その1に続いて、支出の部を見てみたいと思います。
『人件費』が多少下がっていますね。
(単位:百万円)
05年度 06年度 07年度
営業費用 2,548 2,752 2,692
(事業費) 2,191 2,489 2,412
→人件費 N.A. 1,436 1,310
(一般管理費) 357 263 280
坂本、阿部といった主力が抜けたことに加え、半年間外国人選手が2人体制だったことや、監督が変り年俸が下がった影響でしょうか。
ただし、『人件費』が下がったとはいえ、06年度のJ1平均は1,533百万円で、07年平均は1,445百万円。
某チームが飛び値となって平均を上げていることを加味すれば、全くもって少ない額ではありません。
毎年同じことを言っている気もしますけど、未だにそこが理解できない方もいるようで…。
そのほかの部分を見ても『営業費用』は大きく変わっていません。
続いて『営業利益』、『経常利益』を見てみたいと思います
確かに増えています。
営業利益 174 135 420
経常利益 160 128 418
約3億円近く。
その1でも言ったように『営業収入』の『その他』で約3億円増えているので、ぴたりとあいます。
ということで、『経常利益』トップは『営業収入』の『その他』が増えたおかげといっていいでしょう。
しかし、注目なのはそのあとの数字で…。
418百万円も『経常利益』が出たのに対して、『当期純利益』が94百万円!?
当期純利益 ▲128 86 94
今回のデータで一番の注目は、『その他』でも『経常利益』でもなく、むしろここなのではないかと。
『当期純利益』というのは、『経常利益』から「税金関係」と「特別損失」を加減したもので、最終的に会社に残る利益です。
どれだけ「特別損失」が発生したっていうんでしょうか?
「税金」にしては大きな額ですしね。
振り返ってみれば05年度のデータも、ここでかなり損失が出ていて『純利益』が発生せず損失が出ています。
『当期未処分利益』は黒だったのでさほど気にならず、「フクアリ移転でかかった費用を特別損失にしたのかな?」とか適当に思っていたのですが、むしろ06年度の「特別損失」が例年に比べて発生しなかったということなのでしょうか。
でもそれじゃあ“特別”じゃないじゃんって思うんだけれど(笑)
「特別損失」がここまで発生している原因がよくわかりませんねぇ。
有価証券を持っているとか、固定資産を持っているとかはあまり考えられないと思うのですが…。
ともかく『当期純利益』がこれしか出なかったのは紛れもない事実。
『経常利益』が出たからといって「人件費に回してやれ」って言われたって、そうはいかないんですよねぇ。
出し渋っているわけじゃなく、払った損失が出てしまうレベルなですから…(笑)
今期の『当期純利益』は94百万。
これではフルゴビッチの移籍金にもならないですよ…。
次に財政状況。
『総負債』の額が年々増えていることが多少心配ではありますが、自己資本も増えているのでそこまで気にしなくてもいいでしょう。
総資産 646 751 1,041
総負債 385 404 600
純資産 260 347 441
資本金 100 100 100
繰越利益余剰金 247 341
当期未処分利益 161
むしろ総資産が増え、会社の規模が大きくなってきていることは前向きに評価したいところです。
ちなみに『当期未処分利益』は『繰越利益余剰金』に名前が変わったものなので、都合上こちらに持って来ました。
さて、次回は分析法での計算などを。