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ラリベイがDF3人に寄せられながらゴール

 東京V戦でのラリベイのゴール、素晴らしかったと思います。
 左サイドの清武からセンタリングが上がった時点でのラリベイは、無理に前へは出て行かずDFとの距離を保ってこぼれ球を待っていました。
 そこからDF3が寄せてきたにもかかわらず、シュートコースをしっかりと見極めて、右足でゴールを決めています。



 トラップからのシュートまでが非常に落ち着いていて、冷静にコントロールして流し込んだ形でした。
 シュートコースもあそこしかなくコース選択も素晴らしかったですが、シュートを打つタイミングや力加減もぴったりだったと思います。
 トラップからシュートまで余裕を持っていける位置にいたポジショニングも素晴らしく、FWとしてのセンスを感じる一連のプレーでした。


 その後にも真希のパスのリバウドを拾って、シュートを放ちゴールネットを揺らしています。
 結局、ラリベイが抜け出した瞬間にボールが手に当たってハンドを取られ、幻のゴールにはなってしまいましたが、ここでも相手GK柴崎の股の間を抜くシュートを放っており、決定力の高さを感じさせました。
 ちなみに、この場面では真希へ中央から大きく展開したのがラリベイで、ポストプレーでの展開力の高さも見せていました。



 今季は昨シーズンの都倉やチョン・テセが成功したことや、DAZNマネーで各チームの財政面が潤ったせいか、外国人CFが目立っている印象です。
 東京Vもドウグラスやマルティネスが在籍し、湘南のジネイやムルジャ、福岡のウェリントン横浜FCのイバ、松本のダヴィ、名古屋のシモビッチ、長崎のファンマ、岡山のオルシーニ、京都のケヴィン・オリス、熊本のグスタボやモルベッキ、山口のレオナルド・ラモス、群馬のカン・スイル…。
 昨年から継続して在籍している選手もいますが、どのチームを見ても外国人CFが当たるかどうかは、チーム作りにおいて非常に重要なポイントとなっている印象です。


 ただ、やはり前線でキープも出来て、高さもあって、守備もして、決定力もあるCFとなるとなかなかいないと思いますし、ラリベイは貴重な存在ではないかと思います。
 何でもできるCFがいると前線での攻撃面で計算が立てやすくなるだけではなく、1トップシステムも不安なく実施できる。
 ちょうど日本代表でもオーストラリア戦で大迫が見事に納めてカウンターの起点になっていましたが、前線でああいった仕事をしてくれるFWがいるとチーム全体が助かると思います。



 決定力の面で目立っている印象のあるラリベイですが、ジェフがFWの決定力で困らないシーズンとなると、本当に珍しいのではないでしょうか。
 ケンペスもJ2得点王にはなりましたが、シュートを数多く打ってゴールを決めていくタイプで、決定力は低かった。
 巻や深井、オーロイなども決定力の高い選手ではなかったですし、決定力のあるFWがいることにどこか違和感を覚えるくらいです…(笑)


 強いて言えば言えば、タイプは違うものの、チェ・ヨンスまで遡るでしょうか。
 ヨンスはゴールへのどん欲さがウリで、ラリベイのように確実に決めるタイプではなかったとは思いますが、ゴール前の位置において良い状態でボールを受ければ決めてくれるだろうという期待感はありました。
 そういう意味では、ラリベイにも近いものを感じます。



 ただ、J1とJ2では相手のレベルも違うので、そこに決定力が左右される部分もあるかもしれません。
 相手DFの寄せのスピードやフィジカルコンタクトの激しさも異なるし、GKのレベルもJ1とJ2では大きく違う印象です。
 東京V戦でのゴールも3人は寄せていましたが、GKも含めて4人いたにもかかわらず、完全にはシュートコースを消し切れなかっていなかったとも言えるでしょう。


 こうなってくると、ラリベイがJ1レベルで活躍できるかどうかも、気になってくる部分あります。
 ただ、そうなってくると、ジェフとしてはラリベイへのJ1チームからのオファーにも、気を付けなければいけない状況なのかなとも思います。
 もちろん理想で言えば今季ジェフが昇格を決め、ラリベイと共にJ1を戦うことということになるのでしょうが、果たして例年にはない決定力のあるFWを有して、どこまで順位を上げることが出来るのでしょうか。

オーストラリア戦での理想とサウジ戦での敗戦

 ロシアW杯出場が決定したということでサウジ戦も見た上で、久々に日本代表に関するエントリーです。
 毎回のことながら今回もいろいろありましたが、終わってみれば余裕を持って出場権を決められたのかなとも思います。
 ハリルホジッチ監督に関しても今になって評価が高まっている印象もありますが、長い間バタバタしていたと思いますし、米倉を左SBに起用した頃などはどうなることか…と思っていました。


 いくら左SBがいないとしてもそれはないだろうと思いましたし、それだけ日本の選手のことをまだ理解していなかったのかもしれません。
 にもかかわらず、選手には厳しく要求するから、ますます大丈夫なのか?という意見が強くなっていたように思います。
 オシム監督が厳しく指摘しても許されたのはジェフでの経験と実績があったからこそだと思いますし、ハリルホジッチ監督は選手起用に関してだけでなくコメントにしても試合内容にしてもフラフラしていた印象です。



 それでも潮目が変わったように感じたのは、大迫や久保、乾など若い選手を起用し始めてからではないかと思います。
 フレッシュな選手たちが試合に出るようになって、チームが活性化していった。
 結果的に世代交代も進んでいったし、何よりハリルホジッチ監督のサッカーに適した選手たちだったと思います。


 そして、W杯を決めたオーストラリア戦では、今までどう使ってもハマらなかった本田と香川の両選手をついに起用しなかった。
 中盤の3人も井手口、山口蛍、長谷部と守備的な選手を並べ、前線も守備が出来てカウンターを狙える3人を並べた。
 かなり守備的な選手構成だったと思いますが、ハリルホジッチ監督はそこまで攻撃を作れるタイプではないと思うし、あれが監督に合ったサッカーなのでしょう。



 久保などを積極的に起用し始めたのも昨年末からですし、活動期間の少ない代表チームで考えれば、チームが好転し始めたのは割と最近だったと思います。
 本田や香川が外せたのもクラブでうまくいっていなかったからという面が大きく、逆に若い選手たちは大抜擢というよりもクラブで活躍しており、順当に選ばれた印象もあります。
 怪我明けの長谷部なども効いていましたし、いろいろなタイミングがうまくハマった試合で、出来が良すぎた展開だったのではないかと思います。


 もちろんオーストラリア戦は良い内容だったことは事実なわけですが、これを今後も継続出来るのか。
 中盤も守備重視な構成でいき、タメの作れるCFを置いて、サイドには守備が出来て縦に速い選手を起用する…。
 これを維持するためには控えの構成も大幅に変えなければいけないかもしれないし、本田などにオオナタを振れるのか…ということにもなってくるかもしれません。
 実際、サウジ戦に出場した本田はやはりプレスやカウンター時のスピード面で物足りなさがあり、オーストラリア戦が理想だとすればフィットしない印象もあり、今後の扱いが難しい選手になってくるのかもしれません。



 結果的には岡田監督が率いた、南アフリカW杯の頃のサッカーにも近い印象を受けます。
 日本サッカー協会幹部の話だとさらに上を目指すためより攻撃的なサッカーを目指す意欲も感じましたが、結局あのサッカーに戻すということになるのでしょうか。
 さらに上を目指したチャレンジも必要かもしれませんが、W杯でコンスタントに結果を残すことも大事なのかもしれませんし、どちらが良いのかというのは一概には言えないところがあるのかもしれませんね。


 個人的には最近の解任報道には疑問も感じじていましたが(とはいえ、今さらスポーツ紙の内容などそこまで気にすべきなのか?とも思いましたが)、かといってここにきて急に評価が上がるのもさすがに不思議な印象も受けます。
 それこそザッケローニ監督時代もW杯出場権決定直後は、大きく株が上がっていた印象ですが、それに近いものもあるのでしょうか。
 しかし、ザッケローニ監督も最終的にチームをまとめきれなかった印象が強いですし、まだどう転ぶかはわからないところがあるのではないかとも思います。



 もう1つ感じるのは、なんだかんだ言っても日本の選手たちはしっかり次が出てくるな…ということ。
 高原、小野、稲本など黄金世代と呼ばれた年代から、次は大丈夫なのかと毎回のように不安視されていましたが、今回も十分に次に活躍できる選手たちが出てきた。
 特に近年のオーストラリアは次の世代が出てこずに一回りも二回りもスケールが小さくなってしまった印象ですから、なおさら次の世代が台頭しつつある日本サッカーの強さを感じるところがあります。


 ともかく、日本代表としてはオーストラリア戦で1つの理想となるのかなとは思いますが、それをどの相手でもやれるのか、どういった状況でも実行できるのかが、今後のテーマとなっていくのでしょうか。
 オーストラリア戦は相手の攻撃に怖さがなかったことも加味しなければいけないと思いますし、サウジ戦ではメンバーを変えたこともあって前戦ほどスピードあるプレスとカウンターが繰り出せずに苦労した面もあった印象です。
 加えて縦に速いカウンターだけでどこまで戦えるのかといった問題が出てくる可能性もあり、サウジ戦のように先に失点したらどうするのか…という疑問も残されているのではないでしょうか。
 いずれにせよ、やたらとこの段階でハリルホジッチ監督の評価が高まるのはチームにとってもいかがなものかなと思いますし、理想を1つ作り出した上でここからどうチームを熟成できるかをしっかりと見ていきたいところではないかと思います。