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もがききれ!そして、その先へ?

 J1昇格に望みをかけるジェフにとっては、大きな大きな敗戦となってしまいました。
 残り数試合になったところで、2位甲府相手は引き分けでも良い相手かな(どちらにせよ負けはダメだけど)…と思ってはいたのですが、前節横浜FC戦にも敗れたことで、この時期に2連敗となってしまったのは非常に痛いですね。


 もちろん、それでも最後まであきらめずに頑張っていかなければなりませんが。
■1点を先制し、安定した守備に入る甲府
 立ち上がりは両者、がつがつとした展開。
 やはり甲府相手となると、他のチームとは違って簡単には押しこめないですね。


 ジェフは鎌田に変わって、ここ数試合CBで起用されていた青木良太を右SBに起用。
 CBには福元をスタメンで配置しました。
 試合序盤はその良太から、トップ下谷澤がDFラインの裏に飛び出す展開も何度か。
 やはりビルドアップという点で面白い存在になってきました。


 前半7分にはパウリーニョがドリブルでタメを作って、左サイドに走り込んだ秋本に展開し、PA脇に走り込んできた藤田がシュート。
 人に付く意識の強いジェフは、パウリーニョのドリブルだけで守備バランスが崩れ、SBとCBの間が大きく開いてしまいました。
 もちろん人に付くといっても、そこで潰せればいいのでしょうけど…。


 ただし、あちらが前に出てきてくれれば、その分逆に相手にもスペースもできる。
 前半10分過ぎにはハーフカウンターの形からアレックス、孝太と左サイドを攻めて、最後は深井がGKと一対一のシュートを放つも決まらず…。
 凄く惜しいシーンでした。



 一進一退の展開でしたが前半16分、後方からジェフDFライン裏を狙うロングパスにパウリーニョが反応し、そのまま抜け出してゴール。
 パスの出し所への守備が緩かった問題もありますが、あそこはしっかりと福元に付いていてほしかったかなぁと。
 その前に良い守備をしていましたし全体的には悪い出来ではなかったとは思いますけど、一発でもやられると試合に大きな影響を与えてしまう…。
 このあたりが守備陣のつらいところですね。


 その後は甲府がしっかりと守備を固めてきたため、ジェフはカウンターの形が作れなくなります。
 甲府はラインを下げる守り方ではなく、等間隔に守る安定した守備を見せていました。
 CB2人はきちんと1トップの青木孝太について、ジェフの中盤にボールが入ると必ず2人以上でそこを潰す。
 SBもスペースの穴を作らず落ち着いて対応し、ウイングもSBを絶対にフリーにさせない…。


 それに対してジェフは前線にはボールがはいるものの、そこから選手が連動して動いていかない。
 チームとして相手守備陣を揺さぶる形も作れず、攻撃が個人技頼みになっていました。
■孝太と伊藤のコンビ
 甲府が守備ったこともあって、攻撃に行き詰った時間帯が長かったジェフ。
 後半に入っても、長らくその傾向が続きます。


 しかし、後半18分に山口に変えて米倉を投入したことで、中盤と前方の繋がりが出来てくると、後半25分に投入した伊藤がいきなり見せてくれました。
 中盤でボールを受けたところで、右斜め前方に走り込んでいた孝太にスルーパス
 孝太はトラップでシュート体勢にうまく持ち込めなかったものの、うまく体を入れてPKを獲得。
 これをアレックスが決めて、同点とします。


 やはり孝太と伊藤の相性はすごくいいですね。
 飛び出しの一歩目が速く四方を走り回って前への飛び出しを狙う孝太と、ボールにタッチした瞬間にパスコースを見つけ縦にピンポイントで鋭いパスを出せる伊藤と。
 このシーンではその2人の良さがはっきりと出たシーンではないでしょうか。



 その後、甲府の猛攻がありましたが何とか防ぐとジェフの時間に。
 けれども、またそこで相手を攻略しきれない時間が続いてしまいます。


 すると今度は後半40分、パウリーニョが長めの直接FKをねじ込み1-2に。
 壁の枚数も少なく、油断していたところがあったんじゃないかと思います。
 ボールを保持して崩しきれない状況で、フッと集中力が切れて失点してしまう…。
 これも今期よく見たパターンですね。


 その後、孝太や米倉を中心に相手を攻め立てますが、ゴールとはいかず1-2で悔しい敗戦となってしまいました。
■窮地の中で何が見えてくるのか
 やはり似たもの同士の対決で、だからこそ大差はないように見えますが、確実にチーム間の差があったようにも感じました。
 特にゴール前での攻守においてのクオリティの安定度。
 そこで甲府に軍配が上がっていたように思えます。


 守備ではバランスを崩さず、しっかりと(マークの交換やカバーリングなど)連携を取って、落ち着いた守りを見せる。
 攻撃ではハーフナー・マイクがポストになって、パウリーニョが縦に仕掛けて、中央にを作りつつ、サイドを広く使った展開を作る。
 ポストもスピードもあって、中も外もある。
 その上で、しっかりと狙いのある攻撃が作れていた印象でした。
 ハーフナー・マイクは体の使い方がうまくなりましたね。
 孝太とは同い年ということになりますか。


 それに対して、ジェフは守備もボールに寄りすぎる傾向がありますし、攻撃も迷いがあるように感じてしまいます。
 やはり特に感じたのは、相手を崩せるかどうかという部分。
 試合終盤に捨て身とも思える攻撃でチャンスを作れたというのは1つの収穫ではありますが(相手の疲れもあったように感じましたが)、それ以上に特に1点取られてからの攻撃の形が作れていないことが残念でした。
 ここ数試合ではっきりとした課題ではあったわけですが、それを改善する策が見えてこなかったというのも非常に残念です。
 



 …まぁ、このあたりは毎回同じ感想ですから、今回は置いておくとして。
 裏では福岡が徳島に逆転勝利し、これで昇格圏内とは勝点7差。
 率直に言ってかなり厳しい状況になってしまったというのが、現実ではないかと思います。


 とはいえ、まだ可能性はある。
 奇跡が起こらないとは誰にも言えないわけですし、最後まで望みを捨てないことが重要ではないでしょうか。
 最後までもがくということ。
 もしかしたら、その中で得られるものもあるかもしれないし、奇跡が起こる可能性もあるかもしれません。


 この試合でもその片鱗を見せてくれたように、孝太や伊藤、米倉のような若い選手たちが残り試合で全てを出し切ることで未来に繋がる何かが残るかもしれないし、クラブにとって新たな可能性が見つかるかもしれない。
 窮地に立たされた状況でリーダーシップをとれる選手が出てくるかもしれないし、逆に直さなければいけない大きな課題が見つかるかもしれない。
 それらがすべて来季にそのまま繋がるかどうかは分からないですけど、全てをやりきったと思えれば何かが見えてくるかもしれないし、それがクラブの成長に繋がるかもしれません。
 けれども、もし途中でそれをあきらめてしまったら、そういた機会も失われてしまうんじゃないでしょうか。



 ということで、「もがききれ!そして、その先へ」。
 「もがく」って本来あまり良い言葉ではないかもしれませんけど、状況も状況ですし敢えてそれでいいんじゃないかと(笑)


 窮地の中で、ジェフは最後まで頑張れるかどうか…。
 その中で何が見えてくるのかを含めて、今は逆にこの状況を楽しみたいとすら思っています。
 もちろんこの敗戦も悔しいですし精神的に楽な状況ではないのも事実ですけど、まだかすかな望みは残っているわけですしね。
 頑張っていきましょう。