そこを使う展開がなければ意味がないと思うのですが、高さも使わず。
 相手チームのことですからあまりあれこれ言いたくはないのですが、随分とちぐはぐな印象も受けました。


 ただ、対するジェフも、攻撃面で苦労したことは事実。
 大分は個々の能力も高い上に、5バックでサイドの裏のスペースを明け渡さなかった。
 それによって、ジェフの得意とするサイドで仕掛けて裏を取るパターンがほぼ作れなかったことが、攻撃面で苦戦した要因でしょう。

 ジェフがボールを持つ展開が長かったため、カウンターも狙えなかったし、遅攻を求められてしまいました。
 結果的にサイドで詰まって、SBがアーリークロスやミドルシュートを放つ展開が多かったですが、それではゴールの外から攻撃していることになります。
 やはり理想でいえばサイドを縦に仕掛ける以外で、もう一歩中に入っていけるような攻撃を作りたいところなのではないでしょうか。


 ただ、試合終盤の守備は、ジェフも安定していたと思います。
 大分のパスワークに中を突くような怖さがなく、カウンター時の切り替えなども緩かったため、守りやすくはあったと思いますが、4-4-2で細かくポジション修正をして、しっかりとコースを消していたと思います。
 1-0での勝利となりましたが、完封勝利は第2節富山戦以来となりました。

 また、1点を奪ってから、無理に攻めに行かない姿勢も良かったのではないでしょうか。
 これによって、大分に隙を与えずに逃げ切れたということで、リスクをケアした戦い方というのが、チームとして板についてきたのかもしれません。
 これから気温が上がるにつれて、こういった展開の試合も増えてくるかもしれませんし、無理をしない戦い方に慣れていくことも非常に大事なことなのではないでしょうか。