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琉球戦で見木がトップ下でスタメン出場し初ゴール

 先週の琉球戦で、見木が今季初ゴールを決めました。
 見木は関東学院大から強化指定でジェフに登録された2019年、J2で初ゴールをあげています。
 8月の大宮戦で、安田からのクロスを相手DFがクリアミスし、大きくバウンドさせてしまったところを、見木がフリーで頭で合わせて決めたものでした。


 2019年はその1ゴールで、正式にプロ入りした2020年も1ゴール。
 この時のゴールは7月の金沢戦で、ジェフはターンオーバーのBチームで戦っており、為田からのクロスに寿人が合わせるもポスト直撃。
 こぼれ球を工藤がつめきれなかったところを、後ろから見木が合わせて決めています。

 昨年の見木は33試合に出場。
 途中出場が多かったので出場時間は短かったですが、個人的に見木には大いに期待しているので、1ゴールという結果は物足りない印象もあります。
 昨年はボランチでの出場が多かったこともあるのかもしれませんが、今季は第2節からスタメン出場を続けていますし、高いポジションでのプレーが続いていますので、昨年以上の結果が期待できるかもしれませんね。


 先週の球戦では、72分に見木がゴールを決めていますが、68分にもチャンスがありました。
 右サイドのスローインから見木、伊東、小島、福満などでパスを繋いでいき、福満がバイタルエリア方向にスルーパス
 中盤から上がっていった見木が受けて左足でシュートを放ちますが、相手DFにコースを消されていたこともあって、ふかしてしまいます。

 その直後に、GKのロングボールからの展開でこぼれ球をオナイウが縦に蹴り込んだところ、相手CB知念が先にボールを拾いますが、処理をもたついたところで見木が逃さずボールを奪取。
 そこから福満につなぎ、見木が受け直してシュートを放って、ゴールを決めています。
 ゴールシーンは相手のミス絡みではありますが、その前にもシュートを放っており、良い流れは出来ていた印象でした。


 今年のジェフは船山が前線に入っても中盤などを広範囲に動き回ることが多く、攻撃時は2トップというよりも、CFとトップ下の関係に近いのかなと思います。
 今年から小林慶行コーチが加入して、攻撃面の改善を期待されているとのことですから、小林コーチのアイディアなのでしょうか。
 見木もトップ下でプレーしているので、昨年のように2トップで起用されるよりも、やりやすいのかもしれません。

 特に琉球戦ではトップ下付近でカウンターの起点になることも多く、見木の良さが際立っていたと思います。
 見木はボールを持てば前に持ち上げることができる選手だし、そこから精度の高いパスやシュートも狙うことができる。
 本来はボランチなどより、トップ下があっているのかもしれません。


 ただ、琉球はJ2の中でも特に攻撃的なチームで、中盤にスペースがあった。
 ボランチのチョイスも上田、風間宏希と、かなり攻撃的な組み合せとなっています。
 だからこそ、中盤でパスを回せて、見木などがプレーしやすい状況になったという可能性はあると思います。

 実際、これまでの試合では、クロスからの展開が非常に多かった。
 そうなってくると、見木のトップ下では高さに物足りなさが出てきてしまうかもしれない。
 左右SHにも高さのある選手はいないし、そこが課題となる可能性はあるかもしれませんね。


 見木に関しては、メンタル面も強い選手なのではないかなと思います。
 加入当初からコメントを読んでいると、自信を持ってプレーしている印象ですし、自信家というか自我強いところもあるのかなと思います。
 そういったタイプの選手は得てして頑固になりがちなケースもありますが、プレーを見ていると今のところ柔軟さも感じる選手ではないでしょうか。

 オフにも話しましたが、昨年のメンバーで個人昇格するなら、山下、鳥海、見木あたりかなと思っていました。
 メンタル的にも強いタイプの方が、J1でも活躍できるベースはあるのでしょうし、見木はまだ若いため伸びしろも期待できる上、年俸も安いはず。
 個人昇格のためにもより結果を残すことでより納得感を出すことが必要なのではないかと思いますが、それよりもまずはジェフを勝たせるプレーが出来るようになることを期待したいところですね。

"韓国風"で中央を封じるも外から打開され琉球に1‐2で逆転負け

 改めて前節から大きくメンバーを入れ替えて、若くフレッシュな選手が増えたことで、運動量や前への勢いは高まったと思います。
 相手が前に出てくる琉球ということもあってか、この試合では攻撃も作れて裏への飛び出しも見られた。
 また、メンバーが変わってことで、高い位置でのパスワークからの攻撃も何度か作れました。

 局所局所や個々の動きには可能性も感じる。
 けれども、ここから強くなれるか、結果を残せるのかというと、まだそこまでには至っていないのだろうなとも思います。
 全体的な問題、攻撃でのカウンターの安定感やズルズルと下がってしまう守備の課題は変わっていないだけに、まだチームが大きく好転する期待感までは見いだせていないといったところでしょうか。
 その局所局所での可能性が、チーム全体まで派生すればよいのでしょうが…。

■裏を取ってチャンスを作るもスコアレスで折り返し

 前節初勝利をあげたジェフは、スタメン変更なし。
 控えの7人も、変わっていません。

 開幕から4連勝中の琉球も、スタメンを継続。
 前節負傷交代しFW阿部も残り、左SHには元ジェフ清武、トップ下には習志野高出身の池田が入っています。
 ベンチには、怪我の噂もあった李栄直が復帰しています。


 3分、ジェフの攻撃。
 右サイドから見木のCK、小田がニアで合わせますが、枠をとらえきれず。
 立ち上がりはジェフが積極的に前に出ていきましたが、その後は琉球が攻め込む時間帯が伸びていきます。

 16分には琉球の攻撃。
 左サイドからのFKを清武が蹴ります。
 GK鈴木がはじき返したところを風間宏矢がミドルで狙いますが、ジェフのDFにあたって得点ならず。


 この頃から、完全に琉球がボールを持ってジェフが守る展開に。
 25分にも琉球の攻撃。
 少し長い距離のFKを清武が直接狙うも、ジェフのDFにあたって枠の外。

 飲水タイムを挟んで、30分にジェフのチャンス。
 左サイドの岩崎から、高橋、見木とつないで、中に入ってきた岩崎がミドルシュート
 しかし、GK田口がセーブ。


 32分には琉球の攻撃。
 上里からのパスを受けた右サイドの田中が、中央の阿部にグラウンダーのパス。
 阿部はダイレクトで狙いますが、ジャストミートせず。

 39分、ジェフの攻撃。
 中盤右サイドのスローインからブワニカ、見木と頭でつなぎ、落としたところを拾った福満が裏へのパス。
 岩崎が受けてシュートを放ちますが、角度はなくGK田口がセーブ。


 44分、ジェフのチャンス。
 伊東からのスルーパスに、ブワニカが抜け出します。
 そのまま受けてシュートを放ちますが、GK田口の正面。

 飲水タイムから前への姿勢を再び強めていき、裏を狙っていくジェフ。
 しかし、お互い得点は奪えず後半に進みます。

■サイドから2ゴールを浴び1-2で逆転負け

 後半開始直後、琉球の攻撃。
 清武が伊東を抜き去ってクロスを上げると、風間宏矢が折り返します。
 沼田がフリーで狙いますが、枠の外。

 56分には、カウンターからジェフの攻撃。
 ブワニカが中盤で粘ったところから、見木が受けて長い距離を持ち上がって切り返します。
 ゴール前につなぐと、上がっていった新井一耀が受けてシュートを放ちますが、枠をとらえきれず。


 後半も基本的には琉球がボールを持ち、ジェフがカウンターを狙う展開。
 61分、琉球は清武、池田を下げて、上原、清水を投入。
 左SHに清水が入り、阿部と上原の2トップになりました。
 
 68分、ジェフの攻撃。
 福満からの縦パスを見木が受けてシュート。
 しかし、大きく枠を外れます。

 その直後、ジェフが先制。
 最終ラインで知念が足をもたつかせたところを見木が見逃さず、ボールを奪取。
 福満からのパスを受け直した見木が、シュートを決めて1‐0


 しかし、その直後に琉球が同点ゴール。
 岡崎からのパスを受けた田中がクロス。
 阿部がニアで合わせて1‐1。

 続いて79分、琉球が逆転ゴール。
 同じように、岡崎からのパスを受けた田中がクロス。
 逆サイドから飛び込んできた、清水が決めて1-2。


 80分、琉球は阿部を下げて赤嶺を投入。
 その直後には、ジェフのチャンス。
 見木、福満、岩崎とつないで、見木が抜け出してシュートを放ちますが、枠の外。

 86分、ジェフの攻撃。
 新井一耀からのロングフィード
 こぼれ球をブワニカが拾って岩崎が狙いますが、角度はなく得点ならず。


 88分、ジェフは5枚替え。
 福満、岩崎、高橋、伊東、小島が下がり、ソロモン、船山、小林、チャン、溝渕を投入。
 琉球も風間兄弟が下がり、富所と李栄直が入りました。

 その後、パワープレーで攻め込みますが、得点は奪えず。
 1‐2で琉球の5連勝となりました。

■"韓国風"のサッカーも跳ね返せる選手は少ないジェフ

 ちょうど代表戦が2試合連続であったので見たのですが、目が行ったのは日本代表より韓国代表、アルゼンチン代表でした。
 日本がボールを持って、韓国やアルゼンチンが堅守速攻を狙う流れだったので、ジェフの参考になるのは相手チームの方だった。
 特に今は尹監督体制ということもあって、韓国代表はジェフに似たサッカーをしていた印象でした。

 しかし、その韓国は惨敗し、アルゼンチンは日本を上回った。
 世代や個々の能力の違いはありますが、チームとして何が一番違ったのかを考えると、アルゼンチンは前からしっかりと守備をしていたこと。
 あのアルゼンチンですら前からしっかり守備をするわけで、やっぱり今のサッカーはそこが必須ではないかと思いますし、日本A代表も大迫と鎌田の守備が効いていましたね。

 逆に韓国はコンディション問題もあって、前線から守備が出来なかった。
 そうなると、日本代表は自由に攻撃が開始できて、選択肢が多くどんどん前にパスを出せる。
 相手を揺さぶりたい放題揺さぶれて、仕掛けもしやすい状況となっていました。


 それを踏まえて今日の琉球戦ですが、ジェフは前からプレスにはいかなかった。
 昨年からそうですが、2トップはともかくボランチへのコースを消すことが最優先。
 昨年の山下や今年のブワニカなど、走れるFWが入っても前にはいかないわけですから、そういった戦術なのでしょう。

 琉球ボランチ含めて3枚で回してきましたが、琉球の左右CBにボールが入ると、ジェフはFWではなくSHが前に出ていく。
 それによってジェフの2トップは中央に残ることになり、時には4トップ気味になってSHも中央寄りに絞る。
 そうするとぎゅっと中央の守備が固められ、外はSBだけで対応するということになります。


 こうして、中央を固めることによって、中に入ってきたボールをサンドして潰す。
 そういう守備を狙っているのでしょう。
 守備的ではありますが、意図としてはわからなくもありません。

 ただ、2トップが相手ボランチを意識するためハーフウェイライン付近までボールを持ち込まれても前に行かないから、どうしても全体がズルズルと下がってしまう。
 全体が下がってしまうから、セカンドボールも拾われやすくなるし、カウンターも狙いにくくなり、耐える時間帯が増えてしまう。
 さらに前からプレスに行っていないから、相手CBの選択肢を限定できず、簡単に左右に揺さぶられてしまう。


 中央は厚かったジェフですが、結局右サイドからのクロスで2失点。
 確かに琉球はパスサッカーで背の高い選手もいないため、中央や後方を封じておけば怖さは薄まるところもある。
 しかし、そこに高さのある上原や、ヘディングのうまい清水が入ってきた途端、2連続で失点してしまったことになります。

 後方で引いて跳ね返すサッカーをする割には、DFに高さのある選手が少ない。
 今回相手にやられた鈴木大輔や伊東もテクニカルな選手で、極端に高さに強い選手はいない状況です。
 それならばもっと組織的に、相手の攻撃を限定しながら守るサッカーをしたいところではないかと思うのですが、やっているサッカーは"韓国風"とも言えるものになっている印象です。


 そのあたりが冒頭で書いたように、局所局所では可能性を感じるものの、全体的に見ると課題が多く感じるところではないかと思います。
 選手個々の勢いは感じる部分もありますが、このサッカー、この守備でどこまで行けるのか。
 もちろん前にプレスに行けば相応のリスクもあるでしょうが、それにしても2トップの守り方は極端すぎるのではないか。

 あとは、カウンターをチームとして、より安定して作れるようになるかでしょうか。
 ブワニカの粘りや見木や岩崎の仕掛けなどは良かったですが、ミスも多く攻撃が遅くなってしまうことも目立ちますね。
 琉球もあそこから2点を取り返したのは見事でしたが、穴がなかったわけではないし、むしろ同じパターンで2回もやられてしまったジェフに脆さを感じた試合だったようにも思います。
 ここから強くなるには、もう一回り、2回り成長しなければいけないのではないでしょうか。