北中米代表のパチューカにジェフが練習試合を行い、勝ってしまったそうです。
千葉は6日、千葉県内でパチューカ(メキシコ)と練習試合を行い、4-2で勝った。北中米・カリブ海代表としてクラブW杯に出場する「格上」だったが、FW巻の2得点などで完勝した。
03年に行われたセネガル代表との練習試合をつい思い出しました。
このときもまだ無名だった巻がゴールを決め2-1で勝利。その後試合を行った日本代表は0-1でセネガルに負けてるんですよね。
こういった試合は強いんですよね。
当ブログはプロモーションを含みます
北中米代表のパチューカにジェフが練習試合を行い、勝ってしまったそうです。
千葉は6日、千葉県内でパチューカ(メキシコ)と練習試合を行い、4-2で勝った。北中米・カリブ海代表としてクラブW杯に出場する「格上」だったが、FW巻の2得点などで完勝した。
03年に行われたセネガル代表との練習試合をつい思い出しました。
このときもまだ無名だった巻がゴールを決め2-1で勝利。その後試合を行った日本代表は0-1でセネガルに負けてるんですよね。
こういった試合は強いんですよね。
まずは一度、落ち着いてアマル監督のジェフでの指導に関して、ダラダラと振り返って見たいと思います。
なお、フォーメーションに関しては、怪我人などが出たら変わるので、フルメンバーが揃った時のものが基本だと考えます。
2006年シーズン後半(リーグ戦8勝14敗/ナビスコ2勝1分/天皇杯1敗)
昨年、イビチャ・オシム監督があんな形で強奪され、急遽アマル監督が就任。
まずアマル監督が目に見える変化をしたのが、1ボランチシステムでした。
考え方はわからなくないです。
オシムサッカーの1つの特徴はリベロシステム。
マンマーク主体のディフェンスでリベロに最終ラインをカバーリングをさせれば、誰かがマークを捨てて攻撃に移ってもマークの受け渡しが容易になり、マークを持っていても積極的に攻撃参加することができます。
攻撃主体のサッカーに対するリスクマネジメントが、リベロシステムであるといえるでしょう。
また、単純にワシントンやジュニーニョなどJリーグにはレベルの高いFWがいるため、DFを1人余らせておきたいという狙いもあったと思います。
しかし、一般的な3-5-2では相手が2枚サイドに選手を置いてくると、簡単にサイドで数的優位を作られるという問題が出てきてしまいます。
そこで1ボランチにしてトップ下を2枚にし、トップ下のどちらかが相手サイドバックを見る戦術をトライしました。
これにより、高い位置で早めに相手のマークを掴むというメリットもあります。
けれど、1ボランチは上手く機能しませんでした。
1つは勇人が1ボランチには適応できなかったこと(難しい役割なので仕方ないと思いますが)。
それと、前線に初めから人数が多すぎてスペースが上手く作れず、自慢の“2列目からの飛び出し”が影を潜めてしまったこと。
今期、アマル監督が1ボランチを採用していないことも考えれば、やはりこの戦術は失敗だったんだと思います。
もっともチャレンジしたこと自体を、否定するつもりはありませんが。
このフォーメーションは広島のペトロヴィッチ監督も取り入れていますし、日本代表も昨年までは1ボランチでしたし、狙いが大きく間違っていたわけではないと思います。
なお、イビチャ・オシム監督は相手が4バックの場合は、FWのハースを左ウィングにし、右サイドの選手を1列上げ、ボランチの1人を右サイドバックにした3-3-1-3のようなフォーメーションを実施していました。
アマル監督もナビスコカップの決勝などでは、このフォーメーションでした。
だから、07年もウィングも2トップも出来るFWがぜひとも欲しかったはずなのですが…。
これが07年に苦戦した1つの原因ではないかと思います。
2007年シーズン前半(リーグ戦5勝9敗4分/ナビスコ3勝3敗)
今期のジェフは1ボランチではなく1トップ2シャドーの3-5-1でスタート。
これも、基本的には昨年の流れを汲んだものだと思います。
(FWにウイングもこなせる選手を獲得できなかったため、こうしざるを得なかったのかもしれません。4バックもテストしたようですが、サイドで守備の出来る選手がいませんでしたし。)
相手が4バックの場合にトップ下の2人が相手サイドバックをマークする戦術でした。
1トップだから前線のスペースも出来ます。
しかし、今度は得点力に関して不安が残ってしまいます。
工藤も「2トップだと狙いが増えていい」というようなコメントもしていましたし、1トップも難しさがある戦術だったと思います。
ただし、得点力だけに関して言えば、ハース、クルプニが退団しその穴を埋めるエキストラキッカーを補強できなかったことによる個の部分の課題の方が、大きな問題だったと思います。
また、坂本の穴を埋める守備的なサイドの選手がいなかったことで、フォーメーションに対する柔軟性やサイドの守備に関しての不安を抱えてしまったことも事実。
ただし、前年のナビスコ杯決勝でアマル監督がスタメンから坂本を外したことなどから考えると、坂本の放出はアマル監督の意思であったのかもしれません。
若返りのためか、現在の主力選手に自覚を持たせることが狙いだったのではないでしょうか。
しかし、坂本の穴を補強で埋められなかったのは強化部の責任だと思いますが。
2007年シーズン後半(リーグ戦7勝7敗2分/天皇杯1敗)
後半戦に入ってレイナウドが加入。
新居もようやくチームにフィットしてきて、2トップに戻します。
しかし、これにより2ボランチの3-5-2となったことで、今度は4バックのチームへの守備の課題がはっきりしてしまいました。
新居もレイナウドも中央で活きる選手で、守備も上手くない。
巻も中央で身体を張ってこそ存在意義があるわけで、サイドで使える選手ではありません。
これによりゾーン気味で守る事が増えそれは1つの収穫だったのですが、それでもサイドへのケアは緩くなってしまいました。
実際、相手の右サイドバックがフリーになることが増え、そこからピンチを作られることも少なくありませんでした。
アマル・オシム監督とイビチャ・オシム監督の違い
このように、アマル監督は戦力的なジレンマと戦っていた感じもします。
トータルフットボールを掲げるオシムサッカーでは、基本的に攻守に期待できる選手が必要になります。
しかし、例えば新居やレイナウドはそうではない。
けれども使わないと攻撃面で物足りなさが残る。
こういった、問題点が出てきてしまいます。
例えば、イビチャ・オシム監督なら迷わず新居をウイングで使ったのではないでしょうか。
ジェフでは林、代表では寿人や播戸、ときには我那覇までサイドの守備を担当させていました。
それによって、各選手の持ち味は若干薄れるかもしれません。
けれでもイビチャ監督は頑固に使い続け、走れて守れる自分好みの選手に育て上げることのできる監督です。
わかりやすい例では代表で言えば遠藤、ジェフで言えば阿部だったりします。
それだけの育成能力がなければ出来ないし、多分世界的に探しても本当に何人しかいないレベルなんだと思います。
また、守備に関しても少し違うところがあります。
イビチャ監督はDFラインの高さに関してはあまり気にしていなかったところがあるのですが(もちろん下がりすぎはよくないが)、アマル監督はかなり意識してラインを上げていました。
今シーズンの後半は、試合中にもよくラインを上げるような支持を出すようになりました。
中島がレギュラーになってから、ますますその傾向が高くなっていました。
ストヤノフはDFラインで余るプレーヤーだったので、なかなかラインが上げられない問題がありました。
これまた1つのジレンマですね。
ただし、これに関してはいい意味での変化が見られていたと思います。
このあたりが親子で違うところです。
戦術だけ見ても少しずつ違いはあります。
けれども方向性としてはアマル監督とイビチャ監督はぴったり同じではないにせよ、近い方角を向いていたんだと思います。
(西部さんもエルゴラの次期日本代表監督についてのコラムで、「完全な継承は無理だが“レシピ”を残すのならアマル監督だ」と言っています。)
監督評価のポイント
しかし、監督を評価するポイントはこれだけではないと思います。
例えば多くの解任理由となる成績問題。
あるいは、選手の育成能力。
これに関しては、工藤、青木、伊藤など若手を育てることが出来たので、一定の評価が出来ると思います。
その他にも、選手からの信頼度、モチベーションコントロール、練習の質、ここぞというときの勝負師としての判断能力、対応能力…。
様々な評価ポイントを総合的に見て、どこに重きを置くかが重要だと思います。
例えば、方向性はあっていても毎年13位前後の順位しか見込めないのでは、問題になるかも知れません。
あるいはアマル監督の場合、戦術のレベルが高すぎて選手の質がそれについていけなかったり、方向性は素晴らしいのだけれど理想が高すぎてスタッフが対応できなかったりしたのかもしれません。
そこで、イビチャ監督なら選手やスタッフを育てたり、外国人選手を連れてきたり出来るのだけれど…。
アマル監督は総合的に見れば平均的かちょっと上の監督だと私は思っています。
そして、その上で方向性を重要視し、今の方向性を支持していたから私はアマル監督継続を希望していました。
問題は、新しい方向性が今までの方向性を上回るかどうかだと思います。
そして新たな方向性をクラブが決めたとして、その方向性にそった監督を今のフロントに見つけ出せるかどうかでしょう。
祖母井さんもおっしゃっていたように、方向性を考える上で監督選びというのは非常に重要なものだと思います。
個人的には方向性の中で、どこかは残すべきだと思っています。
アマル監督を解任すれば、完全に今の方向性をキープするのは不可能でしょうからね。
欧州路線、若手育成、走るサッカー…。
監督選びの前に、まずはその方向性を決めることが重要だと思います。
監督交代のタイミングは、決して悪いわけじゃなかったと思います。
シーズン途中に変えるよりよっぽどマシ。
アマル監督の交代はチームの方向性の変更に繋がるわけだし、シーズン中に方向性を変えれば危険度が大きい。
ただ、私はやはりアマル監督に続投して欲しかった。
もう少し戦力が違えばいけたかもしれないし、内容は良いといわれていたのだから何かあれば一気に好転するかもしれない。
でも、どちらにしても“かも”の域を過ぎないんですけどね…。
方向性を変えるにしても、変えないにしても。
けど、私はこの方向性が好きだったし、今のオシム親子が気づき上げたサッカーが好きだから、期待していたんですけどね。